【大学間交換留学の教科書編集部】
交換留学を考える大学生のための、大学や留学エージェントから独立した情報サイトです。
全国の旧帝大で交換留学や海外大学院留学を経験したメンバーが、自分たちの経験と公式情報をもとに運営しています。
※この記事にはPRを含みます。
交換留学が決まると、出国前に就活の準備をどこまで進めておけばいいのか迷いますよね。
私は出国前に就活で終わらせておくのは海外へ行ってからでは再開しにくいものだけで十分だと思っています。
最終的なガクチカや志望動機まで、出発前に書き上げなくても大丈夫です。
準備は次の3つに分けると迷いません。
・出国前に確定するのは、卒業予定、帰国時期、企業ごとの応募期限、海外から使う環境です
・仮の状態で持っていくのは、志望業界、自己紹介、応募書類、質問したいことです
・留学後に完成させるのは、留学経験を使った自己PR、最終的な志望企業、面接で話す内容です
まだ起きていない留学経験を先に物語にしてしまうと、現地での行動が「就活で話しやすいこと」に引っ張られます。
一方で、帰国日や卒業予定、企業の締切は、留学しても待ってくれません。
この記事では、政府の採用日程、大学のキャリアセンター、CareerForum.Net、ビズリーチ・キャンパスの公式情報をもとに、出国前にやる6つと、やらなくていいことを分けて説明します。
1. 就活の日程
「3月から就活」という情報だけでは、予定は組めません。
政府が示している2027年度(2028年3月など)卒業・修了予定者向けの日程は、次のとおりです。
・広報活動:2027年3月1日以降
・採用選考:同年6月1日以降
・正式な内定:同年10月1日以降
ただし、一定の条件を満たす専門活用型インターンシップを経た学生は、6月より前に採用選考へ進める例外もあります。
また、この日程は企業に要請されている採用活動の原則で、学生が準備を始める日ではありません。
説明会、インターンシップ、事前登録、書類提出の時期は、企業や採用区分によって違います。
交換留学生が見ておきたいのは、次の3つを重ねた予定表です。
・政府が示す採用活動の原則日程
・応募を考えている企業・キャリアフォーラムの実際の期限
・留学先の授業、試験、寮の退去、帰国時期
慶應義塾大学は、3年生や修士1年生で留学する場合、帰国後に一から就活を始めると情報量や進み具合に差が出るので、渡航前から採用情報の収集や業界研究をするよう案内しています。
立教大学も留学前に就活日程を確認し、留学前・中・後の行動計画を立てることを挙げています。
ただ、全員が出国前から本選考の対策を詰め込む必要があるわけではありません。
2. 準備量を決める4つの質問
まず、次の4つに答えてみてください。
- 留学中に日本の大学の卒業前年度または卒業年度に入るか
- 帰国予定は受けたい企業のインターンシップや本選考より後か
- ボストンなどのキャリアフォーラムに参加する予定があるか
- 日本企業への就職を今の時点で選択肢に残しているか
1〜3のどれかが「はい」で、4も「はい」なら、この記事の6つを一通り済ませておくと安心です。
大学1〜2年生で出発し、帰国後も時間が十分にある人は、3のa・d・fを中心にした軽い準備でかまいません。
留学の時期そのものを迷っている人は、2年秋・3年春・3年秋を「卒業・就活・英語」で比べた記事を先に読んでみてください。
3. 出国前に終わらせておく6つ
a. 帰国・卒業・応募年度の一覧づくり
□ 留学先の授業開始日と最終試験日
□ 寮の退去日と帰国予定日
□ 日本の大学での学年と卒業予定年月
□ 留学先の単位が認定される時期と、卒業への影響
□ 応募の対象になる卒業年度
志望企業を決める前に、まず自分の日付を確定させます。
卒業予定年月は自分だけで判断しないでください。単位認定、必修科目、ゼミ、卒業論文の扱いは大学・学部で違うので、教務の担当とキャリアセンターの両方に聞いておくと安心です。
まだ決まっていないものは「未確定」と書き、だれにいつ確認するかまで残します。
日付が1枚にそろうと、「帰国後に間に合うかな」というぼんやりした不安が、「この企業の締切と試験期間が重なる」という確かめられる問題に変わるんです。
b. 3業界×3社の公式期限
仮の志望業界を最大3つ選び、各業界から3社ほど選びます。
