交換留学で所得制限なしの奨学金は?業務スーパーを第一候補にしたい理由

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【大学間交換留学の教科書編集部】

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交換留学の奨学金を探していて、所得制限のない給付型はないかと迷っている人も多いと思います。
私は、条件に合う学部生なら業務スーパージャパンドリーム財団を第一候補にしてほしいと思っています。
2026年度募集要項の応募資格には世帯所得の上限がなく、給付額も採用枠も大きいからです。

・世帯所得の上限:2026年度募集要項の応募資格に記載なし
・給付額:月額15万円または20万円+一時金15万円または25万円
・採用規模:2026年度は約800名を予定
・公式掲載の採用実績:2025年度は800名/1,395名で約57.3%
・注意点:大学経由の応募、学部生限定、GPA・語学基準あり、他の留学奨学金との併給不可

ただ、「所得制限なし」は家計を一切見ないという意味とは限りません。JASSOの月額が所得で変わる、という理解も実は正確ではありません。
業務スーパー財団の倍率の推移、日程、書類の書き方は、業務スーパー奨学金の解説記事で詳しくまとめました。

※制度名の「業務スーパー」は、正式には「公益財団法人 業務スーパージャパンドリーム財団」の「留学支援事業」を指します(2026年度募集要項の名称。大学の掲示では「派遣留学奨学生」とも書かれます)。情報は2026年9月7日時点です。2026年度の募集は終了しているため、次年度に応募する人は最新の募集要項を必ず確認してください。

1. 「所得制限なし」の3つの確認点

「所得制限」という言葉だけで比べると、判断を誤りやすいです。
確認することは次の3つです。

  1. 応募資格に世帯所得の上限があるか
  2. 家計状況が選考や推薦の材料になるか
  3. 所得によって支給額が変わるか

業務スーパー財団は、2026年度募集要項の応募資格に世帯所得の上限が書かれていません。
JASSO協定派遣には「経済的理由により自費のみでの派遣プログラムへの参加が困難」と在籍大学が認めること、という要件があります。
トビタテは応募そのものが一律にできなくなるわけではありませんが、家計基準を超えると月額が下がる仕組みです。

業務スーパー財団・JASSO協定派遣・トビタテの所得条件と月額の比較

気をつけたいのは、「上限の記載がない」と「審査で家計を見ない」は別だということです。
民間財団によっては、応募資格に年収の上限がなくても、申請書で家計状況を書かせます。
検索結果の見出しだけで決めず、その年度の募集要項と申請書の両方を見てください。

2. 所得上限のない交換留学向け奨学金の比較

2026年度の公表資料から、交換留学で候補になりやすい6つを並べました。
順に、家計の扱い、主な給付額、採用規模、向いている人です。

・業務スーパー財団:応募資格に世帯所得上限の記載なし/月15・20万円+一時金15・25万円/約800名予定/6か月以上、または1学期以上の交換留学をする学部生
・JASSO協定派遣:大学が経済的必要性を認める要件あり/月8〜12万円(月額は地域別)/採択プログラム・大学内選考による/所属大学の採択プログラムで留学する人
・トビタテ:家計基準により月額区分/月6万円、または月12・16万円等/第18期は大学生等約250名予定/実践活動と独自の留学計画がある人
・安田奨学財団:応募資格に所得上限の記載なし/月10万円/10名程度/指定大学から6〜12か月留学する学部生
・大林財団:海外留学奨学金の応募資格に所得上限の記載なし/月20万円/10名程度/都市に関連する分野を学ぶ指定大学の学生
・TOMODACHI住友商事:明示的な所得上限なし。申請書で家計情報を提出/総額180万円/10名程度/指定12大学から米国へ交換留学する人

同じ「所得上限なし」でも、対象の範囲と選考方法はかなり違います。
ここに挙げたのは主な条件だけなので、対象大学・専攻・留学国・併給条件まで要項で確認してください。

