【大学間交換留学の教科書編集部】
交換留学を考える大学生のための、大学や留学エージェントから独立した情報サイトです。
全国の旧帝大で交換留学や海外大学院留学を経験したメンバーが、自分たちの経験と公式情報をもとに運営しています。
※この記事にはPRを含みます。
「海外に関わる仕事」と聞いて浮かぶのが商社、外資系、国際機関くらい、ということもありますよね。
そんなときは、LinkedInを開く価値があります。
私もよく使っていて、自分を紹介するためだけでなく、働いている人の経歴から「そんな道もあったのか」を見つけるために開いています。
知らなかった仕事を見つけるなら、私は求人検索で職種名を拾う → その仕事をしている人の経歴をさかのぼる → 求人票で条件を確かめる、の順番で使うのが早いと思っています。
最後に、調べたことを留学・授業・就活の行動に1つ変えれば終わりです。
大学名と企業名の間にある授業、インターン、最初の仕事、転職、大学院といった途中の選択を、本人が公開している範囲で読めるのがLinkedInの面白いところです。
ただし、他人の経歴からわかるのは「こういう進路がある」という例で、自分が採用される確率ではありません。
掲載画像はPCの公開画面です。ログイン後の操作は、本文で公式案内に基づいて補足しています。アプリ・表示言語・アカウント・更新時期によって、見える項目や操作名は異なります。
1. 調べる3つの対象
いきなり何十人ものプロフィールを開くと、すごい人を眺めて終わりがちです。
個人的には、調べるものを仕事・人・条件の3つに分けると使いやすいと思っています。留学先を考えるときは、4つ目の入口として同窓生を足します。今知りたいことに合わせて、入口を選んでみてください。
・どんな仕事があるか知りたい → 求人検索、企業・組織のページで、職種名と仕事で扱うテーマを拾う
・気になる仕事に進む道を知りたい → 人物検索のExperience欄で、その前に積んでいた職務や経験を見る
・今から何を準備すればいいか知りたい → 求人本文や採用元の募集要項で、必須条件と歓迎条件を確かめる
・留学先の候補を考えたい → 大学ページの同窓生(Alumni)で、学位・在籍形態を区別して進路の実例を見る
「海外で働く」だけを条件にしないのもコツです。
日本にいながら海外事業の資金調達をする人も、現地で公共政策を調べる人も、国際物流を動かす人もいます。
働く国だけでなく、何を相手に、どんな役割を担うのかまで分けると、探す仕事が具体的になります。
2. 調べる前の設定確認
この記事の調べ方は有料契約を前提にしていません。まずは自分のアカウントで使える検索・閲覧機能を試せば十分です。
ただ、公開ページで見られる範囲とログイン後に見られる範囲は違い、無料ですべての人を無制限に検索・閲覧できるわけではありません。
a. 閲覧時の表示設定
プロフィールを見たことは、相手に表示されることがあります。
開く前に、閲覧したとき自分がどう表示されるかを確認してください。
LinkedInの公式ヘルプでは、設定とプライバシーの「公開設定/Visibility」から変えられると案内されています。名前と見出しを出す設定、属性だけを出す設定、プライベートモードの3つです。
プライベートモードでは、相手には匿名のLinkedInメンバーとして表示されます。その代わり、無料アカウントでは自分の閲覧者一覧を見る機能にも影響が出ます。
半匿名でも学校や職種などの属性が出ることがあるので、設定の説明を読んでから選んでください。
これはあくまでプロフィール閲覧の設定です。つながり申請やメッセージまで匿名になるわけではありません。
最初は読むだけにして、話を聞きたい相手が見つかってから連絡を考えるくらいでちょうどいいです。
b. よく出る英語表示5語
・People/ユーザー:その条件に関係する人
・Jobs/求人:募集されている職種と仕事内容
・Alumni/同窓生・出身メンバー:その学校に関係するメンバー
・Experience/職歴:会社、役割、雇用形態、期間、担当業務
・Education/学歴:大学、学位・プログラム、専攻、在籍期間
学校ページに出る「社員」は、同窓生とは別の集団です。大学で働く人を見たいのか、その大学で学んだ人を見たいのかで、開く場所を分けておくと安心です。
