【大学間交換留学の教科書編集部】
交換留学を考える大学生のための、大学や留学エージェントから独立した情報サイトです。
全国の旧帝大で交換留学や海外大学院留学を経験したメンバーが、自分たちの経験と公式情報をもとに運営しています。
留学を考え始めると、語学留学と交換留学は何が違うのか、どちらを選べばいいのか迷いますよね。
語学留学は外国語そのものを学ぶ留学、交換留学は外国語を使って専門や教養の科目を学ぶ制度です。
英語を伸ばすこと自体が目的なら、語学留学で十分だと思います。
ただ、英語で経済や工学などを学びたい大学生なら、英語に自信がなくても、私は迷わず交換留学を第一候補にするのがおすすめだと考えています。
ほかにも、次の点が違います。
・英語力:語学留学は初級から入れることが多い。交換留学はTOEFL・IELTSなどのスコア、GPA、学内選考がある
・費用:語学留学は授業料を学校に払う。交換留学は日本の大学に学費を払い、協定校の授業料は原則免除
・単位:語学留学は自動では認められない。交換留学は認定を申請できることが多いが、これも自動ではない
・行き先と期間:語学留学は自由に選びやすい。交換留学は協定校の中から選び、1学期〜1年が中心
短期・認定・休学留学まで含めて比べたい人は、次の記事を先に見てみてください。
1. 語学留学と交換留学のしくみ
a. 語学留学:外国語を学ぶための留学
違いは「学校」ではなく「何を学ぶか」です。
英語、ドイツ語、フランス語などを身につけるために、語学学校や大学付属の語学機関に通います。
授業はレベル別で、文法、会話、発音、聞き取り、読解、作文を順に練習するのが一般的です。
期間は決まっていません。夏休みの3週間でも、休学して半年通っても、学ぶ中心が語学なら語学留学です。
大学が募集する「短期海外研修」「外国語研修」にも、中身は語学留学に近いものがあります。
b. 交換留学:協定校で大学の授業を受ける制度
日本の大学と海外の大学の学生交流協定にもとづく制度です。
今の大学に在籍したまま、協定校に1学期〜1年ほど派遣され、講義、演習、研究指導などを受けます。
英語圏以外の国でも英語で開講される科目を取れることがあります。
ただし学部、科目、人数、前提科目、現地語の条件があるので、協定校の名前だけで希望の授業が取れるとは限りません。
気をつけたいのは、大学のキャンパスにある語学学校に通うことと、その大学の交換留学生になることは別だという点です。
パンフレットを見るときは、施設の名前より、学生としての身分、取れる科目、成績証明書をどこが出すかを確認してください。
2. 授業の違い
語学留学では、話す、書く、聞く、読むこと自体が勉強の対象です。
発音や文法の間違いを直してもらい、同じ表現をくり返し練習できます。
英語で発言するのに慣れていない人や、基礎から積み上げたい人には、この形が合います。
一方で、クラスメートは同じく外国語を学ぶ留学生が多く、現地の大学生と一緒に学ぶわけではありません。
交換留学では、英語は教わるものではなく授業についていくための道具です。
講義を聞き、文献を読み、議論し、レポートを書き、試験を受けるのに英語や現地語を使います。
読む、書く、発表する力は鍛えられますが、文法や発音を毎回細かく直してもらえるわけではありません。
交換留学生向けの語学科目がある協定校もありますが、単位、料金、履修の上限は大学ごとに違うので、専門科目と並行して取る補助と考えるのが近いです。
3. 必要な英語力の違い
JASSOは、大学進学準備などの特別なコースを除けば、語学留学は入門・初級から受け入れる例が多いと案内しています。
入学前後のテストでクラスを分けるので、今のレベルに合う授業を受けられます。
ただ、「英語力不問」は「英語ゼロで困らない」という意味ではありません。入国審査、住まい、病院、緊急時には最低限のやりとりが必要で、コースやビザによっては語学証明を求められることもあります。
交換留学では、学内の応募と協定校への出願で、TOEFLやIELTSなどの公式スコアを求められることが多く、GPAや履修歴も見られます。
大学全体の基準を満たしていても、学部や科目によってはもっと高い点が必要だったりします。
確かめておきたいのは、募集要項に書かれた試験の種類、点数、有効期限、技能別の条件です。
