【大学間交換留学の教科書編集部】
交換留学を考える大学生のための、大学や留学エージェントから独立した情報サイトです。
全国の旧帝大で交換留学や海外大学院留学を経験したメンバーが、自分たちの経験と公式情報をもとに運営しています。
交換留学に向けてTOEFLやIELTSの勉強を始めようとすると、目標点を何点にすればいいのか迷いますよね。
私は教材を買う前に所属大学の協定校リストを作って、残したい候補校の条件から目標点を決めるのをおすすめしています。
行き先を見ずに勉強すると、必要以上に高い点数に時間を使ったり、各技能の条件や締切を見落としたりしやすいです。
たたき台は留学先検索(大学間協定データベース)で所属大学を選ぶと早いです。
過去の協定・派遣記録をIELTS・TOEFL iBTの目安などで絞り込めます。
出てきた候補はこの記事の手順で最新の募集と照らし合わせてください。
ExcelやGoogleスプレッドシートに貼れる見出しも載せているので、読み終わったらそのまま作業に入れます。
1. 協定校一覧と「応募できる大学」の違い
大学間交換留学は所属大学の募集と学内選考を経て、協定先へ推薦される制度です。
世界中の大学から自由に1校を選んで、個人で直接応募する留学とは違います。
しかも、公式サイトに載っている協定校がすべて自分の候補になるわけではありません。
よくあるのは次の5つです。
・研究交流だけで、学生交換をしない協定がある
・全学協定と、特定の学部だけが使える学部間協定がある
・協定は有効でも、その年度は派遣を募集しない
・交換留学生が入れない学部・科目・学年がある
・大学全体の英語要件と、希望学部の要件が違う
まだ高校生で大学を比べている段階なら、協定数・派遣実績で大学を比較した記事が入口になります。入学後は所属大学の最新の募集一覧から候補を選んでください。
一覧を作る前に候補の分布をつかみたいときは、交換留学先大学ティアリストを評判から使う手順と交換留学マップを一緒に使えます。
ティアリストで大学名を広げ、地図で国・都市を見てから、所属大学の今の募集一覧と照らし合わせる流れです。
2. 確認する5つの資料と順番
検索結果を上から順に写していくと、古いPDFや正規留学用の条件が混ざります。
見る順番は次の5つです。
- 所属大学の最新の募集要項:学内締切、応募資格、選考、提出物
- 所属大学の協定校詳細・プログラムリスト:派遣枠、対象学部、語学・GPA、期間
- 留学先大学の交換留学生向けページ・Fact Sheet:受入条件、学期、履修制限、住居
- 留学先大学の科目検索・シラバス:授業の言語、開講学期、前提科目、単位
- 所属大学の国際担当部署・学部の窓口:資料どうしの食い違い、単位認定、その年度の扱い
留学先のサイトにあるAdmission Requirementsは、正規留学用のことが多いので、交換留学の条件として写さないでください。
所属大学の一覧と留学先のページが食い違うときは、都合のいいほうを選ばず、URLやスクリーンショットを付けて学内選考の担当部署に聞くのが確実です。
交換留学では、所属大学が推薦できる条件を満たすことが出発点だからです。
3. 最初の60分:10校×8項目の簡易版
最初から費用や全部の科目まで調べると、1校だけで時間を使い切ってしまいます。
まずは10校ほどについて、比べるのに必要な次の8項目だけを横に並べてみてください。
・候補ゾーン:本命/現実的/安全/保留
・大学・国:大学名、国、都市
・対象:大学間か学部間か、応募できる学部
・学修:学びたい分野・授業があるか
・英語:受け付ける試験、総合点、各技能の条件
・GPA:所属大学と留学先、それぞれの最低条件
・時期:学内締切、出発学期、期間
・根拠:公式URL、資料の年度、確認日、不明点
スプレッドシートに貼るなら、次の見出しをそのままコピーできます。
候補ゾーン,大学名,国・都市,協定区分,対象学部,学びたい分野・授業,受理試験,必要総合点,各技能条件,GPA,学内締切,出発学期・期間,公式URL,資料年度,確認日,不明点,次の行動
60分の使い方は次の4つに分けると進めやすいです。
a. 0〜15分:今年の募集対象校の確認
「大学名 交換留学 募集要項」「大学名 協定校 派遣」などで、所属大学の国際担当部署のページを探します。
協定を結んでいる大学の一覧ではなく、できればその年度の募集対象校かプログラムリストを使ってください。
