【大学間交換留学の教科書編集部】
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面接まで1か月あると、何をどこまで練習すればいいのか迷いますよね。
私は、交換留学の面接練習は提出した書類を材料にして、1つの留学計画を「15秒・60秒・深掘り」の3つの長さで話せるようにする作業だと考えています。
30個の模範回答を暗記しなくても大丈夫です。
1か月あれば、次の4段階で仕上がります。
・1週目:提出書類を「答えの材料」に分解する
・2週目:日本語で3つの長さの答えを作る
・3週目:英語は訳さず「部品」を作る
・4週目:模擬面接で、準備した順番を崩す
この記事で扱うのは練習の手順だけです。
何を聞かれるか、どう答えるか、服装や直前1週間の準備は交換留学の面接対策にまとめています。
1. 練習前の確認
練習の配分を決めるのは、面接の使用言語と時間の2つです。
日本語だけの面接なら3週目の英語は短くてよく、英語で10分話す面接なら3週目と4週目に時間をかけます。
この2つは実は大学やプログラムで違います。
たとえば早稲田大学の2026年春募集要項では、プログラムによって面接が必須・条件付き・不要に分かれ、授業で使う言語でのスピーキングを求める場合があるとされています。
先輩の体験談ではなく自分に届いた選考案内で確かめてください。書いていなければ、留学担当の窓口に聞いて大丈夫です。
面接形式の違いや、よく聞かれる質問は次の記事で整理しています。
2. 1週目:提出書類の分解
最初の1週間はまだ話しません。
提出した書類を分解して、答えの材料を作ります。
いきなり英語の原稿を書くと、言いやすい表現に引っ張られて、書類と違う話になりやすいからです。
やることは次の4つです。
a. 書類への3種類の印
1日目は志望理由書、学修計画、履修希望、成績表、語学スコアの最終版を1か所に集めて、次の印を付けます。
・自分の主張(「〜したい」「〜と考える」)に下線
・大学名・科目名・時期などの事実に丸
・「視野を広げる」「成長する」のように、説明が足りない言葉に「?」
面接官が聞いてくるのは、書類にない立派な話ではなく「?」を付けた言葉の中身です。
「多様な価値観に触れたい」と書いたなら、「具体的にはどんな場面ですか」と聞かれるつもりでいると安心です。
b. 主張と事実の対応づけ
2〜3日目は下線を引いた主張ごとに、「そう言える事実」を1つ書き添えます。
たとえば「現地で公共政策を比較したい」なら、「授業で地方都市のバス政策を調べたが、資料だけでは住民の利用実態がわからなかった」が事実です。
ここまで書けていれば、「なぜ留学先でやる必要があるのですか」と聞かれても、そのまま答えになります。
事実が1つも見つからない主張は、面接で突かれる場所です。
言い方を整えるより先に、志望校のシラバスや自分の授業ノートを見直して、事実を探してみてください。
主張と根拠の組み方は志望理由書の記事で説明しています。
c. 準備する質問12問
想定質問を何十問も集めると、どれも浅くなってしまいがちです。
4〜5日目に準備する質問は、最初は次の4分野・12問で十分です。
目的:なぜ交換留学か/なぜ今か/留学で何を明らかにしたいか
留学先:なぜその大学か/第二志望との違いは何か/希望科目を取れなかったらどうするか
実行:語学の弱点は何か/困ったときどう動くか/お金・健康・安全の準備はどうしているか
接続:今の学びとどうつながるか/帰国後どう生かすか/なぜ自分が選ばれるべきか
12問を並べると、同じ事実が何度も出てきます。それが自分の留学計画の「軸」です。
質問を増やすのは、この軸が固まってからで間に合います。
d. 1問1枚の材料シート
6〜7日目は12問それぞれに、原稿ではなく材料を並べたシートを作ります。
文章にせず、単語やメモで構いません。
1問1枚の回答材料シート
質問:
最初の1文:
理由を支える事実:
留学先で行うこと:
帰国後とのつながり:
弱点・まだ確認できていないこと:
代わりの案:
英語で必ず使いたい語句:
第二・第三志望の大学があるなら、「どの大学にも共通する目的」と「その大学にしかない機会」を分けて書いておくのがおすすめです。
大学名を入れ替えただけの答えになっていないか、ここで確かめられます。
面接が学内選考の中でどんな役割を持つかは、次の記事で説明しています。
3. 2週目:日本語の答え
2週目からようやく声に出す練習です。
