【大学間交換留学の教科書編集部】
交換留学を考える大学生のための、大学や留学エージェントから独立した情報サイトです。
全国の旧帝大で交換留学や海外大学院留学を経験したメンバーが、自分たちの経験と公式情報をもとに運営しています。
交換留学、長期インターン、資格、部活、研究。
先輩や友達の話を聞いていると全部やったほうがいい気がして、何から手をつければいいか迷いますよね。
「研究者もありだし、外資やコンサルもありかも」と行き先をまだ1つに決めたくない人ほど、やることは増えて見えます。
私は、アカデミアでも民間でもプロとして勝負できる状態を残したいなら、学業(GPA)と交換留学を最優先にして、研究と英語をその次に置くのがいいと思っています。
長期インターンや資格は、そのあとで十分です。
大学でできることを、この考え方でS〜Cの4段階に並べました。
1. 大学でやることのTier表
アカデミアと民間のどちらに進んでも役に立ち、卒業してからでは取り返せないものほど上に置いています。
| Tier | 大学でやること |
|---|---|
| S 最優先 | 学業(GPA・専攻の基礎) 交換留学 |
| A Sと並行 | 研究(ゼミ・卒論・研究室) 英語のスコア(IELTS) |
| B 1つだけ選ぶ | 部活・サークル(役職を持つ) 長期インターン(やりたい分野と仕事内容が一致するもの) 海外プロジェクト・海外ボランティア(企画・運営の側) 起業・個人開発 |
| C 後回し | 汎用の資格(簿記・TOEIC・MOSなど) 短期留学・語学留学 経験を積むためのアルバイト 肩書きのための学生団体・ビジネスコンテスト とりあえずの営業・SNS運用インターン |
使い方はシンプルです。
SとAは並行して進め、Bは1つだけ選び、Cは時間が余ったらで大丈夫です。
アカデミアに進むと決めている人や、目指す資格が決まっている人は順位が入れ替わるので、8節で確かめてみてください。
2. 順位を決めた3つの基準
1つ目はアカデミアと民間の両方に効くかどうかです。
大学院の出願でも就活でも見られるものは、進路が決まっていない今のうちに積んでおく価値があります。
どちらか片方でしか使わないものは、行き先が決まってからでも間に合います。
2つ目は卒業してから取り返せるかどうかです。
学部の成績は卒業したら書き換えられませんし、学部生としての交換留学は在学中にしか応募できません。
一方で、仕事の経験は社会人になれば毎日積めます。
3つ目は中身を話せる経験になるかどうかです。
面接では「留学に行きました」「資格を取りました」という事実より、そこで何を考えてどう動いたかを聞かれます。
同じ時間を使うなら、自分で考えて動く場面が多いものを上に置きました。
3. S:学業と交換留学
a. 学業(GPA・専攻の基礎)
何を優先するか迷ったら、まず成績です。
GPAは交換留学の学内選考、海外大学院の出願、奨学金で、志望理由を読んでもらう前の応募条件になります。
「いつか大学院に行くかも」「海外のMBAも気になる」という人ほど、今の成績が数年後の選択肢を決めてしまいます。
民間に進む場合も、成績を取りにいった時間は無駄になりません。
評価基準を読み、締切を守り、講評を受けて直す。
GPAはこれを何学期も続けた記録なので、仕事の進め方を話す材料になります。
詳しくは大学1年生はとりあえずGPA4.0を目指す理由とGPAに表れる6つの仕事力で書いています。
成績と一緒に、専攻の基礎を人に説明できるところまで理解しておくのもおすすめです。
AIの答えが正しいかを自分で確かめるにも、その分野の基礎が要ります。
個人的には、この「確かめられる力」が研究でも仕事でもいちばん長く使えると思っています。
b. 交換留学
交換留学をSに置いたのは、2つの道のどちらにも効いて、しかも期限があるからです。
海外の大学で専攻の授業を受け、課題を出し、現地の学生と議論した経験は、大学院を考えるときにも、就活で「そこで何をしたか」を話すときにも使えます。
そして学部の交換留学は卒業したらもう応募できません。
学内選考の締切は出発の約1年前のことが多く、その時点でGPAと語学スコアがそろっている必要があります。