英語が苦手なら、最初は職種名、仕事内容、学位、経験年数だけ拾えば十分です。翻訳を使うときも、必須と歓迎、現在と過去、正社員とインターンのように意味が変わるところは原文で確認してください。
3. 仕事を見つける検索語
正直、「グローバルキャリア」「海外就職」では範囲が広すぎます。
最初は興味のあるテーマを1つと、役割を表す言葉を1つ選んでみてください。職種名を知るための検索なので、最初の言葉が正確でなくても大丈夫です。
検索語のたたき台は次のとおりです。
・再生可能エネルギー:Renewable Energy / Project Development(事業開発、技術、投資のどの役割か)
・インフラをお金の面から支える:Project Finance / Infrastructure Investment(融資する側、投資する側、助言する側の違い)
・国際協力の成果を確かめる:Monitoring and Evaluation / Impact Measurement(調査、データ分析、現場運営のどこを担当するか)
・制度やルールを動かす:Public Policy / Regulatory Affairs(政策調査、企業の制度対応、渉外の違い)
・医療を必要な人に届ける:Global Health / Market Access(研究、事業、政策、アクセス改善のどれか)
・国際物流や調達:Supply Chain / Procurement(計画、調達、輸送、リスク管理の違い)
・気候変動を数値で分析する:Climate Risk / Climate Analytics(金融リスク、自然科学、データ分析のどれが中心か)
・教育の国際的な仕事:International Education / Program Coordinator(留学生支援、交流事業、プログラム運営の違い)
これは検索語の例で、採用の難しさや求人の多さを示したものではありません。同じ英語でも、組織によって仕事の中身は変わります。
検索結果から気になる言葉を拾い、本文を読んで意味を確かめるところまでをセットにしておきたいところです。
a. 検索例:Project Finance
今回は求人検索に「Project Finance」、場所に「Singapore」を入れました。
シンガポールは例として選んだだけで、行き先のおすすめではありません。自分が調べたい地域に置き換えてみてください。
画面1|職種と地域を分けて指定する
①②出典:LinkedIn公開画面。2026年9月10日(日本時間)撮影。赤枠・番号は編集部による注釈です。
最初から大学名、企業名、職種、地域を全部指定すると、ほとんど何も出てこないことがあります。
まず2つくらいの条件で探し、広すぎたら1つ足す。見つからなければ1つ外す。この順で調整すると、どの条件が結果を狭めているのかがわかります。
b. 検索結果の読み方
画面2|同じ検索でも、役割と経験段階は混ざる
①②③出典:LinkedIn公開画面。2026年9月10日(日本時間)撮影。赤枠・番号は編集部による注釈です。
撮影した検索結果には、インフラ融資の信用審査、再エネのProject Finance Analyst、銀行のAVP/VPが一緒に出てきました。
「金融」のひと言の中にも、資金を集める、投融資を判断する、リスクを審査するなど、違う仕事があるとわかります。
ここでは「隣の仕事」も拾ってみてください。気になった職種名を2〜3個拾って、別々に調べ直します。たとえば「Infrastructure Credit」が気になったら、それを次の検索語にします。最初の検索で知らない言葉が増えること自体に意味があります。
実は、検索件数は求人市場の大きさとしては使えません。
同じ募集の重複、紹介会社の掲載、関連語を含む別の職種、更新されていない募集などが混ざるからです。件数も中身も日々変わるので、この記事でも比べる材料にはしていません。
c. フィルターが見当たらないとき
今回の公開画面には「フィルターはどこにありますか?」という案内があり、検索文に条件を直接書く方法が示されていました。
LinkedInの公式ヘルプでも、AIを使う求人検索への移行とフィルターの変更が説明されています。古い記事にあるボタンがなくても、操作を間違えたわけではありません。