1つの質問に長い原稿を1本作るのではなく15秒・60秒・深掘りの3つの長さを用意します。
面接では「簡潔にお願いします」と言われることも、「もう少し詳しく」と言われることもあるからです。
a. 15秒の答え
8〜10日目は15秒の答えを作ります。
最初の1文には聞かれたことへの答えを置きます。
「理由は2つあります。1つ目は…」と前置きするより、結論を先に言ったほうが、面接官は残りを「その理由」として聞けます。
「なぜ交換留学なのですか」への答えなら、たとえばこうです(架空の例です)。
「公共交通政策を、制度だけでなく現地での運用まで比較したいからです。今の授業で残った疑問を、留学先の授業と現地調査で確かめたいと考えています。」
b. 60秒の答え
11〜13日目は、15秒の結論を変えずに、事実、留学先での行動、帰国後とのつながりを1つずつ足して60秒の答えにします。
ただ、足しすぎには気をつけたいところです。全部話してしまうと面接官が次に聞くことがなくなり、準備していない話題に移りやすくなります。
「公共交通政策を、制度だけでなく現地での運用まで比較したいからです。今は授業で地方都市のバス政策を調べていますが、資料だけでは住民の利用実態や政策が決まる過程まではわかりませんでした。留学先では都市政策を扱う英語の科目を履修し、授業で学んだ視点で現地の事例を調べます。帰国後は、その比較をゼミの研究につなげる予定です。」
例の科目やテーマは架空です。
自分の答えでは、シラバスで実際に確かめた科目名に置き換えてください。
c. 深掘りへの備え
深掘りの準備は60秒の答えを長くすることではありません。
自分の答えに「なぜ」「本当に日本ではできないのか」「ほかの方法はないのか」と3回問いかけ、それぞれ1〜2文で答えられるようにします。
答えられない問いが出たら、「わかりません」で終わらせず、「まだ確認できていません。まず〇〇に問い合わせます」と次の行動まで言えれば大丈夫です。
個人的には、ここで差が出ると思っています。
私は採用する側で面接をしたことがありますが、弱点があることより、それをどう補うかを説明できないほうが不安が残りました(採用する側から見た面接)。
深掘りでよく聞かれる質問の種類は面接対策の記事で整理しています。
d. 録音と通し練習
1問ずつスマホで録音して、聞き直します。確かめるのは次の3点です。
□ 最初の1文で質問に答えている
□ 書類と事実がずれていない
□ 抽象的な言葉だけで終わっていない
気になる点がいくつあっても、録り直しで直すのは1か所だけにするのがおすすめです。
「結論を先に言う」「科目の説明を1文にする」のように1つに絞ると、直ったかどうかが聞いてすぐわかります。
14日目に12問を日本語だけで通して、直す点を3つまでに絞っておきましょう。
4. 3週目:英語の「部品」づくり
3週目は英語です。
避けたいのは、日本語の60秒の答えをそのまま英訳して暗記することです。長い英文を丸暗記すると、1語忘れただけで止まってしまいます。
代わりに、日本語で固めた中身から、英語で必ず言いたい「部品」を3つ取り出します。
・最初の1文(15秒の答えの英語版)
・欠かせない固有名詞(大学名、科目名、研究テーマ)
・行動を表す動詞(compare、take、research、apply など)
a. 言い出しの型6つ
正直、英語で詰まりやすいのは中身より言い出しなんです。
次の6つを15〜17日目に口に慣らしておくと、どの質問にも最初の一言が出ます。
目的:My main purpose is to …
背景:In my current coursework, I have …
留学先での行動:At the host university, I plan to …
理由:This matters because …
帰国後:After returning, I will …
代わりの案:If that course is unavailable, I would …
型を使うのは言い出しだけで、その後は普段使える単語で話すのがおすすめです。
難しい単語を並べるより、「何を学び、何をするのか」が聞き取れるほうが伝わります。
質問が聞き取れなかったときの聞き返し方は、面接対策の記事に4つまとめているので、この週に声に出しておくと安心です。
英語を口に出すこと自体に抵抗がある人は、毎日の発話量を作る方法としてAI英会話アプリSpeakのレビューも参考になります。
b. 日本語→英語→日本語の練習