「インターンが落ち着いたら考えよう」と後回しにすると、気づいたときには学内募集が終わっていた、ということが起きてしまいます。
ただ、行っただけで評価されるわけではありません。
留学経験は就活で評価されますが、見られるのは現地で何を課題に感じ、どう動いたかです(留学は就活で有利になる?)。
私も学内選考を経験しました。
個人的には、準備の段階から「向こうで何をするか」を言葉にしておくと、書類にも面接にも、帰国後の話にもつながりやすいと感じています。
4. A:研究と英語
a. 研究(ゼミ・卒論・研究室)
研究はアカデミアに進むならいちばんの材料になり、民間に進んでも「問いを立てて、調べて、確かめた」経験として話せます。
編集部のメンバーがガクチカに書いたものにも、研究が入っています。
Aにしたのは、ゼミや研究室に入る時期が大学ごとに決まっていて、それまでは授業とGPAが研究の準備になるからです。
ただ、大学院や研究職に進むかもしれないなら、研究はSとして扱ってください。
卒論のテーマや指導教員との関係は、大学院の出願や推薦状に直接つながります。
b. 英語のスコア(IELTS)
英語のスコアはそれだけで差がつくものではありませんが、ないとSの交換留学に応募できません。
海外大学院でも出願の条件になるので、資格の勉強とは分けて考えるのがおすすめです。
受ける試験は、志望先が受け付けないなどの理由がなければIELTSがおすすめです(TOEFLとIELTSの選び方)。
私はLIBERTY English AcademyでIELTS対策をして、7.5を取りました。
個人的には、スコアを追いかけるのは目標点までにして、浮いた時間を学業と留学の準備に回すくらいがちょうどいいと思っています。
5. B:目的が合えば1つだけ
Bは合う人には大きな経験になるけれど、全員に勧めるものではない活動です。
Bは1つに絞って、役割を持つところまでやるのが私のおすすめです。
3つを少しずつやるより、1つで「自分が何を決めて、何が変わったか」を話せるほうが、面接でも大学院の面談でも伝わります。
a. 部活・サークル
今の部活やサークルが好きなら、続けて大丈夫です。
ただ、所属しているだけでは話せることが少ないので、幹部や係など、何かを任される立場まで行くと経験として残ります。
幹部の代と交換留学の時期が重なるときは、どちらかをあきらめる前に、留学の時期をずらせないか確かめてみてください。
b. 長期インターン
長期インターンは「やったほうがいい」とよく言われますが、私はしなくていいと思っています。
学生に任される仕事はどうしても限られますし、大手企業の業務とは中身が違うことも多いです。
仕事の経験は社会人になれば毎日積めますが、学部の成績と交換留学は卒業したら取り返せません。
例外は、自分が長く続けたい分野と、インターンの仕事内容がはっきり一致しているときです。
たとえばデータ分析の研究をしたい人が、実際の分析を任されるインターンに入るなら、研究にも就活にもつながります。
一方で、とりあえずの営業インターンやSNS運用のインターンは、やめておいたほうがいいと思っています。
c. 海外プロジェクト・海外ボランティア
自分で企画したり、チームをまとめたりする側に立てるなら、Bの中でも話せることが多い活動です。
編集部のメンバーにも、海外プロジェクトや海外ボランティアサークルのリーダー経験をガクチカに書いた人がいます。
決まった日程に参加するだけのツアー型なら、Cの短期留学に近いと考えています。
d. 起業・個人開発
本気でやるなら、自分で決めて動く場面がいちばん多い経験になります。
ただ、学業を崩してまでやるかどうかは、1年後も続けている自分を想像できるかで決めるのがいいと思います。
肩書きのために「代表」を名乗るだけなら、Cの学生団体と変わりません。
6. C:後回しでいいもの
Cは、やっても損はないけれど、Sの時間を削ってまでやるものではない活動です。
a. 汎用の資格
簿記やMOSのような資格は、最低限の知識の証明にはなっても、それだけで差がつくものではありません。
TOEICは交換留学の応募に受け付けないと明記している大学もあるので、留学を考えるなら最初からIELTSを選ぶほうが遠回りになりません(TOEICだけで応募できる?)。
