【大学間交換留学の教科書編集部】
交換留学を考える大学生のための、大学や留学エージェントから独立した情報サイトです。
全国の旧帝大で交換留学や海外大学院留学を経験したメンバーが、自分たちの経験と公式情報をもとに運営しています。
交換留学に興味が出てくると、「高校生のうちから何を準備すればいいんだろう」と気になりますよね。
私は、交換留学の準備は留学先を早く決めなくても間に合うと思っています。
学年ごとに、次の判断に必要なものだけそろえていけば十分だと考えています。
ただ、大学1年前期の成績と、学内募集の時期を知らずに見送ることだけは、後から取り返せません。
学年ごとにやることは次の5つです。
・高校1〜2年:興味のある分野や地域をメモする
・高校3年:志望大学で、自分の学部から使える制度を比べる
・大学1年前期:募集の時期を調べて、GPAを守る
・大学1年後期:候補校、英語の目標、費用をつなげる
・大学2年:学内締切から逆算して応募する
英語の点数だけを先に追うのは、おすすめしません。
点数が取れても、対象学部ではない、出発時期が必修と重なる、費用が出せない、とわかれば候補は変わります。
今の学年から読み始めて大丈夫です。遅く気づいた人は6から読むと早いです。
1. 高校1〜2年:興味メモと費用の共有
この時期に留学先を決める必要はありません。
海外のニュース、大学の公開講義、英語の動画、地域の国際交流、短期プログラムなど、きっかけは何でもいいので、関心を広げておくのがおすすめです。
a. 興味メモの3項目
□ 分野:経済、環境、工学、教育など、もっと知りたいテーマ
□ 地域:国、都市の大きさ、言語、気候など、気になる条件
□ 経験:授業、読書、部活動、国際交流で疑問に思ったこと
メモは日付と一言だけでかまいません。
大学で志望理由書を書くとき、「なぜその分野で、なぜその大学か」の材料になります。
個人的には、このメモがあるかないかで、志望理由の書きやすさがかなり変わると思っています。
一度海外を経験しておきたい人は、短期研修という手もあります。
私は大学のプログラムで、アメリカに1か月の短期留学をしました。
大学の研修・個人手配・留学エージェントの違いは、次の記事で比べています。
b. 家族との費用の共有
□ 交換留学は、在籍大学に学費を払い、留学先の授業料は免除される仕組みが一般的
□ 住居、航空券、保険、ビザ、現地の生活費は別にかかる
□ 奨学金はあるが、採用や入金が約束されているわけではない
□ 家計から出せる上限と、自分で準備する範囲は、後で一緒に決めたい
この段階では、金額まで決めなくても大丈夫です。
候補校を決めてから「その費用は出せない」となるのを防ぐために、前提だけ伝えておくと安心です。
2. 高校3年:大学の比べ方
協定校の数が多い大学でも、自分の学部から応募できる大学や、毎年きちんと募集がある大学は限られます。
大学名や協定校の数だけでなく、次の7つを比べるのがおすすめです。
a. 比べる7つの項目
□ 対象:全学の大学間協定か、特定の学部だけの学部間協定か
□ 中身:学びたい分野の授業を、交換留学生が取れるか
□ 実績:過去に何人が派遣され、毎年どれくらい募集があるか
□ 条件:GPA、TOEFL・IELTS、学年、専攻の制限
□ 時期:秋出発か春出発か、半年か1年か
□ 卒業:単位認定、必修、ゼミ、卒業論文と重ならないか
□ 費用:学費、生活費、大学独自の奨学金、寮があるか
候補を探す入口には交換留学に強い大学の比較や交換留学先大学ティアリストの使い方が使えます。
大学の難しさと協定先の数の関係は、228大学の大学間交流協定データの分析にまとめました。
留学のプログラムで選ぶなら、留学に強い国内大学特集も参考になります。
ただ、ランキングは候補を見つける道具です。最後は志望大学の国際交流のページと、最新の募集要項で確認してください。
志望大学ごとの留学先の広がりは交換留学マップで大学を切り替えて比べられます。
b. 派遣実績の確かめ方
