交換留学生がOB・OG訪問で聞くべき質問15選|留学経験を企業研究・志望動機につなげる

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【大学間交換留学の教科書編集部】

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OB・OG訪問の質問をネットで調べると、何十個も出てきて迷いますよね。
ただ、30分の面談でネットに出てくる何十個もの質問は聞けません。
私は、交換留学生のOB・OG訪問は今の時期に合う5問から、当日聞く3問を選ぶだけで十分だと考えています。

交換留学生は、時期によって面談の目的が変わります。
・留学前:現地で見るものを決める。持ち帰るのは、観察する市場・働き方・課題
・留学中・帰国前:現地で持った仮説を確かめる。持ち帰るのは、仮説の範囲、反例、次の確認先
・帰国後:企業と仕事を比べる。持ち帰るのは、比較の軸と、志望理由のうちその会社にしかない部分

この記事では、大学のキャリアセンターと厚生労働省の情報をもとに、15問をこの3つの時期に分けました。
すでに帰国している人は、4の「帰国後に聞く5問」から読めば大丈夫です!

1. 当日聞く3問の選び方

東京外国語大学は、OB・OG訪問では会社案内や公式サイトだけでは分かりにくい仕事内容や職場の様子を知ることができる一方、訪問しなければ内定が得られないわけではないと案内しています。
神戸大学も、基本的な企業情報を事前に調べ、知りたいことを質問ノートにまとめるよう勧めています。
つまり面談は公開情報では判断できない仕事の具体例を聞き、次に確かめる問いを持ち帰る場です。聞いた話は参考にとどめて、選考での答えは自分で考えるのがおすすめです。

相手の経歴と、自分が次に決めたいことに合わせて、主な質問を3つに絞ります。残りは話が早く進んだときの予備にします。
選ぶときに気をつけたいのは次の3つです。

  1. 公式サイトでわかる事業、職種、採用条件、公開済みの制度は、先に調べておく
  2. 「私はこう理解したのですが、実際はどうですか」と自分の仮説を1文添える。ずれを直してもらいやすくなります
  3. 「最近の例」「どの部署」「ご自身が見た範囲」を添えて、1人の経験を会社全体に広げない

a. そのまま聞かないほうがいい質問

次の5つは、聞き方を変えるだけで答えが具体的になります。

・「御社は何をしている会社ですか」:公開情報でわかるので、「○○事業の中で、若手はどの工程を担当しますか」と聞く
・「社風はいいですか」:言葉が広くて比べにくいので、「最近、意見が割れた会議では、誰が何を基準に決めましたか」と聞く
・「留学経験は有利ですか」:有利・不利では仕事がわからないので、「海外経験が役立つ場面と、役立たない場面を1つずつ教えてください」と聞く
・「選考の正解を教えてください」:相手の経験と今の選考が同じとは限らないので、選考方法は公式情報で確認し、面談では実際の仕事を聞く
・「別の社員を紹介してください」:初回から紹介を前提にすると負担になるので、「理解が偏らないように、次はどの職種や資料を確認すべきですか」と聞く

未公表の案件、顧客名、選考情報を求める質問もしません。
答えにくそうなら、公開できる範囲の一般的な例に切り替えてみてください。

2. 留学前に聞く5問

留学前の面談の目的は現地で見るものを決めることです。
慶應義塾大学は、海外留学中は対面でのOB・OG訪問などの機会が限られるので、興味があれば渡航前にするよう案内しています。
個人的には、出発前の面談は企業を決めるためより、留学中の授業や日常で観察できるものを増やすために使うのがおすすめです。

  1. 入社後3年ほどの若手は、どんな仕事と判断を任されますか。最近の例で教えてください。
    職種名だけでなく顧客、社内調整、資料作成、意思決定のどこまでを担うかを聞きます。
  2. 海外の顧客やチームと仕事をするとき、語学以外の違いで進みにくくなった場面はありますか。
    期限、品質、権限、合意の取り方など、現地で観察できる違いを見つけます。
  3. 私が滞在する国・地域で、今後の仕事に関係して見ておくとよい変化は何ですか。
    市場、生活者、技術、制度などに分け、公開情報で追えるものを1つ決めます。
  4. 国やチームによって、会議や意思決定の進め方が違った具体例はありますか。
    場面と関係者をしぼって、具体的な経験を聞きます。
  5. 今の仕事を振り返って、学生時代に学ぶか観察しておけばよかったことは何ですか。なぜそう思いますか。
    相手の後悔をそのまま自分の宿題にせず、理由が自分の関心にも当てはまるか考えます。