就活でも、資格の勉強そのものをアピールにするのはおすすめしません。
b. 短期留学・語学留学
海外が初めてで不安なら、慣らしとして行く価値はあります。
ただ、交換留学を考えているなら、そのお金と時間は本番の資金と英語の準備に回すほうがいいと思っています。
私も大学のプログラムでアメリカに1か月の短期留学をしましたが、交換留学の前に必須だとは考えていません(交換留学前に短期留学は必要?)。
c. アルバイト
生活費や留学資金のためのアルバイトは、Tierの外にある「必要なこと」です。
交換留学では寮のデポジットや航空券など、出発のかなり前にまとまったお金を払うことが多いので、貯金の目的があるなら堂々と働いて大丈夫です。
経験を積むためだけに時間を増やすなら、その時間をSかAに回すほうが将来の選択肢は広がります。
d. 肩書きのための学生団体・ビジネスコンテスト
中身より「所属していること」「出場したこと」が目的になっているなら、Cです。
自分が企画や運営の中心になれるなら、Bの部活・サークルと同じように考えて大丈夫です。
7. どれを選んでも大事な一貫性
Tierの上から選ぶのと同じくらい大事なのが、選んだことどうしが1本の線でつながっていることです。
何をやるにしても、一貫性があるかどうかで伝わり方が大きく変わります。
たとえば専攻で国際経済を学び、交換留学先で開発経済の授業を取り、卒論で同じテーマを掘り下げた人なら、面接で「なぜ留学したのか」「なぜこの研究なのか」「なぜうちの会社なのか」と聞かれても、同じ1本の話で答えられるはずです。
一方で、簿記、営業インターン、短期留学、学生団体と、それぞれは悪くない経験を並べても、つながりを説明できなければ「いろいろやった人」で終わってしまいます。
一貫性は選考の中でも見られています。
企業は面接の内容を記録して次の面接官に引き継ぐことが多く、前回と話がずれると違和感を持たれてしまいます。
大学院の出願でも、成績、研究計画、推薦状が同じ方向を向いているほど、読む側は安心できます。
最初から完璧な線を引く必要はありません。
新しく何かを始めるときに「これは今までやってきたこととどうつながるか」を1文で言えるかを確かめるだけで、選び方がぶれにくくなります。
言えないなら、それはCかもしれません。
8. 順位が入れ替わる人
このTier表は進路をまだ1つに決めていない人のための初期値です。
次の4つに当てはまる人は、順位を入れ替えて使ってください。
a. アカデミアに進むつもりの人
研究をSに上げます。
交換留学もSのままで、海外の大学で授業を受けた経験は、海外大学院を考えるときの材料にもなります。
b. 目指す専門職の資格が決まっている人
公認会計士のように、その職業に必須の資格はSの先頭に置いてください。
交換留学とどちらを先にするかは、交換留学と公認会計士、大学時代にどちらを優先する?で判断の基準を書いています。
c. 家計のためにアルバイトが必要な人
アルバイトの時間を先に確保して、残った時間をSから順に埋めてください。
Sの2つだけは、時間が少なくても手放さないのがおすすめです。
d. 部活の幹部の代と留学が重なる人
部活はBのまま続けて、交換留学の出発時期をずらせないか確かめます。
何年生で行くかの比べ方は交換留学は何年生が正解?にまとめています。
まとめ
- アカデミアと民間の両方に効き、卒業後に取り返せないものほど上に置く
- Sは学業と交換留学、Aは研究と英語。Bは1つに絞って役割を持つ
- 長期インターンと資格は、目指す分野とはっきり一致するときだけ上げる
- 何を選んでも、これまでの経験とのつながりを1文で言えるものを選ぶ
今日やることは自分の大学で交換留学の学内選考がいつあるかと、必要なGPA・語学スコアを調べてメモすることです。
最終確認:2026年10月30日。Tierの順位は筆者の考えで、進路や選考の結果を保証するものではありません。体験談は筆者個人のもので、同じ結果を保証するものではありません。応募条件や時期は、所属大学の最新の募集要項で確認してください。
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