「entry-level supply chain jobs in Singapore」のように、役割、経験段階、場所を文章で書けば探せます。それでも学生向けでない募集は混ざるので、条件に合うかは求人本文で確かめてください。
4. 人物検索の手順
職種名が少しわかったら、次はその仕事をしている人を探します。
求人票が「今、組織が求めている条件」なら、プロフィールは「ある人がこれまで通ってきた道」です。両方を読むと、肩書きだけでは見えない準備や経験が見えてきます。
手順は次の4つです。
- ログインして、検索欄に気になる職種や企業・組織の名前を入れる
- 検索結果の種類を「ユーザー/People」に切り替える
- 必要なら、学校、地域、現在・過去の勤務先などのフィルターを1つ足す
- 見つかった人のExperienceとEducationを開き、検索語がどの経験に当たるかを確認する
フィルターの名前や選べる条件は、表示環境によって違います。この手順はログイン後の公式機能に基づくもので、上の公開画面のキャプチャとは別です。
「今その仕事をしている人」を探すなら、昔の職歴や自己紹介にその言葉が入っているだけの人も混ざる点には注意が必要です。
最初の検索語と、次の絞り込みの例です。
・インフラ金融の仕事に至る道:「Project Finance」で検索し、地域、勤務先、学校を1つずつ足す
・特定の組織で働く人の前職:「International Finance Corporation」で検索し、現在の勤務先と職種を本文でも確かめる
・留学先と関心分野の接点:「Bocconi Infrastructure」で検索し、学位か交換留学かをEducationで確かめる
・政策系の仕事に関わる人:「Public Policy」で検索し、業界や組織を変えて役割の幅を見る
・自分と近い出発点の人:「自分の大学名+関心のある職種」で検索し、専攻、卒業時期、最初の職務を比べる
日本の大学や企業は日本語名と英語名の両方で試してみてください。
略称だけだと別の組織と混ざるので、見つけたプロフィールでは正式名称も確認します。「IFC」で検索して出てきた人を、全員国際金融公社の関係者だと思わないようにしてください。
a. 見つからないときの条件の外し方
「自分の大学+留学先+職種+都市」で何も出ないなら、外す順番を決めておくと迷いません。都市、留学先の順に外してみてください。
まったく同じ道をたどった先輩がいなくても、「同じ専攻からその仕事に進んだ人」「別の業界から移った人」は十分参考になります。
検索エンジンで公開プロフィールを探す方法もあります。site:linkedin.com/in/ "Project Finance" "Bocconi" のように検索します。
これは検索エンジンに登録された公開情報を探すだけで、LinkedIn全体を漏れなく探せるわけではありません。抜粋が古いこともあるので、開いた先の記載を優先しておくと安心です。
検索の上限や閲覧制限が出たら、その案内に従ってください。別のアカウントで制限をくぐったり、プロフィールを大量に集めたりする必要はありません。
手元の数例を丁寧に読み、企業の採用ページや大学のキャリア支援で補うほうが、次の行動につながります。
5. 同窓生(Alumni)から探す進路の実例
職種がまだ決まっていないなら、自分の大学や留学先の候補を入口にできます。
学校ページを開き、「同窓生」「Alumni」「出身メンバーを表示」などの項目を探してみてください。
画面3|大学ページから同窓生検索へ進む
①②出典:LinkedIn公開画面。2026年9月10日(日本時間)撮影。赤枠・番号は編集部による注釈です。
LinkedInの公式チュートリアルでは、大学名で学校ページを開き、Alumniから勤務先、居住地、仕事、専攻などで絞り込む流れが紹介されています。
表示される条件を1つ選び、関心に近い人のプロフィールに進んでみましょう。
同じ大学に関係する人でも、学部生、大学院生、交換留学生、短期プログラムの参加者では背景がまったく違います。
a. Education欄の読み分け
交換留学かどうかは、大学名だけではわかりません。
Education欄の書き方で、次のように読み分けてみてください。
・Bachelor / Master / PhD:学位の種類。取得済みか在学中か、専攻と期間も見る
・Exchange Student / Exchange Semester:交換留学として書かれているかを確かめる
