【大学間交換留学の教科書編集部】
交換留学を考える大学生のための、大学や留学エージェントから独立した情報サイトです。
全国の旧帝大で交換留学や海外大学院留学を経験したメンバーが、自分たちの経験と公式情報をもとに運営しています。
第一志望に届かず、仮面浪人をするかどうか迷っている人もいると思います。
欲しかったものが「今より広い環境で学ぶ経験」なら、私は再受験より、今の大学で高い成績を取って交換留学を目指すほうを勧めます。
授業で単位を取り、語学に時間を使った1年なら、留学が決まらなくても、その後の学びにそのまま使えるからです。
ただし、卒業する大学そのものを変えたい人には、交換留学を代わりとして勧めません。
学びたかった専攻や入りたかった研究室があるなら、大学を変えたい理由は十分にあります。
1. 第一志望で欲しかったものの整理
まずは、第一志望で欲しかったものを1つに絞ってみましょう。
「第一志望に行きたかった」の中身は人によってバラバラです。
・卒業証書に載る大学名や学位
・その大学の専攻や研究室
・友人や先生を含めた、そこでの数年間
・今の大学では見えない世界で、自分の学びを試すこと
たとえば、目指す資格につながる学部が今の大学にないなら、数か月海外に行っても解決しません。
この場合は再受験、編入、転学部・転学科が選択肢になります。受入年次、必要単位、選考方法は大学・学部ごとに違うので、それぞれ確かめてください。
逆に、今の専攻には興味があって、「違う授業を受けたい」「海外の学生と同じ教室で学びたい」気持ちが強いなら、入試をやり直す前に所属大学の協定校を見てほしいです。
留学先で取りたい科目が見つかれば、今の大学で何を学んでから行くかも見えてきます。
欲しいのが「大学名」なのか「そこで学ぶこと」なのか、一度自分に聞いてみるのがおすすめです。
2. 仮面浪人の1年のリスク
再受験に受かれば、行きたかった大学の学生として卒業まで学べます。
学位も、その後の環境も変わります。ここは交換留学では手に入りません。
ただ、大学の授業を受けながら入試に備える1年は、時間の使い方がかなり難しくなります。
定期試験と模試、授業の課題と受験科目が重なることもあります。
成績を保ち、単位を取り、友人関係も作りながら受験勉強を続けられるか、始める前に見積もっておくのがおすすめです。
落ちた場合は、今の大学で学び続けることになります。
そのとき授業を最低限しかこなしていなかったら、行きたい大学には行けず、今の大学での1年も薄くなります。
「今の大学は保険だから」と考えるなら、その保険の単位と成績も守る必要があります。
個人的には、両立の見通しがないまま「1年だけ両方やってみる」と決めるのは怖いと思っています。
3. 今の大学で過ごす1年に残るもの
交換留学も、目指せば必ず行けるわけではありません。
派遣枠、語学要件、学内選考があり、その後に協定校の受入手続きもあります。
それでも勧めるのは、行けなかったとしても、その1年に何が残るかが違うからです。
同じ1年の使い方で、結果ごとに残るものは次のとおりです。
・再受験に受かれば、別の大学で学位と環境を変えられる。今の大学の単位が認められるかは進学先の制度と審査次第
・再受験に落ちれば、今の大学で学び続ける。受験で学んだ知識と、履修を続けていれば単位・成績が残る
・学内選考を通り、協定校にも受け入れられれば、今の大学の学生として協定校で学べる。留学先の単位が卒業単位になるかは所属大学の審査次第
・派遣が決まらなければ、今の大学で学び続け、別の募集を考える。単位、成績、語学力、具体的になった関心分野が残る
やることは学期の初めに授業の評価方法を読み、興味のある分野で良い成績を取りにいくことです。
わからないところは先生に聞き、語学試験の準備も同時に進めておくと安心です。
協定校で取りたい科目まで調べておけば、留学が決まったときに、その積み上げを海外の教室に持っていけます。
決まらなくても、取った単位、身につけた知識、語学力は今の大学での次の学びに使えます。
たとえば経済学に興味があるなら、今学期は統計学の授業に力を入れて、実際のデータを扱う課題に取り組むイメージです。
そこから協定校で関心のある分野を探し、希望の科目に受入制限があれば、別の大学や科目も比べます。
ここまで調べると、「有名な大学に行きたい」だった希望が、「この問題を違う国の例と比べたい」という学修計画に変わります。
4. 「圧倒的な成績」の意味
ここでいう圧倒的な成績は、履修全体で高いGPAを本気で狙い、興味のある授業では何を学んだかを説明できるところまで深める、という意味です。
全科目で満点を取る、周りに勝つ、という話ではありません。
GPAは軽く見ないでください。
所属大学や協定校の募集要項には成績や語学力の条件があることがあります。条件を満たせなければ、どれだけ行きたい理由があっても選考に進めません。
一方で、GPAだけで好きな協定校に行けるわけでもありません。派遣枠、受入学部、取れる科目、語学基準に加えて、志望理由や学修計画も見られます。
個人的には、良い成績と具体的な学修計画は一緒に育つと思っています。
授業をよく理解していれば、次に何がわからないかが見えて、留学先で取りたい科目も探しやすくなるはずです。
志望理由も「世界を広げたい」で終わらず、自分の大学で学んだことから話せるようになります。
成績の取り方は大学1年生のGPAの記事にまとめています。
私も学内選考を経験しました。選考で何が見られるかは学内選考の記事で説明しています。