PDFの年度と更新日もメモしておきましょう。
b. 15〜30分:10校の仮選び
国、分野、授業の言語、留学期間で大きく絞ります。
この段階ではQSの順位や語学の点数だけで並べず、「詳しく調べる価値があるか」で残すのがおすすめです。
c. 30〜50分:英語・GPA・締切の書き写し
総合点だけでなく各技能の条件、スコアを出す時期、使える試験の形式も書きます。
学内の基準と留学先の基準が別なら、列を分けるか、高いほうに根拠を添えておくとあとで迷いません。
d. 50〜60分:空欄から質問づくり
わからない項目は空欄のままにせず、「不明」と書いて、最後の列に「国際担当部署に確認」と入れておけば大丈夫です。
「この学部は対象か」「新旧どちらのTOEFLの尺度で判定するか」「MyBest Scoresを使えるか」「今年も募集するか」のように具体的な質問にしておくと、問い合わせを1回にまとめられます。
4. 詳細版で足す5項目
簡易版から5校ほど残ったら、実際に行けるかどうかを左右する項目を足します。
・履修制限:交換留学生が入れない学部、科目、レベル
・学期の日程:授業開始、試験終了、寮の退去日と、日本の学期の重なり
・単位:必要な履修量、単位の制度、所属学部に相談する科目
・費用:寮か民間の住まいか、保険、追加料金、生活費の上限
・実績:派遣枠、過去の派遣者、前の年に募集があったか
正直、有名な大学でも、必要な授業が取れなければ留学の目的とは合いません。
反対に、ランキングでは目立たない大学に、自分の分野の授業や少人数の環境がそろっていたりするんです。
個人的には、評価の欄は「自分の目的を現地で実行できるか」だけで書くのがおすすめです。
5. 候補校の4つのゾーン
並べた候補は次の4つに分けます。
本命だけで埋めず、それでも行きたいと思える安全候補を必ず残しておくのがおすすめです。
a. 本命
学びたい授業や環境が目的とはっきり合っていて、努力してでも目指したい大学です。
「この科目、この研究分野、この環境が必要」と説明できる大学を置くイメージです。
b. 現実的
今のGPA、英語力、締切までの期間から考えて、条件に届きそうな大学です。
本命より劣るという意味ではなく目的と準備期間の両方に合う大学のことです。
c. 安全
語学やGPAの条件には余裕があって、それでも行きたいと思える大学です。
「どこでもいい大学」は入れないのがおすすめです。第二希望以下で推薦されても、納得して出発できる範囲にとどめます。
d. 保留
興味はあるものの、対象学部、その年の募集、授業の言語などが確認できていない大学です。
推測で本命や安全に入れず、確認先と期限を書いておけば十分です。
6. 英語の目標点と受験日の決め方
候補がそろったら、目標を次の3段階で置きます。
- 最低目標:行きたい安全候補に応募できる条件
- 第一目標:本命・現実的候補の大部分を残せる条件
- 上積み目標:難しい本命まで選択肢に入る条件
たとえば候補10校のうち、今の点数に近い条件が4校、少し伸ばせば届く条件が4校、かなり高い条件が2校なら、まず8校を残せる点数が第一目標です。
そこに届いてから本命の2校に向けて上積みするほうが、最初から一番高い点数だけを見るより、受験日と勉強量を決めやすくなります。
個人的には、第一目標までを1つの区切りにするのがおすすめです。
点数帯ごとにどんな交換留学先が残るかは、IELTS 5.0〜7.0で条件を満たす交換留学先を調べた記事で、東京大学・明治大学の公開資料をもとにまとめています。
ただ、最低条件を満たしても合格の保証にはなりません。学内選考ではGPA、志望理由、履修計画、面接なども見られます。
受験日は結果を受け取り、再受験して、証明書を出すまで間に合う日から逆算してください。
学内締切までに2回は受けられる日程にしておくと、1回うまくいかなくても候補を失わずに済みます。
7. 総合点のほかに確認する5つの条件
TOEFL iBTは2026年1月21日から、従来の0〜120点に加えて、1〜6を0.5刻みで示す新しい尺度に移りました。
ETSは移行期間として、2028年1月まで比べられる0〜120点の総合スコアも併記すると案内しています。
そのため、協定校の一覧に「80」と「4.0」のように違う形式が混ざっていたりします。
自分で換算して応募できるか決めず、募集要項がどの尺度を使い、どの表示のスコアを出せるかを確認してください。
