IELTS 5.0・5.5・6.0・6.5・7.0でどこまで狙える? 交換留学の語学要件をまとめてみた

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【大学間交換留学の教科書編集部】

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IELTSは5.5でアジアと欧州の英語開講プログラム、6.5で英語圏の主要大学が狙えるようになります。
東京大学と明治大学の交換留学92ルートの条件を数えると、スコア帯ごとの目安は次のとおりでした。

・5.0:5ルート。語学の最低点がない学校など、ごく一部
・5.5:37ルート。韓国・台湾・マレーシアと、北欧・南欧などの英語開講プログラム
・6.0:54ルート。アジアの主要校と、英語圏の一部
・6.5:87ルート。カナダ・豪州・英国の主要校がまとめて入る
・7.0:92ルート。増えるのは米国の名門校など5ルートだけ

扱うのは、日本の大学に在籍したまま1学期〜1年間留学する大学間交換留学です。

1. スコア別の該当ルート数

IELTS 5.0から7.0までの各スコアで条件を満たす交換留学ルート数

集計の結果は次のとおりです。かっこ内は92ルートに占める割合と協定校の数です。

・5.0:5ルート(5.4%、5校)
・5.5:37ルート(40.2%、35校)。5.0から+32
・6.0:54ルート(58.7%、52校)。5.5から+17
・6.5:87ルート(94.6%、82校)。6.0から+33
・7.0:92ルート(100.0%、87校)。6.5から+5

92ルートは実在の協定校でいうと87校です。
同じ協定校と両方の大学が協定を結んでいることがあるので、ルート数と校数は一致しません。

日本側の大学ごとに分けると、差が出ます。
・東京大学(55ルート):5.0で5、5.5で13、6.0で24、6.5で50、7.0で55
・明治大学(37ルート):5.0で0、5.5で24、6.0で30、6.5で37、7.0で37

明治大学が5.0で0になるのは、学内の下限が5.5に設定されているためです。
協定校ではなく日本側の大学の条件が壁になる例です。

2. IELTS 5.0〜7.0で狙える交換留学先

a. 5.0:最低点のない学校が中心

条件を満たしたのは5ルート(5.4%)で、すべて東京大学のルートです。
語学の最低点を設けていない4ルート(国立台湾大学、スウァスモアカレッジ、ノースウェスタン大学、サンパウロ大学)と、モンテレイ工科大学(メキシコ、IELTS 4.5)の1ルートでした。

ただ、これは「5.0で行ける5校」という意味ではありません。
スウァスモアカレッジは資料に「特定の英語要件はないが、過去の実績から高い英語力が必要」、ノースウェスタン大学は「最低スコアはないが、厳しい授業についていける英語力が必要」と書いています。
サンパウロ大学はポルトガル語での履修が中心です。

b. 5.5:アジアと欧州の英語開講プログラム

37ルート(40.2%)、35校です。5.0から一気に32ルート増えます。
新しく入るのは、次のような学校です。

・韓国:高麗大学、西江大学、建国大学など(明治大学の10ルート)
・台湾:国立台湾大学、国立台北大学、国立中央大学など
・マレーシア:マラヤ大学、マレーシア工科大学、マレーシア科学大学
・北欧・南欧などの英語開講プログラム:ウプサラ大学、スウェーデン王立工科大学、ローマ大学ラ・サピエンツァ、マドリード自治大学、ベルリン自由大学
・そのほか:ステレンボッシュ大学(南アフリカ)、中東工科大学(トルコ)、ポズナン経済大学(ポーランド)

5.5で増えた32ルートはすべて非英語圏でした。
英語圏(英国・米国・カナダ・豪州・ニュージーランド)の41ルートのうち、5.5で条件を満たすのは最低点のない2ルートだけです。

c. 6.0:アジアの主要校と英語圏の一部

54ルート(58.7%)、52校です。
アジアではソウル大学校、延世大学校、チュラロンコン大学、インドネシア大学が入ります。

英語圏で6.0から入れるのは、次の9ルートです。
・東京大学:グラスゴー大学、ロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)、ワシントン大学、オークランド大学、オタゴ大学
・明治大学:西シドニー大学、ニューイングランド大学、エディスコーワン大学、ヨーク・セント・ジョン大学

英語圏41ルートの内訳は、最低点なしが2、6.0が9、6.5が26、7.0が4です。
7割強にあたる30ルートが6.5以上を求めているので、6.0は英語圏がようやく入り始める段階です。

d. 6.5:カナダ・豪州・英国の主要校

87ルート(94.6%)、82校です。全体の9割以上がここまでで条件を満たします。
新しく入るのは次の学校です。

・カナダ:トロント大学、ブリティッシュ・コロンビア大学、マギル大学、ビクトリア大学
・豪州:メルボルン大学、シドニー大学、オーストラリア国立大学、クィーンズランド大学、モナシュ大学、ニューサウスウェールズ大学ほか計12ルート
・英国:マンチェスター大学、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、ウォーリック大学、エクセター大学、サウサンプトン大学、シェフィールド大学
・欧州:パリ政治学院、ルンド大学、フローニンゲン大学、トリニティカレッジ・ダブリンなど

e. 7.0:米国の名門校など5ルート

92ルート(100.0%)、87校です。
7.0で初めて条件を満たすのは次の5ルートで、いずれも東京大学のルートです。

・ジョンズ・ホプキンス大学(各技能7.0も必要)
・プリンストン大学(学部)
・イェール大学(Fox International Fellowship Program・大学院生対象)
・ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(人類学部のみ、各技能7.0)
・シンガポールマネジメント大学

