【大学間交換留学の教科書編集部】
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留学したいと思ったとき、奨学金はいつから探せばいいのか迷いますよね。
留学の奨学金は、留学先が決まるのを待たずに、出発の12〜18か月前から探し始めてください。
最初に相談するのは所属大学で、遅くとも12か月前には相談しておくと間に合いやすいです。
募集が年1回の制度が多く、留学開始の1年以上前に締め切る制度もあるため、JASSOも早めに情報を集めるよう案内しています。
12〜18か月前というのは全国共通の締切ではなく、年1回の募集、語学試験、推薦状、学内選考を取りこぼさないための、この記事の目安です。
時期ごとにやることは次の5段階です。
・18〜12か月前:留学の形、国、期間、予算を決め、大学内の制度を確認する
・12〜9か月前:語学試験、成績、候補の制度、推薦者をそろえる
・9〜6か月前:学内選考と奨学金の応募を並行し、志望理由・計画書を仕上げる
・6〜3か月前:面接、採用手続き、併給の確認、留学先の受入手続きを進める
・3か月前〜出発:ビザ、航空券、保険、寮、出発前のお金を確定する
ここでいう「1年前」は、募集が始まったらすぐ出せるように、語学スコア、成績証明、計画書の材料、推薦を頼む先をそろえておく時期のことです。
実際の締切は留学の形と制度で大きく違うので、1つずつ確認してください。
1. 奨学金の締切の早さ
奨学金の締切は留学開始の1年以上前に来ることもあります。
応募してすぐに結果が出るものばかりではありません。
日本で募集される制度の多くは、渡航前に応募することが前提です。
海外大学で学位を取るための奨学金は特に早く動きます。
たとえばJASSOの2027年度学部学位取得型は、2026年7月16日に募集書類が公開され、エントリーは9月24日13時、応募書類は10月1日13時が締切です。面接は2027年1月、採否は3月上旬の予定です。
2027年4月〜2028年3月に留学を始める人が、前の年の夏には応募書類を作っている計算です。
交換留学の場合も、早めに動いておきたいところです。
大学推薦の奨学金では、推薦者への依頼、学内選考、押印、書類の修正に時間がかかるため、財団の締切より前に学内の締切があります。
2. 18〜12か月前:計画と費用の整理
最初に、自分の計画を奨学金の検索に使える形にしてみましょう。
決めることは次の6つです。
・交換留学、認定留学、休学留学、短期研修、学位取得のどれか
・出発予定月と帰国予定月
・国・地域と候補の大学
・授業の履修、研究、実習、インターンなどの活動
・所属大学と留学先に払う授業料
・家賃、食費、航空券、保険、ビザを含めたおおよその費用
留学先がまだ決まっていなくても、候補の国、期間、留学の形、活動内容がわかれば制度は絞れるので大丈夫です!
交換協定で留学先の授業料が不徴収になる場合でも、所属大学の授業料や海外での生活費は残ってしまいます。
「総費用」「家族の支援・自己資金」「足りない額」を先に出しておくと、いくら奨学金が要るのかがわかります。
a. 所属大学に聞くこと
□ 交換留学の募集時期と学内締切
□ 大学独自の予約採用型の奨学金があるか
□ JASSO協定派遣の学生募集はいつか
□ 大学推薦の民間財団は何月ごろ募集があるか
□ 前年の募集一覧を見られるか
□ 学部・研究科独自の助成があるか
どこで、どの順番で制度を探すかは交換留学の奨学金の探し方にまとめました。
3. 12〜9か月前:語学・成績・推薦者
募集が出てからでは用意しにくいのが、語学の証明、成績、推薦状の3つです。
この3つは前倒しで準備してください。
a. 語学試験の日程
交換留学の応募と奨学金の両方で、語学スコアが必要になることがあります。
東京大学の全学交換留学の募集要項でも、協定校が語学基準を定めている場合は語学能力証明書類が必要で、学内選考を通った後に基準を満たせず留学できなくなる学生が例年一定数いるとして、早い段階からの学習を求めています。
目標点に届かないこと、公式スコアの発行にかかる時間、有効期限を考えて、締切直前の1回には賭けないでください。
b. 成績の準備
成績は直前には作れません。
GPAや成績評価係数を要件にする制度もあるからです。
応募前の数週間で大きく変えることはできないので、履修を落とさないこと、必要な単位を取ること、成績の発表日と証明書の発行日を確認することの3つが準備になります。
c. 推薦状の依頼時期
推薦状や所見は頼んでから提出されるまで時間がかかります。
東京大学のUSTEPの案内では、秋募集の締切が夏休み明けの前後になるため、休みに入る前の学期中に教員の了承を得ることが勧められています。