気をつけたいのは、「有名大学と協定がある」だけで安心することです。
派遣枠が少ない、自分の学部は対象外、その年は募集がない、ということも意外とあります。
オープンキャンパスでは「私が志望する学部から、過去2〜3年にどの大学へ何人派遣されましたか」と聞いてみてください。制度が実際に使われているかがわかります。
個人的には、交換留学を考えているなら、大学の名前だけで進学先を選ばないほうがいいと思っています。
理由は交換留学したいなら、東大が最適とは限らないに書きました。
海外の大学に進学する正規留学との違いは、次の記事で整理しています。
3. 入学前〜大学1年前期:募集時期とGPA
a. 春休みの下調べ
□ 交換留学の説明会と、学内募集がある月
□ 応募に必要なGPAと英語の試験
□ 大学間協定と学部間協定の一覧
□ 国際交流の担当部署と、学部の相談窓口
細かい条件まで読み込まなくて大丈夫です。
大学の公式サイトで、この4つの場所だけ見つけておくと安心です。
b. 1年前期の成績の重み
1年前期の成績は後から取り返せません。早い時期に応募すると、選考で見られる成績は1年次のものが中心になります。
その前期の成績は大学の評価のしかたに慣れないうちに決まってしまいます。
私は、前期の授業は1つも取りこぼさないつもりで受けるのをすすめています。
考え方は大学1年生はとりあえずGPA4.0を目指せにまとめています。
c. 募集が始まる時期
募集は出発の1年以上前に始まることもあります。たとえば九州大学の2027年度派遣の第1回募集は、申請期間が2026年7月10日〜11月6日で、対象は2027年秋か2028年春に出発する留学です。
東京大学の2027-2028年期USTEP秋募集も、2026年度のうちに学内申請が進みます。
どの大学も同じ日程ではありません。
ただ、入学してすぐ年間の募集カレンダーを見ておけば、「まだ1年生だから」と募集を見送らずに済みます。
4. 大学1年後期:候補校・英語・費用
a. 協定校リスト
前期の成績と今の英語力がわかったら、在籍大学から応募できる協定校を10校ほど並べてみるといいと思います。
英語の目標点はこのリストから逆算して決めます。
リストの作り方は次の記事にあります。
b. 英語の試験と目標点
TOEFLとIELTSで迷ったら、候補校が受け付ける試験、技能ごとの条件、受け直しやすさで決めるのが早いです。
目標点は行きたい候補を十分に残せる点数です。
IELTSなら、5.0〜7.0の点数ごとにどこまで狙えるかをIELTSの点数別の語学要件にまとめています。
c. 費用の総額と支払時期
□ 在籍大学の学費:留学中も払う必要があるか
□ 留学先の授業料:免除される範囲と、別にかかる費用
□ 住居・生活費:留学先大学の公式の見積もり。寮に入れないときの上限
□ 出発前の費用:ビザ、保険、航空券。いつ現金が要るか
□ 奨学金:大学・JASSO・財団の募集要項。締切、併給、入金の時期
奨学金は、採用が決まるまで予算に入れないほうが安全だと私は考えています。
「奨学金なし」と「奨学金あり」の2つの案を作り、寮に入れない場合も見ておきましょう。
都市や住まいで費用がどれくらい変わるかは、5都市の公式の数字で試算した記事があります。
d. 1年の終わりの6つの確認
□ 本命・現実的・安全を合わせて、5〜10校の候補がある
□ 候補校の対象学部、語学の条件、GPA、学内締切を確認した
□ 最初の英語試験と、受け直す日を決めた
□ 必修、ゼミ、卒論、単位認定を学部に相談した
□ 留学の時期を卒業・就活・英語の3つで比べた
□ 奨学金なしでいくら要るかを、家族に伝えた
全部が決まっていなくても大丈夫です。
わからないことに「だれに・いつ聞くか」が書いてあれば、応募の準備に進んでいいと思います。
5. 大学2年:応募の進め方
応募の時期は、英語試験、成績証明書、志望理由書、学修計画、推薦、面接、奨学金が重なります。
学内締切から逆算して、途中の期限を決めておいてください。