今回の範囲では、7.0は「この5ルートを狙うかどうか」で決まります。
ほかの87ルートは6.5までで条件を満たします。

3. 0.5上げたときの増加ルート数

IELTSを0.5上げたときに増える交換留学ルート数の比較

0.5上げる価値が大きいのは、5.0→5.5と6.0→6.5です。
0.5上げたときに増えるルート数は次のとおりです。
・5.0 → 5.5:+32
・5.5 → 6.0:+17
・6.0 → 6.5:+33
・6.5 → 7.0:+5

5.5の帯には非英語圏の英語開講プログラム、6.5の帯には英語圏の主要大学が集まっていて、その間の6.0は該当校が少なくなっています。
そのため「6.0まで取れば十分」という説明は、今回のデータとは合いません。6.0で止めると、6.5で開く33ルートを取り逃してしまいます。

地域別に見ると、この2つの層がはっきりします。数字はそのスコアまでに条件を満たすルートの累計です。

・5.0:北米2、欧州0、アジア1、オセアニア0、中南米2、その他0(計5)
・5.5:北米2、欧州9、アジア21、オセアニア0、中南米3、その他2(計37)
・6.0:北米3、欧州13、アジア27、オセアニア5、中南米3、その他3(計54)
・6.5:北米10、欧州25、アジア29、オセアニア17、中南米3、その他3(計87)
・7.0:北米13、欧州26、アジア30、オセアニア17、中南米3、その他3(計92)

アジアは30ルート中21ルートが5.5で開き、6.5まで上げても29ルートです。
オセアニアは6.5で17ルートすべてが開きます。
北米は6.5でも10ルートで、13ルート全部が開くのは7.0です。

4. Overall以外の6つの条件

ここまでの数字はOverallだけで数えたものです。
実際に応募できるかは、次の6つでも変わります。

a. 各技能の下限

92ルートのうち39ルート(42.4%)で、Overallに加えて各技能の最低点がありました。うち26ルートは実質6.5の帯です。
たとえばシドニー大学は「Overall 6.5、各技能6.0未満不可」、マンチェスター大学も2026年9月以降の入学について「Overall 6.5、各技能6.0未満不可」としています。
Overallが6.5でも、1技能が5.5なら条件を満たさないんです。この記事の数字はその分だけ多めに出ている可能性があります。

b. 日本側の大学の下限

明治大学は大学間協定留学の全学共通の下限をTOEFL iBT 61/IELTS 5.5にしています(2027年春出発の出願条件等一覧)。
協定校が5.0でよいとしていても、明治大学の学内選考には出願できません。

c. 大学ごとに違う協定校の条件

国立台湾大学は、東京大学の協定校情報一覧では英語の最低点なし、明治大学の出願条件等一覧ではIELTS 5.5です。
ネットの目安より、自分の大学の資料を見るのが確実です。

d. IELTSが使えない協定校

今回の102レコードのうち、ヘルシンキ大学・ケルン大学・ボン大学の3ルートは要件がCEFR B2表記で、IELTSの点数が書かれていませんでした(換算はしていません)。
明治大学の協定校のうち7ルート(韓国5校、台湾1校、アルゼンチン1校)は現地語での出願のみで、IELTSでは応募できません。

e. 学部の制限と授業の言語

トロント大学は学部によって英語要件が違い、UCLは工学部・数理物理科学部など受入学部が協定で限られています。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスは人類学部のみです。
非英語圏の学校は5.5で応募できても、英語で取れる授業が少ないことがあります。
明治大学の資料では、中国文化大学の英語開講はGlobal Businessプログラムのみという注記でした。

f. GPAと学内選考

明治大学は協定校ごとにGPAの下限(2.0〜3.0)も決めています。
東京大学は2026-2027年期の秋募集で、希望校の枠に入らず不採択になった学生が応募者全体の約20%(約80名)だったと公表しています。
語学の条件を満たすことと、選考に通ることは別です。何を見られるかは交換留学の学内選考では何を見られるかで説明しています。