英語が話せないと感じている人が、今行ける留学と準備して狙う交換留学をどう分けるかは、次の記事で説明しています。
TOEICだけで応募できるのか、どの段階でTOEFL・IELTSが必要になるのかは、その次の記事を参考にしてみてください。
4. 応募方法の違い
語学留学は、国、都市、期間、コースを選び、学校に直接、大学経由、または留学会社経由で申し込みます。
入学許可、支払い、住まい、ビザを進めたら、あとは渡航するだけです。
開始日が複数あり、数週間単位で受け入れる学校もあります。その分、授業時間、返金条件、住まい、サポートの範囲を自分で比べる必要があります。
大学の短期語学研修なら選択肢は狭いですが、単位、引率、危機管理、奨学金をまとめて確認できます。
交換留学は協定校に直接申し込む前に、今の大学から推薦を受けるのが基本です。流れは次の5段階です。
- 大学の制度と協定校の一覧を見る
- 取れる科目、語学の条件、学部の制限を調べる
- 語学、GPA、志望理由などで学内選考を受ける
- 推薦されたあと、協定校に正式に出願する
- 履修、住まい、ビザを進めて渡航する
学内の締切は出発のおよそ1年前、またはそれより前に来ることもあります。
協定校を見つけてから英語の試験を受け始めると、間に合わないことがあります。
募集要項を開いたその日に、試験の申込日まで決めてください。
短期の語学留学を、大学の研修、個人の申込み、留学会社のどれから探すかは、次の記事で比べています。
5. 費用の違い
費用の内訳を並べると、違いは次のとおりです。
・日本の大学の学費:語学留学は休暇中か、在学か、休学かで変わる。交換留学は原則として今の大学に納める
・留学先の授業料:語学留学は学校や実施機関に払う。交換留学は協定により原則免除
・住まい、生活費、航空券、保険、ビザ:どちらも自己負担。語学留学はパッケージに含まれることがあり、交換留学は大学指定の保険があることも
・教材費、登録料など:語学留学は学校ごとに確認。交換留学も学生サービス料などが残ることがある
語学留学は期間を短くすれば総額を抑えられますが、航空券などの固定費があるので、1週間あたりでは高くつくこともあります。
学期中に行くなら、日本の大学を在学のままにするか休学するかと、その間の授業料や在籍料も足しておくと安心です。
交換留学は留学先の授業料が原則免除なので、海外の大学で授業を取る私費留学よりは有利です。
ただ、物価の高い都市に1年行けば、短期の語学留学より総額は大きくなります。
交換留学の費用は交換留学費用シミュレーターで都市、期間、住まいから概算できます。
実際の家賃や航空券、決まっている給付奨学金を入れると、総額と毎月の支払いが見えてくるはずです。
語学留学の見積もりと比べるときは、日本の学費を含むか、旅行費や保険まで入っているかをそろえておくのがおすすめです。
正直、最終目標が交換留学なら、私は高額な語学留学に先に行かなくても大丈夫だと思っています。
まず国内で必要なスコアを作り、交換留学の渡航費と生活費を残しておくのがおすすめです。
都市、住まい、契約月数から予算を作る方法は、次の記事で説明しています。
6. 単位認定と卒業への影響
自分で申し込んだ語学学校の授業は、日本の大学の卒業単位として自動的には認められません。
大学が単位付きの短期語学研修として行うものや、大学付属校のアカデミックコースを事前に認めている場合は例外です。
交換留学は、留学期間が在学期間に入り、単位の認定を申請できる制度が多いです。
ただ、科目の内容、授業時間、成績、学部の上限によっては、自由選択科目になったり、想定より少なく認められたり、認められなかったりします。
出発前に、所属学部に次の5つを確認してください。
- 留学期間が在学年数に入るか
- 語学科目と専門科目を何単位まで申請できるか
- 必修、専門、自由選択のどこに入るか
- シラバス、授業時間、成績証明書にどんな形式が必要か
- 帰国後の認定が、進級や卒業の判定に間に合うか
「交換留学なら4年で卒業できる」のではなく「必要な単位と必修の日程を満たせば、4年での卒業を狙える」というのが正確です。
半年か1年かで迷っている人は、卒業や就活との関係も先に確認しておくと安心です。
7. 現地の環境と伸びる英語