18〜21日目は1つの質問を日本語で30秒、英語で30〜45秒、もう一度日本語で30秒話して録音します。
最後の日本語が最初と違っていたら、英語で言いやすい話のほうに寄ってしまっています。
最初は「住民の合意が決まる過程を調べたい」だったのに、英語のあとで「交通について学びたい」になっていたら、英語で中身が薄くなった証拠です。
このずれは英語だけ録音していても気づけません。
文法や発音を直す日は別に作って構いません。
この4日間は「英語でも同じ中身を言えているか」だけを見るようにしてみてください。
個人的には、3週目でいちばん役に立つのがこの練習だと思っています。
5. 4週目:模擬面接3回
最後の1週間は人に面接官役を頼んでみましょう。
同じやり方を3回くり返すのではなく1回ごとに確かめることを変えます。
・1回目(22〜23日目):12問を順番を変えて聞いてもらい、15秒の答えがすぐ出るかを見る
・2回目(24〜25日目):「なぜ」「本当に」「ほかの方法は」で深掘りしてもらい、詰まる場所を見つける
・3回目(26〜27日目):途中で英語に切り替えてもらったり「もっと短く」と言ってもらったりして、長さと言語の切り替えを確かめる
練習相手は留学経験者やゼミの先生でなくても、交換留学に詳しくない友人で十分です。
実は、制度を知らない人のほうが説明の足りないところに素直に気づいてくれたりします。
頼むときは次のように伝えると練習になります。
模擬面接を頼むときの依頼文
提出書類を読んだうえで、質問を一問ずつしてください。最初は通常の質問、その後は私の回答の曖昧な部分を「なぜ」「具体的には」「別の方法は」で掘り下げてください。回答中に助言は入れず、終了後に①質問に答えていたか、②書類と矛盾していないか、③具体的に想像できたか、の三点を教えてください。
相手が見つからない日は、ほかの人の面接を聞くのも練習になります。
私は面接対策で、実際の面接の音声を聞けるVoiceCareerを使っていて、とても役に立ちました。
就活向けのサービスですが、答えたあとにどんな質問が続くかを耳で知っておくと、深掘りの準備がしやすくなります(VoiceCareerを使った話)。
a. 模擬面接後の5項目の記録
模擬面接のあとは次の5項目を0点(できていない)、1点(一部できた)、2点(できた)で記録します。
□ 質問に最初の1文で答えた
□ 書類と同じ軸で話した
□ 事実と行動が入っていた
□ 代わりの案まで言えた
□ 聞き手が短く理解できた
点数は合否の予想ではなく前回0点だった項目が1点になったかを見るための記録です。
毎回、次に直す項目を1つだけ決めておくのがおすすめです。
28日目以降は新しい答えを増やしません。本番と同じ環境でのリハーサルや前日の確認は、面接対策の記事の「直前1週間」に沿って進めると迷いません。
6. 忙しい日の「10分版」
4週間のうち、授業や課題で時間が取れない日は必ず出てきますよね。
毎日30分を前提にすると、そういう日に練習が止まって、そのまま再開しにくくなります。
そこで、最初から「10分版」を決めておくのがおすすめです。
前日に練習した質問を1つ選び、日本語で1回、英語で1回話して、直す点を1行だけメモする、これだけです。
個人的には、普段は25〜30分、忙しい日は10分と決めておくだけで、「今日は何もしない」日はほぼなくなると思います。
まとめ
- 1週目は話さず、提出書類を主張・事実・質問に分けて材料シートを作る
- 2週目は日本語で15秒・60秒・深掘りの3つの長さを作り、録音して1か所ずつ直す
- 3週目は英語を訳さず、言い出しの型・固有名詞・動詞を「部品」として用意する
- 4週目は模擬面接を3回、毎回確かめることを変えてやる
今日やることは提出した志望理由書を開いて「?」を付けたくなる言葉を1つ見つけ、その中身を声に出して説明してみることです。
参考にしたサイト: 早稲田大学「海外留学春募集(2026年5月締切分)募集要項」 / 中央大学「2026年度長期留学(秋派遣)募集要項」 / 慶應義塾大学経済学部「交換留学(経済学部独自枠)」 / 佐賀大学国際交流推進センター「交換留学について」
改訂:2026年10月28日(募集要項の記載は2026年9月20日に確認)。4週間の練習手順と点検項目は当サイトの提案で、特定大学の評価基準ではありません。体験談は筆者個人のもので、同じ結果を保証するものではありません。
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