a. 締切までの16週間
□ 16週前:候補校、取りたい授業、語学の条件、費用を最終確認した
□ 12週前:必要なスコアの試験を受けた。受け直す日も押さえた
□ 8週前:志望理由書と学修計画の初稿を書き、推薦を頼んだ
□ 4週前:大学の担当者に確認し、添削を受け、証明書を発行した
□ 1週前:入力内容、添付ファイル、提出完了の画面を確かめた
個人的には、8週前の初稿がいちばん大事だと思っています。
初稿さえあれば、添削を受けて直す時間が取れます。
私も学内選考を経験しました。選考で何がどう見られるかは交換留学の学内選考では何を見られるかで説明しています。
b. 志望理由と留学時期
志望理由は「海外に行きたい」で終わらせず、これまでの関心、留学先で取る授業、現地で確かめたいこと、帰国後を1本につなげるのがコツです。
書き方と例文は次の記事にあります。
何年生で行くかに、決まった正解はありません。
2年秋・3年春・3年秋を卒業・就活・英語で比べた記事に、自分の学部の日程を当てはめてみてください。
6. 遅く気づいた人の始め方
遅く気づいた人も今の学年から始めてみましょう!最初の7日でやることと、後回しにしていいことは次のとおりです。
高校3年:志望大学3校の対象学部、派遣実績、費用を比べる。留学先を1校に決めるのは後でいい
大学1年前期:募集の月を確かめ、全科目の評価方法を書き出す。難関校だけを見た長期計画は後回し
大学1年後期:候補5校と英語の条件、最初の受験日を決める。全協定校を調べ尽くすのは後回し
大学2年以降:次の募集に間に合う候補、卒業、費用を窓口に相談する。過ぎた学年を取り戻そうとしなくていい
募集に間に合わなくても、次の募集、春出発、半期の留学、学部間協定、大学の短期プログラムなど、別の道はあります。
ただ私は、焦って「行けるならどこでもいい」にはしないほうがいいと思っています。
所属大学の短期留学の探し方は次の記事で説明しています。
7. 3か月ごとの見直しシート
次の8つを1枚にまとめて、3か月に1回見直してみてください。
そのまま家族や大学の窓口に見せれば、相談も早く進みます。
□ 学びたい分野・地域・言語の優先順位
□ 候補校と、最新年度の募集要項・協定校一覧
□ 今のGPAと、候補校の最低条件
□ 英語の試験、目標点、締切、受け直す日
□ 取りたい授業が交換留学生にも開かれているか
□ 単位認定、必修、卒業時期、就活との関係
□ 奨学金なし・ありの資金計画と、払う時期
□ わからないことごとの確認先と期限
関心や進路が変わるのは失敗ではありません。
変わったら、この1枚を書き直せば大丈夫です!
まとめ
- 高校のうちは留学先を決めず、興味のメモと、家族との費用の話だけしておく
- 大学は名前より、自分の学部から使える制度と派遣実績で比べる
- 大学1年前期のGPAと募集の時期は後から取り返せないので、入学してすぐ押さえる
今日やることは志望大学(大学生なら在籍している大学)の国際交流のページを開いて、交換留学の募集が何月にあるかをメモすることです。
参考にしたサイト: JASSO「留学計画の立て方」 / JASSO「海外留学支援制度(協定派遣)」 / 九州大学「大学間交換留学2027年度派遣(第1回)募集」 / 東京大学「全学交換留学(USTEP)応募方法・詳細」 / 東京大学「2026年度USTEP派遣候補学生募集要項」 / 早稲田大学「中長期留学プログラム」 / JASSO「海外留学のための奨学金情報」
制度・募集情報は2026年9月5日時点で確認しています。本文中の日程は大学ごとの実例であり、全大学共通ではありません。募集時期、応募条件、授業料、単位認定、奨学金は年度・大学・学部によって異なるため、必ず最新の公式情報をご確認ください。体験談は筆者個人のもので、同じ結果を保証するものではありません。
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