相手は大学のキャリアセンターやゼミの卒業生など、身近な接点で見つかればそれで十分です。
同じ大学の先輩が身近にいない人は、在籍大学が対象ならビズリーチ・キャンパスで卒業生を探して、オンラインで話を聞けます。
ただし学生向け利用規約は日本国内での利用が原則なので、使うなら出国前に済ませてください。対象大学や注意点は交換留学前にビズリーチ・キャンパスを使う理由と注意点にまとめています。

出発前の就活準備の全体がまだなら、交換留学前に終わらせたい就活準備6つで、日程・応募書類・海外からのアクセス環境を先に確認しておくと安心です。
この記事はその中の「一度話す」を実行するための続きです。

3. 留学中・帰国前に聞く5問

留学中・帰国前は現地で持った仮説を確かめる時期です。
ふわっとした質問より、授業、グループワーク、生活、市場観察で起きた場面を1つ持ち込みます。
長く説明せず、「何を見たか」「どう解釈したか」「仕事でも起きるか」の順に30秒ほどでまとめると、相手が答えやすくなります。

  1. 留学先で○○という場面を見て、私は△△が原因だと考えました。似たことは仕事でも起きますか。
    自分の解釈を結論にせず、似ている点と違う点を聞きます。
  2. 前提の違うメンバーが対立したとき、誰が、どんな根拠で決めますか。
    「多様性がある」で終わらせず、議論から決定までの仕組みを確認します。
  3. この国・地域の顧客行動や商習慣について、仕事で特に意識する点はありますか。
    相手が関わった地域と職務の範囲を確認し、未公表の情報は求めません。
  4. 私が経験した○○は、どの職種なら使う場面があり、どの職種ではあまり使いませんか。
    海外経験を生かせる場面を、具体的な仕事の単位で確かめます。
  5. 私の見方を早合点にしないために、次に何を観察し、どの資料を確認すべきですか。
    反例と追加の情報を持ち帰り、一度の経験を国や文化全体に広げないようにします。

現地から話す相手を探すときも、大学の制度やサービスの利用条件は確認しておいてください。
日本国内での利用を原則にしているサービスもあるので、「オンラインなら世界中から使える」とは限りません。

4. 帰国後に聞く5問

帰国後の目的は聞いた話を企業比較と志望動機に変えることです。
面談を「留学経験を評価してもらう場」にしないほうが、使える情報が増えます。
自分の話は短くして、入社後の仕事、会社ごとの差、合わない可能性まで聞いてみてください。

  1. この経験に近い力を使う仕事はありますか。新卒でそこへ関わる前に、何を身につける必要がありますか。
    最初の配属と、身につける順番を確認します。
  2. 同業他社と比べたとき、顧客との関わり方、意思決定、海外展開のどこに違いがありますか。
    相手が実際に経験した場面か、公開情報で確認できる事実を1つ添えてもらいます。
  3. 海外経験があっても、この仕事や会社で苦労しやすいのはどんな人ですか。
    活躍する人の例だけでなく期待とのずれや向かない条件も聞きます。
  4. 私の留学中の話から、仕事で再現できそうな行動と、まだ根拠が足りない部分はどこですか。
    文章の添削を頼むより、何が事実として伝わり、どこが飛躍しているかを確認します。
  5. 今日の話を1人の見方で終わらせないために、次はどの職種・立場・公式資料を確認すべきですか。
    紹介は求めず、次に調べる先を教えてもらいます。

15問の中で迷ったら、11・13・15から始めるのがおすすめです。
使える場面、準備が必要なこと、合わない可能性、次の確認先までそろいます。

5. 相手の探し方と依頼・お礼の文面

相手を探すのに、有料のサービスやアフィリエイトの対象になっているサービスを使わなくても大丈夫です!
次の順で、すでに使える接点を確かめてみてください。

  1. 大学のキャリアセンター、同窓会、公認の卒業生名簿
  2. 企業の公式イベント、採用担当が案内する社員訪問
  3. ゼミ、研究室、部活、サークルの卒業生
  4. 対象者を探すための外部サービス

大学の制度で希望する職種の人が見つかるなら、それで大丈夫です。
経歴の選択肢を調べるだけなら、LinkedInで先輩のキャリアを線で見る方法も使えます。
外部サービスを使う場合も、登録すること自体を目的にせず、今回聞きたい3問に合う相手がいるかで判断するのがおすすめです。