5. 今のスコア別の目標点

目標点は自分の大学の協定校一覧で希望校の要件を見て、そこから逆算するのが一番確実です。
今のスコア別の目安は次のとおりです。

a. 5.0前後の場合

いま5.0前後なら、まず目指すのは5.5です。
5.5で32ルートが開きます。ただし中心はアジアと欧州の非英語圏で、英語圏はほぼ入りません。
英語圏が第一志望なら、5.5は通過点です。
文法から不安がある人は、中学英文法のやり直し方から始めるのが早いです。

b. 5.5の場合

いま5.5なら、点数より先に希望校の要件を見てみてください。
6.0にしても+17で、伸びは小さい区間です。
希望校が韓国・台湾・マレーシアや欧州の英語開講プログラムなら、5.5ですでに条件を満たしていることがあります。
その場合はGPAや志望理由書、応募スケジュールの準備に時間を回すほうがいいこともあります。
個人的には、この段階でいちばんもったいないのは、志望校を決めないまま点数だけを追うことだと思っています。

c. 6.0の場合

6.0で英語圏が志望なら、次の目標は6.5です。
6.0→6.5で33ルートが増え、カナダ・豪州・英国の主要校がまとめて開きます。
志望が非英語圏中心なら、6.0でほぼ足りているかもしれません。
個人的には、英語圏が第一志望なら、最初から「6.5、各技能6.0以上」を目標にするのがおすすめです。

私はLIBERTY English AcademyでIELTS対策をして、7.5を取りました。
そのときに感じた壁は、IELTS 6.0から伸びない人へにまとめています。

d. 6.5の場合

6.5なら、7.0より各技能の条件と話す準備が先です。
7.0にしても、今回の範囲では+5ルートです。その5ルートが志望校でなければ、7.0の優先度は高くありません。
先に、各技能の条件(多くは6.0未満不可)を満たしているかを確認してください。

個人的には、6.5まで来たら、点数より面接や現地で話す準備に時間を回すほうがいいと思っています。
私の場合、IELTSで7.5を取っていても、現地で困ったのは、話そうとした瞬間に頭が真っ白になることでした。
話す練習の組み立て方は、留学3か月前のスピーキング勉強計画で説明しています。

志望校がまだ決まっていない人は、英語学習前に協定校リストを作る方法から読むと早いです。
TOEFLと迷っている人は、TOEFL・IELTSの5分判定フローを参考にしてください。

6. 調査方法とデータの範囲

母集団はJASSO(日本学生支援機構)「2024(令和6)年度日本人学生留学状況調査」(2026年5月公表)の「協定等に基づく日本人留学生の多い大学」上位20大学です。
協定に基づく海外派遣者数の多い順に、次の20大学です。

千葉大学/早稲田大学/関西学院大学/立命館大学/国際医療福祉大学/芝浦工業大学/東京大学/関西外国語大学/明治大学/関西大学/慶應義塾大学/上智大学/立教大学/法政大学/東洋大学/九州大学/近畿大学/広島大学/同志社大学/東北大学

このうち、集計基準日(2026年9月8日)までに公開され、協定校ごとのIELTS最低点を一覧で確認できた募集回がある2大学を集計しました。
・東京大学:全学交換留学(USTEP)。協定校情報一覧(2026年9月3日更新)、2027-2028年期 秋募集
・明治大学:大学間協定留学【交換型】。出願条件等一覧(Final Ver: 2026年5月28日)、2027年春出発

残る18大学は、語学要件が一覧になっていない、学内ポータルでしか見られない、基準日の時点で次回の資料が未公開だった(例:明治大学の2027年秋出発分)といった理由で、同じ基準ではデータにできませんでした。推測では埋めていません。
92ルートは基準日時点のスナップショットで、現在募集中の件数や、基準日より後に公開された募集回は含みません。

1ルートは「日本側大学×協定校」の1組です。あるスコアで「条件を満たす」と数えたのは、次の4つをすべて公式資料で確認できた場合だけです。

・IELTS Academicが有効な試験として明示されている
・日本側大学の応募要件を満たす
・協定校のIELTS最低点を満たす
・集計基準日までに公開された募集回の資料である

東京大学は、確認した公開資料の範囲では全学一律のIELTS最低点がなく、協定校ごとの要件を満たすことが推薦の条件です。
CEFRやTOEFLしか公表していない協定校は、IELTSに換算せず、分母から外しました。

まとめ

  • 5.5でアジアと欧州の英語開講プログラム(92ルート中37)、6.5で英語圏の主要大学まで(同87)が条件を満たす
  • 0.5上げる価値が大きいのは5.0→5.5(+32)と6.0→6.5(+33)。7.0で増えるのは5ルートだけ
  • 各技能の下限、学内の下限、GPAも見て、希望校の要件から目標点を逆算する

今日やることは自分の大学の協定校一覧を開いて、希望校3つのIELTS要件(Overallと各技能)を書き出すことです。


参考にしたサイト: JASSO:2024年度日本人学生留学状況調査 / 東京大学:全学交換留学(USTEP) / 明治大学:海外留学の手引き2026 / 明治大学:出願条件等一覧の見方

最終確認:2026年9月5日。この記事の数字は、2026年9月時点で公開されていた資料に基づくものです。語学要件は年度ごとに変わり、協定があっても毎年募集されるとは限らず、学部・専攻で条件が違うこともあります。IELTSの要件を満たしても、交換留学が保証されるわけではありません。体験談は筆者個人のもので、同じ結果を保証するものではありません。応募の直前に、所属大学と留学先大学の最新の公式情報を必ず確認してください。