3. 業務スーパー財団を第一候補にしたい4つの理由

a. 世帯所得の上限なし

2026年度募集要項の「応募資格」には保護者の年収や世帯所得による上限がありません。
家計基準で応募先が絞られやすい学生にとっては、これだけで大きな違いです。
財団は、留学を通じて学び、将来活躍する若者を支援する趣旨を掲げています。応募資格も家計の上限より、交換留学の内容、GPA、語学力、人物面などを見る作りです。
非公開の選考内容を推測して対策するより、自分の留学目的と帰国後の活用を具体的に書くほうが確実です。

b. 月15万・20万円の給付額

給付額は留学先の地域に応じて月額15万円または20万円です。
これに、アジア地域は15万円、その他の地域は25万円の一時金が加わります。
支給は最長12か月ですが、原則として現地の授業開始から期末試験の終了までが対象です。開始月・終了月の対象日数が15日未満なら、その月は支給されません。
渡航日と帰国日だけで予算を組まず、大学の学年暦と照らし合わせておくと安心です。

たとえば月20万円の地域で支給対象が10か月と認められ、一時金25万円も受け取れる仮の例なら、合計225万円です。
海外に10か月いれば必ずこの額になる、という意味ではありません。都市や為替によっては足りないこともあります。
それでも、交換留学は授業料が相互免除でも、家賃、食費、保険、航空券の支払いが続くんですよね。
個人的には、所得上限がない、毎月まとまった額が入る、採用枠が大きい、の3つがそろう制度はかなり貴重だと思っています。

c. 約800名の採用枠

2026年度の採用予定は約800名です。所得上限のない民間奨学金には採用10名程度の制度も多いので、この規模は目立ちます。
公式に掲載された実績と、そこから計算した採用率は次のとおりです。

・2025年度:応募1,395名、採用800名(約57.3%)
・2024年度:応募1,328名、採用740名(約55.7%)
・2023年度:応募1,051名、採用586名(約55.8%)

直近3年はいずれも約56〜57%です。

d. 留学先・専攻の幅広さ

財団によっては、米国限定、特定大学限定、都市分野限定などの条件があります。
業務スーパー財団は、大学間・部局間協定に基づく交換留学なら、留学国や専攻の対象が比較的広いのが強みです。
ただし、語学研修が目的の留学は対象外です。所属大学にこの財団の学内募集がなければ応募できないので、まず大学の留学担当窓口で確認してください。

4. 採用率の読み方

業務スーパー財団・JASSO協定派遣・トビタテのどれにも応募した私の立場では、条件に合う人にとって業務スーパー財団はかなり狙いやすい有力候補だと感じています。
採用予定約800名、直近の採用率約57%という数字には十分な説得力がありますよね。
ただ、「一番受かりやすい」とまでは言えません。

「全国の交換留学奨学金の中で一番受かりやすい」と言い切れない理由は、制度ごとに応募条件や応募者の層が違い、大学内の推薦選考もあるからです。応募者数を公開していない奨学金も多く、同じ条件では並べられません。
採用率57.3%も、一人ひとりの合格確率が57.3%という意味ではありません。

正確に言うなら、「高額な給付型奨学金の中では採用枠が大きく、公式実績でも比較的高い採用率が確認できる」です。
10名程度の民間財団だけに賭けるより、先に応募資格を確認したい制度だと思っています。

5. 業務スーパー財団の応募条件と注意点

a. 主な応募条件

2026年度募集要項の主な条件は次の8つです。年度によって変わることがあるので、次の募集では最新版で確認してください。

・留学形態:大学間・部局間協定に基づく交換留学。語学研修は対象外
・留学期間:6か月以上、または1学期以上。支給は最長12か月
・在籍課程:日本の大学に在籍する学部生。留学開始時に2年生以上
・年齢・国籍:35歳以下の日本国籍者
・成績:GPA 3.0満点換算で2.5以上
・英語の例:TOEFL ITP・PBT 500、iBT 70、IELTS 5.5、TOEIC L&R 820以上のいずれか
・応募経路:所属大学を通じて応募。学生から財団への直接応募・直接問い合わせは不可
・併給:同じ留学に対する他の奨学金との併給不可。併願後、両方採用された場合はいずれかを選ぶ