神戸大学と東京外国語大学の案内では、依頼のときに所属・氏名、連絡先を知った経緯、訪問の目的を伝え、相手の都合を聞くことが示されています。
海外から依頼するなら、日本時間と現地時間を並べて書いておくと、行き違いが減って安心です。

a. 依頼メール

件名:OB・OG訪問のお願い(○○大学・氏名)

○○様
突然のご連絡失礼いたします。○○大学○○学部の[氏名]と申します。
[大学の名簿/公式サービス名]で○○様のご経歴を拝見し、ご連絡しました。

私は現在[交換留学の予定/留学中/帰国後]で、[確認した公式情報]を踏まえ、
[知りたい職種・仕事]について実際の業務を伺いたいと考えています。
特に、[面談で判断したいことを一文]をお聞きしたいです。

オンラインで30分ほど、お時間をいただくことは可能でしょうか。
候補:○月○日 ○:○○〜(日本時間/現地時間)
   ○月○日 ○:○○〜(日本時間/現地時間)
   ○月○日 ○:○○〜(日本時間/現地時間)
難しい場合は、上記以外でも○○様のご都合に合わせます。

お忙しいところ恐れ入ります。ご検討いただけますと幸いです。
署名:大学/学部/氏名/大学メールアドレス

候補の日時は曜日まで確認してください。返信がなくても、続けて何通も送るのは避けます。
サービス側に連絡手段や再連絡のルールがあるなら、そちらを優先してください。

b. お礼メール

件名:本日のOB・OG訪問のお礼(○○大学・氏名)

○○様
本日はお時間をいただき、ありがとうございました。
特に[具体的に学んだ一つ]のお話から、私の[以前の仮説]は
[どう変わったか]と理解しました。

まずは[次に行う観察/確認]を行い、企業研究を深めます。
貴重なお話をありがとうございました。ご返信には及びません。

「勉強になりました」だけで終わらせず、何を学び、次に何をするかを1つ書いてみてください。
東京外国語大学も、訪問後は時間をあけずに、参考になった点や興味を持った点を添えてお礼を送るよう案内しています。

6. 30分の面談の進め方

東京外国語大学は、面談を基本的に1時間以内で終えるよう案内しています。
ここでの30分は公式のルールではなく、授業や時差と両立しやすく、相手にも頼みやすい長さとして、このブログで決めたものです。

・0〜3分:自己紹介と目的。「今日は○○職の実際と、留学中に観察する点を伺いたいです」
・3〜8分:相手の担当範囲。「現在の部署、役割、関わった地域を伺えますか」
・8〜23分:主な質問3つ。答えごとに「最近の例」「どの範囲」を一度だけ深掘りする
・23〜27分:理解を要約して確認。「私の理解は○○ですが、ずれている点はありますか」
・27〜30分:次の確認先とお礼。「次に見るべき職種や公式資料があれば教えてください」

時間が押したら、予備の質問は削ってかまいません。
個人的には、最後の要約確認だけは削らないでほしいと思っています。聞き違いや、自分に都合のいい解釈をその場で直せます。

7. 面談メモの書き方

OB・OGの話は貴重ですが、そのまま「会社の事実」にはなりません。聞いた内容は次の4つに分けて残します。

・確認できた事実:担当した業務、時期、制度、数値など。できれば公式資料でも確認する
・本人の見方:やりがい、社内の雰囲気、難しさなど、その人の経験と評価
・自分の推測:「この会社は自分に合う」「海外経験が使える」など、自分が加えた解釈
・次に確認すること:別の職種、採用担当、統合報告書、採用ページなど

面談メモは次の形でそのまま使えます。

【面談の目的】今日、何を決めるか:
【事前確認】公式サイトで確認したこと:
【相手の範囲】部署/職種/役割/在籍年数/関わった地域:

【質問1】
・回答の要旨:
・具体例(いつ/どの部署/どんな状況):
・分類:確認できた事実/本人の見方/自分の推測
・次に確認すること:

【質問2】同じ4項目
【質問3】同じ4項目

【面談後】
・変わった仮説:
・会社を比べる軸:
・留学先で観察すること:
・応募前に確認すること/確認日:

メモには必要以上の個人情報や私的な話を残さないでください。
社外秘に見える内容は選考書類やSNSに書かず、わからなければ相手か企業の公式窓口に確認します。
話を記事や投稿で公開したいときは、別にはっきりした許可が必要です。

8. 企業比較と志望動機へのつなげ方

面談のあとに「社員さんが親切だった」で終わると、企業研究には使いにくくなってしまいます。
人柄の印象と、仕事・組織の情報を分けて、同じ軸で別の企業や職種も確かめてみてください。