過去の年度のPDFの数字も新しい募集にそのまま当てはめないほうが安全です。
総合点のほかに見る条件は次の5つです。
・各技能の下限:総合点を満たしても、1技能だけで応募できなくなることがある
・MyBest Scores:ETSのスコアに表示されても、受け付けるかは大学・プログラムごとに違う
・Home Edition・IELTS Online:通常の試験と同じ扱いになるとは限らない
・IELTS One Skill Retake:制度があっても、提出先が受け付けるかは別に確認する
・有効期限と提出時期:学内応募のときだけでなく、留学先への出願や出発のときまで有効なことを求められる場合がある
TOEFLのスコアは試験日から2年間有効です。IELTSも原則2年間を推奨していますが、最終的に受け付けるかは提出先が決めます。
早く受けすぎて、留学先に出願するときに期限が切れていた、とならないように、学内締切とその後の出願時期もリストに入れてください。
8. 事実と評価の分け方・更新のタイミング
リストには、公式資料で確かめた事実と、自分の判断が混ざります。
あとで見直せるように、次の4つは列を分けておくのがおすすめです。
・公式情報:必要な点数、対象学部、派遣枠、学期、URL、確認日
・自分の評価:授業との一致、都市への関心、費用の上限、候補ゾーン
・未確認:科目が翌年度も開かれるか、単位認定されるか
・次の行動:「9月15日までに国際担当部署へ質問する」など
「英語要件なし」と「公開資料で見つからない」は別物です。確認できない条件をゼロや不要として扱わず、「未確認」と残してください。
リストを見直すのは次の5つのタイミングです。
・新しい募集要項が出たとき
・英語のスコアが出たとき
・学期末にGPAが更新されたとき
・学びたい分野や留学の時期が変わったとき
・学内応募の1か月前
更新するときは条件と一緒に資料の年度と確認日も書き換えておくと安心です。
候補から外した大学も消さずに、「除外」と理由を残しておくと、同じ調べものを繰り返さずに済みます。
9. 問い合わせの書き方
問い合わせは調べたページを示して短く聞くのがコツです。
大学の担当部署には確認した資料と、判断できなかった点をはっきり書いて送ってみてください。
たとえば次のような文面です。
2027年度派遣の募集対象校一覧と、留学先大学のFact Sheetを確認しました。○○学部の学生が△△学部の英語開講科目を履修できるか判断できなかったため、確認先をご教示いただけますでしょうか。参照したURLは以下です。
語学の条件も「2026年1月21日以降の1〜6の尺度、0〜120点の併記、MyBest Scoresのうち、学内応募に使える表示はどれか」と分けて聞くと、相手も答えやすいはずです。
まとめ
- 候補は、所属大学の最新の募集対象校から作る。最初の60分は10校を8項目で並べる
- 本命・現実的・安全・保留に分け、最低・第一・上積みの3段階で英語の目標点を決める
- TOEFLの新旧の尺度、各技能、試験形式、有効期限は分けて書き、未確認は「未確認」と残す
完璧なリストを1回で作る必要はありません。10校を並べるだけでも、勉強の目的が「高い点を取る」から「行きたい選択肢を残す」に変わります。
準備全体の順番は高校生から大学2年までの交換留学ロードマップで確認できます。
今日やることは所属大学の最新の募集一覧を開いて、気になる10校の大学名と公式URLを書き出すことです。
参考にしたサイト: JASSO「在籍大学で必要な手続き」 / 東京大学「全学交換留学(USTEP)応募方法・詳細」 / 早稲田大学「留学プログラムリスト」 / 九州大学「大学間学生交流協定校一覧」 / ETS「TOEFL iBTスコアの見方と2026年の変更」 / ETS「TOEFL iBTスコアの取得・有効期間」 / IELTS「One Skill Retake」 / IELTS「スコアと推奨有効期間」
制度・試験情報は2026年9月5日時点で確認しています。募集対象校、語学・GPA要件、受理する試験形式、派遣枠、学期、履修制限は年度・大学・学部ごとに変わります。応募時は必ず所属大学と留学先大学の最新公式情報をご確認ください。
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