・Study Abroad / Visiting Student:表現だけで交換留学と決めず、説明と期間を読む
・Summer School / Certificate:短期プログラムや証明書。学位課程とは分ける
・大学名だけで説明なし:在籍形態は「未確認」として扱う
「半年しかいないから交換留学だろう」と推測で埋めないでください。わからなければ未確認のままで大丈夫です。
交換留学の効果を考えたいのに、正規の修士課程を出た人の進路を当てはめると、比べる前提がずれてしまいます。
ある大学の出身者に特定の企業の人が多く見えても、それだけで留学先を決めるのは早すぎます。
交換留学生として取れる授業、参加できる活動、使えるキャリア支援は、受入大学の案内で別に確認してください。
応募条件の整理のしかたは、協定校リストの作り方で説明しています。
6. 経歴を読む順番
プロフィールを開いたら、大学名や企業名を眺めるより、今の仕事からさかのぼって読むのがいいと思っています。
「この人みたいになりたい」を、「この仕事の前に何をしていたのか」という問いに変えるためです。読む順番は次の5つです。
・今の仕事:役職、担当業務、国や地域。会社名ではなく、何を担当しているか
・直前の仕事:職務内容、期間、雇用形態。今の仕事と共通する業務はあるか
・最初の仕事:初期の職歴やインターン。学生から最初につながった経験は何か
・学歴・学び直し:学位、専攻、在籍時期。大学院は就職前か、働いたあとか
・書かれていないこと:理由、条件、選考の過程。プロフィールだけでは何がわからないか
職歴の期間が重なっていても、「同時に正社員で働いていた」とは限りません。インターン、パートタイム、プロジェクト契約、社内の兼務もありえます。
期間と雇用形態をセットで読み、わからないところは空欄にしておくと安心です。
a. 肩書きと担当業務
同じ「Analyst」でも、会社や部署で仕事は違います。データを集める、財務モデルを作る、顧客と調整する、規制を調べる。肩書きより、説明文の動詞に注目してみてください。
反対に、業界が違っても担当業務に共通点が見つかることがあります。
ある職歴に「企業の財務分析」、別の職歴に「事業の収益予測」とあれば、「数字で事業を評価する経験がつながっていそうだ」という仮説が立ちます。
ただ、それが採用の理由だったかは、本人か採用側に聞かないとわかりません。経歴の順番は読めても、選考の因果関係までは読めないからです。
b. 練習:架空の経歴の分解
以下は読み方を説明するための架空の例です。実在する人の経歴でも、よくある成功ルートを集計したものでもありません。
・大学時代:経済学を専攻し、1学期の交換留学。専攻と在籍形態はわかるが、留学が採用に影響したかはわからない
・卒業後1〜3年:銀行で法人向けの信用分析。財務や信用を扱った経験はあるが、案件の深さはわからない
・4〜5年目:インフラ関連の融資案件を担当。分野が近づいたが、異動の理由や条件はわからない
・その後:開発金融に関わる投資職。関心のある仕事に移ったが、語学・国籍・募集枠の条件は別に確認が要る
ここから持ち帰るのは、「同じ銀行に入れば同じ仕事に就ける」という結論ではなく、「信用分析やインフラ案件の経験は、その職種でどう評価されるのだろう」という調べるための問いです。求人票を読み、実際の仕事の話を聞いて、仮説を確かめていきます。
近い経歴ばかり集めると、最初に思いついた道を確認するだけになってしまいます。最初は3〜5例を目安に、関連業界から来た人、別分野から移った人、大学院を挟んだ人など、違いのある例を探してみてください。この人数は作業の区切りで、統計的な代表性を保証するものではありません。
c. よくある5つの読み違い
経歴は成功の確率を示しません。よくある読み違いと、代わりに確かめることは次の5つです。
・「この大学の人が多いから、自分も入りやすい」:公開メンバーや検索結果は卒業生全体ではない。学位・専攻・職歴と実際の応募条件を見る
・「この順に転職すれば同じ仕事に就ける」:順番だけでは採用理由や条件はわからない。仕事内容の共通点と採用元の要件を見る
・「同じ大学名だから、自分と同じ留学経験」:正規課程・交換・短期が混ざっている。Educationのプログラム名と説明を見る