休業期間や試験期間と重なることもあるので、制度を見つけた時点で了承をもらい、様式が出たらすぐ正式に頼める状態にしておくと安心です。
頼むときは、締切、募集要項、提出方法、留学の目的、候補校、成績表、下書き、推薦者が答える設問をまとめて渡すと、相手も書きやすくなります。
推薦者がオンラインで直接出すのか、厳封した書類を大学に出すのかも確認しておくと安心です。
4. 9〜6か月前:学内選考と奨学金の並行
この時期は、交換留学の学内選考、大学独自の奨学金、JASSO協定派遣、民間財団が重なることがあります。
1つの結果を待ってから次に進むと間に合わないので、条件が許す限り並行して準備してください。
早稲田大学の例では、留学プログラムに応募する前に募集する予約採用型の学内奨学金があり、中・長期留学では春募集向けが2〜3月頃、秋募集向けが7〜8月頃です。
一方、留学プログラム参加者向けの学内奨学金・JASSO協定派遣は、夏・秋出発向けが5月頃、春出発向けが11月頃と案内されています。
全国共通の日程ではありませんが、留学に応募する前の奨学金と、派遣が決まった後の奨学金は別々に動くことがわかります。自分の大学の年間予定を確認してください。
代表的な3つの奨学金の日程はそれぞれの解説記事で確認できます(2026年10月28日時点)。
・JASSO協定派遣:学内締切は大学ごと。交換留学の出願と同時に希望を出す大学もある
・トビタテ:第19期は大学からの申請期限が2027年2月25日。学内締切は第18期の例で1月中旬〜2月上旬
・業務スーパー奨学金:財団の受付は年2回(2026年度は1月と7月)。どちらに出すかは留学先の授業が始まる時期で決まる
a. 志望理由の共通素材
個人的には、制度ごとにゼロから書くより、共通の素材を1つの文書にまとめて並べ替えるほうが早いと思います。
素材にするのは次の7つです。
・過去の経験と問題意識
・今の専攻・活動とのつながり
・なぜ海外で学ぶ必要があるか
・なぜその国・大学・プログラムか
・留学先で履修すること、やること
・帰国後に大学や社会へどう還元するか
・将来の進路と、その中での留学の位置づけ
そのうえで、奨学金団体の目的と設問に合わせて順番と重点を変えます。
奨学金が必要な理由と、「この制度が支援したい人」に自分の計画がどう重なるかを書くのがおすすめです。
交換留学の志望理由書との書き分けは、奨学金の志望理由の書き方で説明しています。
5. 6〜3か月前:結果待ち中の渡航準備
奨学金の結果が出る前に、留学先への出願、寮、ビザ、保険などの期限が来ることがあります。
採否を待たずに、次の手続きを並行して進めてください。
・留学先大学の受入許可・入学許可
・履修予定の科目と留学期間の確定
・パスポートとビザの申請
・寮・住まいの申込みと保証金
・海外旅行保険、大学指定の保険、安全管理サービス
・航空券の購入条件と、変更・取消の手数料
・奨学金が不採用だったときの代わりのお金
併願できる制度なら、複数を同時に準備してかまいません。
ただ、採用された後に同時に受け取れるかは別の話です。受給を始める前に、制度名、支給期間、月額、一時金、渡航費、授業料の支援を一覧にして、両方の団体と所属大学に申告してください。
確認の手順は留学の奨学金は併給できるかにまとめています。
6. 3か月前〜出発:入金前の資金準備
採用額と同じくらい大事なのが、いつ振り込まれるかです。
航空券、ビザ、保険、寮の保証金、初月の家賃は出発前に払うことがありますが、月額の奨学金は渡航して在籍が確認されてから支給されることがあります。
次の7つを金額と日付のセットで書き出しておくと安心です。
□ 航空券:見積額と購入予定日
□ ビザ・申請関連の費用:見積額と申請日
□ 保険・安全管理:見積額(出発前に払う)
□ 寮の保証金・初月の家賃:見積額と契約時期
□ 奨学金の準備金:採用額と入金予定日
□ 月額の奨学金:月額と初回の入金予定日
□ 緊急の予備費:自分で決めた額(いつでも使える状態にする)
総額では足りていても、最初の入金までの現金が足りなくなることがあります。
家族の支援、自己資金、使える貸与制度も含めて、出発前と最初の1〜2か月を乗り切れるお金を別に確保しておきましょう。
個人的には、総額を見るより先に、最初の入金までの月ごとの出入りを並べておくほうが安心だと思います。
月ごとに並べるには、出発前からの資金繰りがわかる交換留学費用シミュレーターが使えます。
航空券・保証金の支払月と、奨学金の採用額・初回の入金月を入れると、総額と、どの月までにいくら要るかが見えてくるはずです。