ここで選ぶのは、採用時期の幅をつかむための仮の会社です。
記録するのは次の5つです。
・採用区分:本選考、仕事体験、CFNなど。募集要項が出たら更新
・期限:開始・締切・開催日。必ず公式ページで確かめ直す
・参加条件:卒業年月、専攻、語学など。年度が変わるたびに確認
・場所:オンライン、日本、現地。選考の案内が来たら更新
・次の行動:登録、書類作成、問い合わせ。日付を1つ入れる
まとめサイトの日付は参考にとどめて、最後は企業か主催者の公式ページで確認してください。
日程がまだ出ていないなら、前年の日付を今年のものとして扱わず、「次回未公表」と書いておきます。
業界の候補が出てこない人は、交換留学と相性のよい8つの業界・職種から興味のあるものを3つ選ぶだけでも大丈夫です。
c. 応募書類の0版づくり
□ 大学・学部、卒業予定年月、語学スコアなどの基本情報
□ これまで力を入れた経験を、事実だけで400〜600字程度にまとめたもの
□ なぜ交換留学に行くのか、現地で何を確かめたいのか
□ 日本語の履歴書(キャリアフォーラムを使うなら英語版も)
成果を大きく見せる必要はありません。
「自分がしたこと」と「チームや周りがしたこと」を分け、数字には出典や確認方法をメモしておくと安心です。
私は採用する側として面接をしたことがあります。個人的には、成果の大きさよりも、自分が何をしたかがはっきりしている話のほうがずっと伝わると思っています。
留学後は、0版と実際の経験を比べながら直していけば大丈夫です。
CareerForum.Netの公式ガイドによると、交換留学生は卒業する大学を先に登録し、その後に交換留学先を追加する順番です。
応募先の指定する言語に合わせて、日本語と英語のレジュメも作れます。
ボスキャリなどを考えている人は、出国前に基本情報だけでも入れておくと、現地でゼロから作らずに済みます。
d. 海外から使える環境の確認
□ 就活用のメールと大学のメールに、国外からログインできる
□ 二段階認証を渡航後も受け取れる方法にした
□ 応募書類を、端末が壊れても復元できる
□ 日本時間と現地時間を同時に確認できる
□ 大学の就職支援サイトやオンライン相談を国外から使える
□ 使うサービスの海外利用の条件を確認した
企業選びより地味ですが、出国後に困りやすいのはここです。
確認するのは、すでに登録しているサービスと、実際に使う環境だけでかまいません。
電話番号や認証方法は通信会社と各サービスの公式案内で確かめてください。「日本のSIMを残せば必ず大丈夫」とは限りません。
パスワードや本人確認書類を暗号化していないメモや共有の端末に置かないことも大切です。
筆記試験の対策をすべて出国前に終える必要もありません。
立教大学は留学中にインターネットやスマートフォンでSPI・Webテストの対策をすることを選択肢に挙げています。
受ける可能性がある形式を調べて、教材と環境だけ用意しておけば、勉強は意外と現地でも続けられるものです。
e. 社員・卒業生との1回の面談
個人的には、出国前の就活準備の中で、留学そのものにいちばん影響するのがこの一度だと思っています。
目的は内定の取り方を教わることでも、ESを添削してもらうことでもなく、留学中に何を見て、何を学ぶかの仮説を持つことです。
たとえば次のようなことを聞きます。
・若手は最初の3年間で、どんな仕事を担当するのか
・海外案件で、語学以外に必要になる力は何か
・学生時代に知っておきたかった業界の現実は何か
ほかに「同じ業界でも、会社によって意思決定や働き方はどう違うか」「交換留学中に観察できそうなことはあるか」も聞いておくと、現地で確かめる問いになります。
ただ、話を聞いた人の意見が、その会社全体の正解とは限りません。1人の話を聞いた段階では結論を出さず、現地で確かめる問いを考える材料にするのがおすすめです。
質問の例は交換留学生がOB・OG訪問で聞くべき質問15選にまとめています。
相手は、大学のキャリアセンター、ゼミやサークルの卒業生、大学公認の卒業生訪問制度など、使える接点があればそれで十分です。
興味のある人の経歴を探す段階ではLinkedInでキャリアを「線」で見る方法も使えるのでおすすめです。
身近に話を聞ける先輩がいない人は、在籍大学が対象ならビズリーチ・キャンパス
で同じ大学の卒業生を探して、オンラインで話を聞けます。