・「この人が海外で働けたから、自分もできる」:国籍や就労資格はわからないことがある。自分に当てはまる公的な条件と採用元の対応を見る
・「検索に出ないから、その道はない」:未登録、非公開、表記の違いがある。大学の窓口、企業の社員紹介、公開講演など別の情報源も使う
プロフィールは本人が書いたもので、すべてが第三者に確認されているわけではありません。書かれていない空白や失敗もあります。
華やかな経歴ばかり見て「これが普通」と思うと、自分の判断が苦しくなってしまいます。
個人的には、遠い将来に憧れる人と、今の自分より一段先で試行錯誤している人を分けて探すのがおすすめです。前者からは選択肢を広げるヒントを、後者からは今週できる行動のヒントをもらえるので、見比べて疲れることが減ります。
7. 求人票の読み方
経歴を読んだら、その職種の求人に戻りましょう。同じ言葉でも、国、組織、経験段階が変われば求められるものは変わります。
学生向けの募集と、数年後に目指したい仕事の募集は、混ぜずに読むのがおすすめです。
・Internship / Graduate / Entry-levelなど:今応募できるかを調べる。ラベルだけで決めず、在学・卒業時期や経験の要件を確かめる
・経験者向けの職種:将来どんな経験を積みたいかを考える。書かれた実務年数を、学生時代の資格で代わりにできるとは思わない
・管理職・専門責任者など:その分野で担う責任を知る。上位職の要件を、新卒全員に必要な条件だと広げない
a. 実例:Analystの求人票
今回開いたAmbition掲載の「Project Finance Analyst (Renewable Energy)」では、本文にプロジェクトファイナンスなどの関連経験を5〜10年求める記載がありました。
肩書きのAnalystだけを見て、学生や新卒向けとは決められない例です。
この募集は人材紹介会社による掲載で、採用企業は本文だけでは特定できません。掲載元のAmbitionを就職先としてメモするのも違います。仕事内容、経験の要件、採用元がどこまで書かれているかを分けて読んでみてください。
ここから言えるのは「Analystは全部経験者採用」ではなく、同じ肩書きでも本文を開くまで応募条件はわからないということです。
募集は終了・変更されるので、この例は応募を勧めるものではなく、読み方の教材として紹介しています。
実例の出典:LinkedIn掲載の求人票(Ambition)。2026年9月10日(日本時間)確認。
b. 求人本文のメモ
□ 仕事内容:何を分析・作成・調整・運営するか。会社の事業紹介と自分の担当業務を混ぜていないか
□ 必須条件:学位、専攻、経験年数、言語など。required / must / minimum とある条件は何か
□ 歓迎条件:あると望ましい経験・資格。preferred / advantage を必須と読み違えていないか
□ 働く条件:勤務地、契約期間、勤務形態、入社時期。留学の授業や試験の日程と両立できるか
□ 応募できるかの確認事項:就労資格、スポンサーの記載、学生区分。書いていない条件を「不要」と扱っていないか
「英語ができる」も、読む、書く、顧客と交渉するでは必要な場面が違います。求人の中身を具体的に読むと、英語の勉強のしかたも変えられます。
現地語や就労資格が判断できないときは、採用元の最新の案内と公的な情報で確認してください。プロフィールから他人の国籍や在留資格を推測する必要はありません。
同じ職種を比べるなら、まず国と経験段階をそろえた数件を読みます。若手向けの英国の求人とシンガポールの部門責任者の募集を一緒に数えても、「この職種は修士必須」とは決められません。
8. 留学・授業・就活への生かし方
ここまで来たら、いったんLinkedInを閉じてみてください。
次にやるのは、見る人を増やすことより、気になった仕事と自分の経験を照らし合わせることです。たとえば次のように試せます。
・財務分析や事業評価が気になった → 会計・ファイナンスの授業や企業分析の課題で、数字を扱う作業が面白いかを確かめる
・政策調査の仕事を知った → 政策・統計・地域研究の授業で短いレポートを書き、問いと根拠を立てられるかを確かめる
・国際物流・調達が気になった → 関連の授業、企業説明会、OB・OG訪問で、分析と社内外の調整のどちらに興味が強いかを確かめる
・調整の多い仕事だった → 多国籍のグループ課題や学生団体で役割を持ち、意見の違う相手と合意する経験を積む