留学期間は「6か月以上、または1学期以上」なので、暦の上で6か月に届かなくても、1学期の交換留学なら対象になり得ます。期間の証明方法は学内窓口で確認してください。
GPA・語学のほかに、在籍大学換算で1セメスター12単位以上に相当する履修計画と、現地で予定する対面授業が全体の半分以上であることも条件です。
留学先の単位数をそのまま使わず、履修候補と授業形式を学内窓口に確認しておくと安心です。

b. 5つの弱点

・ほかの留学奨学金と併給できません。JASSOや大学基金などと同時にもらう前提では組めません。大学から出るお金が「留学奨学金」に当たるかは、所属大学に確認してください
・対象は学部生のみで、大学院生は対象外です。大学院生はJASSO協定派遣、大学独自の制度、研究分野に合う民間財団などを探すことになります
・応募は大学経由で、財団の締切より早い学内締切があることがあります
・GPA・語学の基準が高めで、交換留学の応募条件とは別に確認が必要です
・選考内容の公開は禁止されています。財団が非公開にしている選考内容や質問を、SNSやブログに載せてはいけません

「所得制限なし」だけで選ぶと、あとから併給できないことに気づいて困ることがあります。
複数に併願するなら、両方採用されたときにどちらを選ぶか、総額と支給時期まで並べて考えておくと安心です。

6. JASSO協定派遣との違い

ここは誤解が多いところです。
JASSO海外留学支援制度(協定派遣)の奨学金月額は、所得では変わりません。留学先の地域区分によって、月額12万円、11万円、9万円、8万円のどれかになります。

所得で差が出るのは、主に「渡航支援金」です。家計基準を満たす場合は16万円、一定の派遣期間を満たす場合は1万円が支給されます。
広島修道大学の2026年度案内では、家計支持者全員の金額を合算し、給与所得のみの世帯は税込の年間収入300万円以下、給与以外の所得もある世帯は必要経費等を控除した年間所得200万円以下が家計基準とされています。
「収入」と「所得」を取り違えないよう、対象年度の証明書と判定方法は所属大学で確認してください。

一方で、JASSO協定派遣には、経済的理由で自費のみでの参加が難しいと在籍大学が認めること、という資格要件があります。
だから、「JASSOは所得制限なし」と言い切るのも正確ではありません。実際の学内判定は大学の募集案内で確認してください。

また、JASSO協定派遣は、個人がJASSOに直接応募する制度ではありません。所属大学のプログラムが採択され、その枠で学内選考を受けます。
大学の交換留学をお金の面から支える制度、と考えるとわかりやすいです。
協定派遣の金額や学内での選ばれ方はJASSO協定派遣の解説記事で詳しく説明していて、奨学金全体の探し方は次の記事にまとめています。

7. トビタテとの違い

奨学金を通じたつながりやコミュニティを重視するなら、候補はJASSO協定派遣よりトビタテです。
事前・事後研修、留学中の活動、帰国後のコミュニティが制度に組み込まれていて、違う分野の学生や卒業生とつながりやすい作りになっています。

第18期の募集要項では、JASSO第二種奨学金の家計基準を満たす人は地域に応じて月額12万円または16万円、家計基準を超える人は月額6万円でした。
さらに、家計基準を超える人の採用は、支援予定人数全体の1割程度が上限とされています。応募できることと、同じ枠・同じ金額で選考されることは別です。
所得で月額が変わるのは、JASSO協定派遣ではなくトビタテのほうです。

ただし、トビタテは交換留学で授業を受けるだけの計画では足りません。インターン、フィールドワーク、ボランティア、研究などの実践活動を組み込んだ、自分ならではの留学計画が求められます。
個人的には、迷ったら毎月のお金が安定する業務スーパー財団を優先するのが現実的だと思います。
活動の自由度やコミュニティを重視する人だけ、トビタテを軸にするのがおすすめです。
第19期(2027年度)の要項でも、この金額と1割程度の上限は同じです。
条件や倍率はトビタテの解説記事にまとめています。