語学留学では、いろいろな国の学習者と知り合いやすく、同じ不安を持つ人と話し始めやすいのが良いところです。
現地の学生と関われるかは、大学付属校か、交流の制度があるか、ホームステイか寮かで変わります。
交換留学では、授業、学生団体、図書館、寮を通じて、現地の大学生活に入りやすくなります。
ただ、留学生向けの英語の科目だけを取って留学生同士で過ごせば、現地の学生と話す機会は増えません。
伸びやすい英語の力も違います。
・語学留学:基礎の文法と発音、会話への抵抗をなくすこと。低いレベルから、正しく使う練習を積める
・交換留学:専門の読解と作文、議論や発表、専門用語。成績がかかった場面で、難しい内容を英語で処理する
どちらも参加しただけで自動的に伸びるわけではありません。
JASSOも、日本でできるだけ語学力を上げたうえで、現地の語学学校を実践の場として使う考え方を勧めています。
授業以外に、住まい、サークル、交流イベント、買い物まで含めて「だれと何語で過ごすか」を自分で決めることになります。
出発前から話す練習を始めたい人は、留学3か月前のスピーキング勉強計画を参考にしてみてください。
8. 自分に合う留学の選び方
a. 語学留学が合う人
・英語や現地語を身につけること自体が一番の目的
・初級から、自分のレベルに合う授業を受けたい
・春休みや夏休みの数週間で、海外生活を試したい
・国、都市、学校、始める時期を自由に選びたい
b. 交換留学が合う人
・海外の大学で学びたい分野や授業がある
・語学の条件を満たしている、または締切までに狙える
・大学の単位、在学の扱い、奨学金を使いたい
・出発まで半年〜1年以上かけて準備できる
私は、専門を学びたい大学生には、まず交換留学から調べることをすすめます。
応募条件を見て今の英語力との差を確かめると、次に何を準備すればいいかがわかります。
「英語に自信がないから語学留学」と最初に決めてしまうと、本当に行きたかった交換留学の締切を逃してしまいがちです。
c. 両方に行く場合の順番
1年の夏休みに短期の語学研修へ行き、帰国後にTOEFLやIELTSを受けて、2年以降に交換留学に応募する、という組み合わせもできます。
その場合は、次の順で確認してください。
- 交換留学の学内締切と必要スコアを先に確認する
- 語学留学に行っても、受験日と学内応募に間に合うか確認する
- 語学留学で得たいことを「英語を伸ばす」より具体的にする
- 語学留学の費用を払っても、交換留学の予算が残るか計算する
交換留学に必要なスコアを作るだけなら、日本で試験対策に集中するほうが安く、日程も組みやすいことがあります。
私は大学のプログラムで、アメリカに1か月の短期留学をしました。
数週間〜1か月の語学研修は、英語力が大きく伸びる場というより、空港からの移動や聞き返し方など、海外で暮らす練習の場と考えると期待とずれにくいです。
まだ国も期間も決まっていないなら、「何を学ぶか」「いつ行くか」「使える制度は何か」の順に埋めていくと決めやすいです。
まとめ
- 英語で専門を学ぶなら、英語に自信がなくても交換留学が第一候補。英語そのものが目的なら語学留学
- 語学留学は初級から入れて日程も自由。交換留学は授業料の免除と単位認定があるが、スコア、GPA、学内選考がある
- 交換留学が最終目標なら、学内締切と必要スコアを先に確認する
今日やることは自分の大学の協定校一覧と交換留学の募集要項を開いて、学内締切と必要スコアを書き出すことです。
参考にしたサイト: JASSO「留学に必要な条件」 / JASSO「留学準備を始める前に」 / 東京大学「2026年度 全学交換留学(USTEP)派遣候補学生募集要項」 / 慶應義塾大学「派遣交換留学概要」 / 慶應義塾大学「出願・選考スケジュール」 / 慶應義塾大学「留学制度概要」
最終確認:2026年9月6日。体験談は筆者個人のもので、同じ結果を保証するものではありません。留学制度の名称、応募条件、授業料、学籍、単位認定、修業年限、語学要件は、大学・学部・年度・プログラムによって異なります。申込み・応募前に、所属大学と実施機関の最新の募集要項・学則をご確認ください。
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