比べる軸は次の5つです。
・若手の担当範囲:例と、話した人の部署。採用ページなどでも確認する
・顧客との距離:誰と何を決めるか。職種による差を確認する
・意思決定:根拠、関係者、速さ。1人の印象ではないか確認する
・海外との関わり:地域、役割、時期。配属の保証とは分けて考える
・合わない条件:苦労しやすい場面。自分の優先順位と照らし合わせる

話した人の部署や役割が違えば、答えが違うのは自然です。答えを平均するより、「どの条件で違いが出たか」を残すほうが役に立ちます。

志望動機にするときは、留学経験と企業の話をいきなり「だから御社を志望します」で結ぶと飛躍します。次の順に並べてみてください。

  1. 留学先で見た事実:いつ、誰と、何が起きたか
  2. 自分の判断と行動:何を基準に、何をしたか
  3. 仕事で大切にしたいこと:その経験から得た、自分の選ぶ軸
  4. その会社ならではの仕事・仕組み:OB・OGの具体例と公式情報の両方で確認
  5. 残る確認事項:配属、役割、実現の条件などを面接でも確認

たとえば「多国籍チームで調整力を身につけた」だけでは、どの会社にも当てはまります。
「意見が割れた場面で、評価基準を文章にして合意を取り直した。だから、複数の前提をそろえて意思決定する仕事を選びたい。企業Aでは○○職が顧客と開発の間でその役割を担うと聞き、公式の職種説明でも確認した」という順なら、経験と会社の接点が見えます。
私が採用する側として面接をしたときは、この4つ目の「その会社ならでは」の部分があるかどうかで、志望動機の伝わり方はかなり変わると感じました。

会社にしかない仕事や仕組みを確認できていなければ、志望動機はまだ途中です。
留学経験そのものを自己PRにする方法は、海外経験を新卒就活で伝えるための記事で、事実の切り出し方から説明しています。

9. 面談前に決める安全対策

東京外国語大学は、対面なら場所は社内施設、時間は平日19時まで、飲食、特に飲酒を伴う訪問は避け、携帯番号やLINEなどの個人情報を安易に教えないよう案内しています。
所属大学にルールがあれば、そちらにも従ってください。

決めておくことは次の5つです。
・大学、企業、利用サービスが把握できる連絡経路を使う
・対面なら社内施設など、目的のはっきりした場所と時間を選ぶ
・私的な食事、飲酒、個人の連絡先への移行は断っていいと決めておく
・不安を感じたら退出し、記録を保存して大学やサービスの窓口に相談する
・オンラインでも、私的な要求や不適切な言動を我慢しない

厚生労働省は、求職活動等には社員への訪問やオンラインでの活動も含まれると説明しています。
求職者等へのセクシュアルハラスメント防止措置を事業主の義務とする改正法は、2026年10月1日施行です。
性的な要求やしつこい私的な誘いは選考のために受け入れるものではありません。迷った時点で相談してかまいません。

まとめ

  • 留学前は現地で観察するもの、留学中・帰国前は仮説の範囲と反例、帰国後は会社ごとの差と合わない可能性を聞く
  • 当日は今の時期の5問から目的に合う3問を使う
  • 回答は事実・本人の見方・自分の推測・次の確認の4つに分けて残す

今日やることはこの記事の15問から3問を選び、面談メモの「今日、何を決めるか」を1文だけ埋めることです。
質問が具体的になれば、相手選びも依頼文も自然に絞れます。

話を聞く相手がまだ決まっていない人は、出国前に同じ大学の先輩を1人探しておくと安心です。
ビズリーチ・キャンパスで同じ大学の先輩を探す


参考にしたサイト: 神戸大学キャリアセンター「OB・OG訪問について」 / 慶應義塾大学「留学予定・経験者の方へ」 / 東京外国語大学「OB・OG訪問の際の注意事項」 / 厚生労働省「あかるい職場応援団|求職者等に対するセクシュアルハラスメントとは」 / ビズリーチ・キャンパス「学生向け利用規約」

最終確認:2026年9月。大学の訪問ルール、法令、サービス規約・対象条件は変更されることがあります。実施時には、所属大学、企業、利用サービスの最新公式情報を確認してください。この記事の15問、30分構成、面談メモは、一次情報を踏まえて本ブログが設計したものであり、各機関の公式テンプレートではありません。体験談は筆者個人のもので、同じ結果を保証するものではありません。