・現地の制度や産業の知識が要りそうだった → 地域の公開講演、企業イベント、関連科目を調べ、交換留学生でも参加できるかを確かめる
再エネ金融に興味を持ったからといって、すぐに資格をいくつも申し込まなくても大丈夫です。
関連する授業を1つ受ける、公開資料を読んで事業の収入と費用を書き出す、実務家に仕事内容を聞く。小さく試すほうが、自分に合うかを確かめやすいです。
大学1・2年生でも使う意味はあります。仕事の種類を知ってから授業や留学を選べるからです。進め方は大学1・2年生の就活準備で説明しています。
留学先も、卒業生の就職先だけで選ばないようにしたいところです。
学びたい科目を交換留学生が履修できるか、希望の学期に開講されるか、現地の活動に参加できるかまで見て、初めて「自分が使える機会」になります。
学内選考の志望理由にもつながります。「国際的な視野を広げたい」で終えるより、「関心のある仕事を調べるうちに、この分野の勉強が必要だと考えた。だからこの授業と活動に取り組みたい」と書くほうが、選んだ理由が伝わります。志望理由書の構成と具体例も参考にしてみてください。
9. 調査メモのひな形
プロフィールを丸ごと保存するより、進路を考えるのに必要なことを自分の言葉で短く書くのがおすすめです。
特に、公開情報に書かれていたこと、自分の推測、まだわからないことを分けておくと、あとで思い込みを直せます。コピーして使えるひな形です。
今回知りたいこと:
気になった職種・組織:
根拠のURL・確認日:
公開情報に書かれていたこと:
自分が考えた仮説:
分からないこと・条件の違い:
今週試すこと:
記入例(架空)は次のとおりです。
・今回知りたいこと:インフラ金融に関わる仕事には、どんな初期経験があるのか
・職種・分野:プロジェクトファイナンス/インフラ
・根拠:プロフィールURL、求人URL、確認日を自分用に記録
・書かれていたこと:銀行で信用分析、その後インフラ分野の融資を担当
・仮説:事業を財務面から評価する経験が関係していそう
・わからないこと:異動の理由、担当案件、採用時に評価された経験。既存の職歴や学位など、自分との条件の違い
・次にすること:関連する若手向けの求人を2件読む/仕事の話を聞ける場を探す
「すごい」「自分には無理」でメモを終わらせず、「どういう仕事なのか」「何を確かめれば判断できるのか」まで書いておくのがおすすめです。経歴は自分の順位づけより、次の質問を作る材料にしたほうが役に立ちます。
AIに整理を手伝ってもらうなら、まず自分で事実を短くメモし、個人が特定できる情報を外して、仕事の言葉を理解する補助として使ってください。たとえば「信用分析と事業開発では、日常業務にどんな違いがあるか」と聞く使い方です。他人のプロフィールを丸ごと渡す必要はありませんし、AIが推測した転職理由を本人の事実として扱わないでください。
a. 初回30分の時間配分
登録や設定を済ませたら、次の時間配分で試すのがおすすめです。
・最初の5分:関心のあるテーマを1つ選び、職種と地域で検索する。初めて知った職種を1つ残す
・次の10分:人物検索か同窓生から、近い経歴を2〜3例読む。職歴と学歴に書かれていたことを残す
・次の10分:関連する求人を1〜2件読み、本文の要件を確認する。必須条件と、まだわからない条件を残す
・最後の5分:調査メモを埋める。確かめたい仮説と、今週やることを残す
見つからなければ、条件を1つ外す、英語表記に変える、大学のキャリア支援に相談するなど、次の調べ方を決めれば前に進めます。
逆に面白い経歴が次々に見つかっても、時間が来たらいったん止めて、自分の行動につなげたいところです。
10. 本人・実務家への質問
経歴を読んでも、その仕事を選んだ理由、大変なところ、異動の実態、学生時代にやっておけばよかったことはわかりません。
疑問が具体的になったら、OB・OG訪問、公開イベント、LinkedInで話を聞くことを考えてみてください。聞きたいことの例です。
・どの仕事を経験したか → その仕事を選んだ理由と、入ってからのギャップ
・いつ職種や組織を変えたか → 変えるときに難しかったこと
・どの分野を学んだか → 仕事に結びついた学びと、あとから学び直したこと
・交換留学の記載がある → 留学中のどの活動が、その後の判断に影響したか