手元の資金は未入力だと0円の仮定なので、すでに用意できた額を入れておくと、あといくら必要かがわかりやすいです。
入力のしかたはシミュレーターの使い方で説明しています。
7. 時間がかかる必要書類
試験日や第三者の作業が関わる書類は、募集が始まる前に動いておいてください。
語学の証明と推薦状は3、志望理由は4で書いたとおりです。
それ以外で時間がかかる書類と、早めにやることは次のとおりです。
・成績証明書:成績発表と発行に時間がかかる。和文・英文、GPAの記載、厳封が要るかを確認する
・受入・入学許可書:留学先の審査の後に出る。応募時に必須か、採用後の提出でよいかを確認する
・家計・所得の書類:家族分の証明や対象年度の指定がある。だれの何年度の証明が要るかを確認する
・予算書・資金計画:学費、家賃、為替、奨学金を分けて積み上げる。公式の費用見積と現地通貨の根拠を残しておく
・在籍・国籍・居住の証明:制度ごとに対象者の決め方が違う。住民票、在籍証明、パスポートなどが要るかを確認する
同じ書類名でも、様式、文字数、言語、発行日、厳封、原本、PDFの容量などの条件は制度ごとに違います。
前年の様式で書き始めてもかまいませんが、提出は必ず当年度の様式に移して、抜けがないか確認してください。
家計の条件が気になる人は、所得制限なしの奨学金も見ておくと選択肢が広がります。
8. 秋出発・春出発の逆算
交換留学は、秋出発と春出発で学内の募集時期が違うことがあります。
全国共通の締切ではなく逆算の目安として見るのがおすすめです。
・翌年8〜10月頃の出発:情報収集は前年の春〜夏。応募準備は前年の夏〜秋と当年の春に集中しやすい。夏休み前に推薦を頼む。前年の秋に学内選考がある大学もある
・翌年1〜3月頃の出発:情報収集は前年の春〜夏。応募準備は前年の春〜秋に集中しやすい。候補校を春募集と秋募集のどちらで扱うかは大学によって違う
・夏・春の短期研修:情報収集は6〜12か月前。応募準備は申込みの前後。プログラムの申込み前に予約採用型の奨学金が動くことがある
「秋出発だから、春に探せばいい」とは限りません。
東京大学の2027〜2028年期USTEP秋募集では、部局によって2026年9月中旬〜10月初めに学内の手続きが設定されています。
約1年後の出発に向けて、前の年の夏には教員への所見の依頼や語学証明の準備が要るということです。
9. 締切表の作り方
締切表は「公式の締切」と「自分の締切」を分けて作るのがコツです!
制度の締切日だけをカレンダーに入れると、推薦状、証明書、大学の確認が間に合いません。
制度ごとに次の6つを書いた表を作っておくと安心です。
・制度名
・応募経路(個人か大学推薦か)
・学内締切(月日・時刻)
・公式の締切(月日・時刻・時差)
・自分の完成日(締切の7日前)
・結果が出る予定月
自分の完成日は提出日の7日前に置いてください。推薦書や大学の押印が要るなら、さらに前倒ししてください。
オンライン応募でも、締切の直前はアクセスの集中、ファイルの不備、推薦者の未提出が起こりえます。
提出の前後には次の5つも確認しておくと漏れがありません。
□ 当年度の募集要項と様式を使っている
□ ほかの奨学金への応募・受給を申告した
□ 提出後の受付メールと、提出したファイルを保存した
□ 面接の予定日と結果発表の時期を記録した
□ 不採用のときの資金計画も作った
まとめ
- 留学先が決まるのを待たず、出発の12〜18か月前から所属大学の制度・語学試験・成績・推薦状を準備する
- 大学推薦の学内締切と、推薦者が出す締切を公式の締切と分けて管理する
- 採用額だけでなく、最初の入金までに出ていくお金を月ごとに並べる
今日やることは出発予定月から12か月戻った月をカレンダーに書き込み、大学の留学担当ページと前年の奨学金一覧を開くことです。
今募集している制度、募集前の制度、今期が終わった制度は、海外留学の奨学金データベースで更新しています。
参考にしたサイト: JASSO 海外留学情報サイト「奨学金ガイド」 / JASSO「海外留学奨学金検索」 / JASSO「2027年度海外留学支援制度(学部学位取得型)」 / JASSO「2027年度海外留学支援制度(大学院学位取得型)」 / 早稲田大学 留学センター「留学奨学金」 / 東京大学「全学交換留学(USTEP)応募方法・詳細」 / 東京大学「2027-2028年期 全学交換留学(USTEP)秋募集要項」
制度・日程は2026年9月6日に確認しました。記事内の日程例は全国共通ではありません。応募時は必ず最新の募集要項、所属大学・学部の締切、留学先の案内を確認してください。
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