5. 交換留学ではできないこと
交換留学では、在籍大学と協定のある海外の大学で、一定期間学びます。
別の国の学生と授業を受けて、自分の専攻を違う前提や事例から考え直す経験ができます。
個人的には、交換留学を「第一志望に行けなかった代わり」とは考えていません。自分の大学で学んだことを、外の教室に持っていく選択です。
ただし、留学先の大学名が卒業時の学位になるわけではありません。希望の研究室で数年間学べる保証もありません。
協定校でも学部や科目に受入制限があるので、大学名だけで応募先を決めると、学びたい授業が取れないことがあります。
大学名そのものに強い未練がある人に「留学すれば気にならなくなる」とは言えません。
卒業とお金も所属大学で確認が必要です。
留学期間や取った単位を卒業までの計画に組み込める大学もありますが、認められる範囲は学部や科目で違います。
授業料をどこに払うか、どこまで免除されるかも協定ごとに違い、渡航費、住居費、生活費、保険料は別にかかります。
奨学金は交換留学に行けば自動的にもらえるものではありません。
対象のプログラム、成績などの条件、学内の申請方法を確かめて、まだ採用されていない奨学金は予算に入れずに見積もるほうが安全です。
家族に相談するときは、費用シミュレーターで金額を並べて見せると話が早いです。
6. 再受験・編入が向いている人
次のどれかに当てはまるなら、再受験や編入を真剣に考えるのがおすすめです。
・目指す仕事に必要な学部や資格が、今の大学では得られない
・専攻を変えたいが、履修の工夫や転学部では難しい
・特定の研究室や仲間と、卒業までの数年間を過ごしたい
・その大学の学位そのものが、卒業後の進路で必要
再受験を選ぶなら、受かった後の授業内容、入学年次、費用、卒業までの年数を具体的に調べておくと安心です。
「第一志望だったから」を出発点にしてかまいません。そこに「その大学で何をしたいか」を足せると、入試に時間を使う理由がはっきりします。
今の大学に通い続けること自体が心と体の負担になっているなら、進路の話より先に、今の生活を守ってください。
「まず今いる場所で結果を出そう」では解決しないこともあります。
学生相談の窓口などに頼りながら、休学や進路変更も含めて、安全と健康を優先してください。
7. 募集要項と学部案内の比べ方
交換留学の募集は実は出発のかなり前です。大学によっては、翌年度の派遣に向けた募集が前の年に始まります。
受験の結果を見てから留学を調べようとすると、希望の募集に間に合わなくなりがちです。
語学の準備が間に合わず今年の応募が難しいなら、再受験の結果に合わせて、進学先か今の大学の翌年度の募集を調べ直すことになってしまいます。
「1学期考えてから決めよう」とする前に、所属大学の交換留学の募集要項と、再受験を考えている大学の学部案内を並べて、次の6つを比べてください。
- 目的:欲しいのは学位、専攻、数年間の環境、海外での授業のどれか
- 行き先:自分の学部から応募できる協定校と、実際に取れる科目。再受験先で学べること
- 条件:GPA、語学、必要単位、試験科目が、今の自分からどのくらい離れているか
- 日程:学内選考と入試の締切、語学試験の日、派遣の時期、入学の時期
- お金と卒業:学費、渡航費と生活費、入り直す場合の費用、単位認定、卒業年がどう変わるか
- だめだった場合:再受験に落ちたり派遣が決まらなかったりしたとき、今の大学で何を続けられるか
候補を探すときは当サイトの留学先検索が使えます。
ただし過去の協定・派遣の情報をもとにしているので、今年度の応募資格や派遣枠は保証できません。最後は所属大学の国際担当と学部に確認してください。
希望の協定校がない場合は認定留学など別の制度を相談できますが、学費や単位の扱いは交換留学と違います。
語学の条件がどのくらい遠いかは、IELTSの点数ごとに狙える範囲で目安をつけられます。
悔しさをきっかけに進路を考え直すのは、悪いことではありません。
ただ、締切や条件を知らずに決めるのはもったいないです。募集要項を見て初めて、「この大学ならこの科目を取りにいける」「再受験しないと欲しい学位には届かない」と言えるようになります。
まとめ
- 欲しいのが海外で学ぶ経験なら、仮面浪人より、今の大学で成績と語学を固めて交換留学を目指す
- 欲しいのが別の大学の学位や専攻なら、交換留学は代わりにならない。再受験・編入・転学部を調べる
- 迷っているなら、両方の締切を押さえて、授業と協定校を見比べるところから始める
第一志望に届かなかった気持ちは、無理に消さなくて大丈夫です。何を学びたかったかを知る手がかりになります。
今日やることは所属大学の交換留学の募集要項と、行きたかった大学の学部案内を開いて、「そこで欲しいもの」をそれぞれ1行で書き出すことです。
参考にしたサイト: 日本学生支援機構「日本の大学での手続き」 / 日本学生支援機構「海外留学支援制度(協定派遣)」 / 慶應義塾大学国際センター「交換留学FAQ」 / 慶應義塾大学国際センター「派遣交換留学・選考日程」 / 東京大学「全学交換留学FAQ」 / 大阪大学「交換留学」 / 埼玉大学「転学部・転学科等ガイド」
最終確認:2026年9月24日。体験談は筆者個人のもので、同じ結果を保証するものではありません。応募資格・時期、授業料、単位認定、奨学金は大学・学部・年度ごとに異なります。応募前に最新の募集要項を確認してください。
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