最初の連絡では、自分の立場、連絡した理由、聞きたいことを短くまとめます。公開情報を読んだうえで質問を1つに絞ると、相手も答えやすくなります。
はじめまして。大学で経済学を学んでいる学生です。信用分析からインフラ関連のお仕事へ進まれたご経歴を拝見しました。差し支えなければ、初期の実務経験のうち、現在のお仕事で特に役立っているものを一つ伺えますでしょうか。
文面は例なので、自分と相手の経歴に合わせて書き換えてください。送信画面の文字数や利用条件も確認が要ります。
つながりの有無やアカウントによって、使える連絡方法は違います。メッセージや招待の上限は固定の回数で覚えるより、今の画面の案内に従うほうが確実です。
返信は当たり前ではありません。経歴を公開していても、個別の相談を受ける義務はないからです。返事がなくても何度も催促せず、返事をもらえたらお礼を伝えてください。実際にやってみたことをあとで短く報告できると、自分の学びの整理にもなります。
LinkedInはキャリアの実例を探すのに向いています。一方、在籍大学の卒業生に日本語で話を聞きたい場合は、同じ大学出身の先輩に話を聞けるOB/OG訪問ネットワーク「ビズリーチ・キャンパス」
も選択肢です。
対象大学などの利用条件は先に確認してください。使い方は交換留学前にOB・OG訪問をする理由と使い方、聞く内容に迷ったらOB・OG訪問で聞きたい質問にまとめています。
11. 自分のプロフィールの整え方
留学前に自分のプロフィールを整えておくと、授業やイベントで知り合った人と、その後の仕事や進学の話をしやすくなります。
Instagramでつながるのと同じように、仕事や勉強を中心に近況を知り合う接点だと考えてみてください。書いておくのは次の4つです。
□ 名前・自己紹介:相手が思い出せる表記と、学んでいる分野
□ Education:所属大学、専攻、在籍期間。交換留学は学位課程と分けて書く
□ Experience:インターンやアルバイトの役割と、実際に担当したこと
□ 活動・スキル:授業のプロジェクト、学生団体、説明できる範囲の技能
交換留学がまだ予定の段階なら、確定していることと、まだ始まっていないことがわかる書き方にしてください。学位を取る予定がないのに、留学先の学士・修士課程を修了したように見える書き方は避けます。
実績が少なくても、大きく見せなくてかまいません。「グローバル人材」と書くより、学んでいるテーマや関心のある仕事、担当した作業を短く書くほうが、会話のきっかけになります。
応募書類と中身をそろえるときは、交換留学用の英語CVの書き方も使えます。
まとめ
- 求人検索で職種名を拾い、その仕事をしている人の経歴を「現在 → 直前 → 最初」の順に読む
- 経歴は進路の例で、採用確率ではない。条件は求人本文で確かめる
- 見つけた仕事は、授業・留学・志望理由で試せる行動に1つ変える
見つけた経歴をそのまま正解にする必要はありません。私は、仕事の中身を知り、条件の違いを確かめ、自分が試せる経験を1つ選ぶところまでやって初めて、キャリアを調べた意味が出てくると思っています。
国際的な仕事の全体像を見たいなら、グローバルキャリアのガイドから読んでみてください。金融と国際協力の接点に興味を持ったなら、IFC(国際金融公社)の仕事も調べる対象になります。
今日やることは興味のあるテーマを1つ選んで求人検索に職種と地域を入れ、初めて知った職種名を1つメモすることです。
最初の職歴や自己理解を、これからの選択肢にどうつなげるかは、就活をガチるメリットで書いています。
参考にしたサイト: LinkedIn Jobs / LinkedIn・Università Bocconi / LinkedIn公式・Alumni機能のチュートリアル / LinkedIn Help・プロフィール閲覧時の表示 / LinkedIn Help・AIを使う求人検索 / LinkedIn求人票・Ambitionの掲載例
画面・公式案内の確認日:2026年9月10日(日本時間)。検索結果、求人の募集状況、表示名、無料・有料機能の範囲は変わります。スクリーンショットは撮影時の公開画面であり、人物の経歴や採用確率を集計したものではありません。LinkedInの使い方の感想は筆者個人のものです。
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