8. ほかの所得上限なしの民間奨学金

a. 安田奨学財団

2026年度は指定大学に在籍する学部生の6〜12か月の交換留学を対象に、月額10万円、10名程度を募集しました。公表された応募資格に所得上限はありません。
ただし、各大学からの推薦は原則1名で、ほかの給付型奨学金との併給もできません。対象大学で学内推薦を取れるかが分かれ目です。

b. 大林財団

海外留学奨学金は月額20万円、6か月から2年、上限480万円で、採用は10名程度です。海外留学枠の応募資格には世帯所得上限の記載がありません。
金額はとても大きい一方、指定大学に在籍し、都市に関連する学問・研究をする学生が対象です。建築、都市計画、交通、環境、社会科学など、テーマが合う人は確認してみてください。

c. TOMODACHI住友商事

指定12大学から米国へ1年間交換留学する学生が対象で、2026年度は10名程度、総額180万円の支援でした。明示的な所得上限はありませんが、申請書で家族の収入や家計状況を出します。
事前研修、米国東海岸での研修、メンタリング、同窓生コミュニティなどがあり、「お金だけでなく人とのつながりもほしい」人には魅力的です。
ただし米国限定・指定大学限定で、採用人数も多くありません。

安田・大林・TOMODACHIはどれも指定大学が対象なので、自分の大学が入っていなければ、業務スーパー財団の準備に時間を回すのがおすすめです。
候補は募集年度によって変わります。今応募できる制度は海外留学の奨学金データベースで留学期間、国、対象課程などを絞って探してみてください。

9. 次の募集までの準備

2026年度の募集は終わっているので、次の募集までにやることは次の4つです。

a. 学内募集の有無の確認

□ 過去に学内募集があったか、次はいつ案内があるかを聞いた
□ 交換留学の学内選考と同時に応募できるかを確認した

業務スーパー財団には、学生が直接応募できません。問い合わせも財団ではなく所属大学の窓口にしてください。

b. 語学スコアとGPAの準備

□ 語学試験の日程を決めた
□ 成績証明書を用意し、応募用の成績換算を学内窓口に確認した

財団の補足資料では、応募時は大学側のルールで3点満点に再計算し、財団の選考時には要項所定の方法で算出すると説明されています。
大学の4点満点GPAに単純に4分の3を掛けて、応募できる・できないを自分で決めないでください。

c. 留学目的の言語化

□ 履修したい授業、現地で得たい経験、帰国後の活かし方を1本の線でつないだ

所得上限がない奨学金では、家計の事情より、留学の目的と将来へのつながりで差がつくと考えています。
交換留学用の志望理由書をすでに書いているなら、奨学金用への書き分け方を見ると、使える部分と足す部分がわかります。
財団の目的と自分の計画の重ね方は、業務スーパー奨学金の解説記事の7で架空の例つきで説明しているので、書く前に一度のぞいてみてください。

d. 募集開始後の再確認

□ 財団の締切と、大学独自の学内締切の両方を確認した

2026年度の業務スーパー財団は1月と7月に受付期間がありましたが、次年度も同じとは限りません。
出発が半年ずれるだけで、対象になる募集回が変わってしまうこともあります。

まとめ

  • 条件に合う学部生なら、業務スーパー財団が第一候補。所得上限なし、月15万円または20万円+一時金、採用予定約800名
  • ただし大学経由、学部生限定、GPA・語学基準あり、ほかの留学奨学金とは併給できない
  • JASSO協定派遣の月額は地域で決まり、所得で月額が変わるのはトビタテ。制度は家計上限・支給額・採用規模・対象条件・併給の5点で比べる

今日やることは大学の留学担当窓口に、業務スーパー財団の学内募集があるか、次はいつ案内されるかを聞くことです。
募集中のほかの候補は海外留学の奨学金データベースから探せます。


参考にしたサイト:業務スーパージャパンドリーム財団/2026年度募集要項/2026年度補足資料/トビタテ第18期募集要項/JASSO海外留学奨学金検索サイト(同財団の実績)/JASSO海外留学支援制度(協定派遣) / 広島修道大学「海外留学支援制度(協定派遣)」2026年度案内/トビタテ!留学JAPAN/京都大学「安田奨学財団2026年度」/大林財団/TOMODACHI住友商事奨学金プログラム(2026年9月7日確認。業務スーパー財団の対象期間・成績換算・履修条件とトビタテの家計基準外採用枠は、2026年9月9日に要項を再確認)体験談は筆者個人のもので、同じ結果を保証するものではありません。