ただし、ビズリーチ・キャンパスの学生向け利用規約は日本国内での利用を原則とし、米国・カナダ・オーストラリアについて例外の条件を定めています。
交換留学生は在籍している日本の大学の枠でサービスを使う扱いです。
渡航先から使えると決めつけず、使うなら出国前に済ませてください。対象大学、規約上の注意、使わなくていい人は交換留学前にビズリーチ・キャンパスで一度だけOB・OG訪問をしておく理由で説明しています。
f. 経験メモの型づくり
留学経験は、帰国後に思い出そうとしても、出来事の順番や自分が考えていたことが抜け落ちます。
写真に場所と人は残っても、なぜその判断をしたのかまでは写りません。
メモは毎日でなくて大丈夫です。授業、グループワーク、課外活動、失敗、意見の衝突など、何かが動いた日に次の7つを残してみてください。
・場面:いつ、どこで、だれと、何をしていたか
・目的:そのとき何を実現したかったか
・制約:言語、時間、情報、意見の違いなど
・判断:選択肢の中で、なぜその行動を選んだか
・行動:自分が実際にしたこと
・結果・証拠:何が変わったか。資料や数値があれば保存
・次ならどうするか:また同じようにしたいこと、変えたいこと
立教大学も、留学中のメモには行動と結果に加えて、「なぜその行動をしたのか」「なぜその結果を目指したのか」という考えを残すよう案内しています。
就活用のきれいな文章にするのは帰国後でかまいません。現地では手を加える前の事実を残すほうを優先するのがおすすめです。
4. 出国前に終わらせなくていいこと
準備を増やしすぎないように、やらなくていいものも決めておきます。次の5つです。
・最終的な志望企業:留学で関心が変わっても問題ありません
・留学経験を使った完成版のES:経験する前に書くと、事実より筋書きが先になります
・すべてのWebテスト対策:必要な形式を絞れば、現地で続けられます
・たくさんのサービス登録:管理する連絡先と通知が増えるだけになりがちです
・留学中の予定すべて:授業の時間や現地の機会は、着いてから変わります
出国前の就活準備は、ふだんは現地での学びに集中して、必要なときに日本の就活を再開できるようにするためのものです。
個人的には、出発前の想像と現地で見たものが違ったなら、志望先は変えていいと思っています。
5. 残り時間別の優先順位
残り時間ごとの優先順位は次のとおりです。
・90日以上:6つを順番に進める。社員と話す日程も押さえる
・30〜89日:自分の日付、9社以内の期限、0版、アクセス環境、メモの型
・8〜29日:日付と環境を最優先。話を聞く相手には早めに依頼する
・7日以内:新しい対策は増やさず、ログイン・認証・データの保存だけ確認する
ビザや住居など、期限が厳しい渡航準備は就活より先にしてください。
まだ整理できていない人は、交換留学90日前からの準備を締切順にまとめた記事から始めると早いです。
まとめ
- 出国前に終わらせるのは、日付・期限・海外から使う環境など、現地では再開しにくいものだけ
- 志望業界と応募書類は仮の状態で持っていき、ガクチカや志望動機は留学後に仕上げる
- 働いている人に一度だけ話を聞き、現地で何を見るかを決めておく
今日やることは最終試験・退寮・帰国・卒業予定の4つの日付を1枚に書き出すことです。
そのうえで「現地で何を見ればいいか」を働いている人に一度聞いておくと、留学中の授業や活動の選び方まで具体的になります。
同じ大学の先輩を探すなら、ビズリーチ・キャンパスで在籍大学の卒業生を探す![]()
参考にしたサイト: 厚生労働省「大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動時期について」 / 慶應義塾大学国際センター「留学した場合の就職活動について」 / 立教大学「留学希望者・経験者」 / CareerForum.Net「Prepare in Advance」 / ビズリーチ・キャンパス「学生向け利用規約」 / ビズリーチ・キャンパス「海外大学留学生向け案内」
最終確認:2026年9月。採用日程、サービス規約、対象条件は変更されることがあります。応募時には、大学・企業・各サービスの最新公式情報を確認してください。体験談は筆者個人のもので、同じ結果を保証するものではありません。
「お気に入り」追加済みの記事


