交換留学は何年生が正解? 2年秋・3年春・3年秋を「卒業・就活・英語」で比較する

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【大学間交換留学の教科書編集部】

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迷ったら3年秋の出発で十分です。1年の夏までにIELTS・TOEFLのスコアがそろう人だけ、2年秋を狙ってください。
交換留学に何年生で行くかは、実際には何年生で応募するかで決まります。
学内応募は出発の約1年前にあり、多くの大学ではその時点で語学スコアが要るからです。

2年秋・3年春・3年秋を比べると、違いは次の3つです。
・2年秋:卒業と就活にいちばん余裕がある。ただし応募は1年の夏〜秋で、英語が間に合うかが勝負
・3年春:英語の準備に1年ほど使える。行き先の選択肢は秋出発より狭くなりやすい
・3年秋:英語の準備にいちばん余裕がある。1年行くと日本の就活と正面から重なる

この記事では、出発する学年と学期の決め方に絞って書きます。
留年するかどうかは留学すると留年する?、期間の決め方は交換留学は半年と1年、どちらがよい?で説明しています。
対象は日本の大学に在籍したまま協定校へ1学期〜1年間行く大学間交換留学です。海外大学への正規進学や私費留学とは制度が違います。

1. 比較に使った資料

大学は、JASSO(日本学生支援機構)「2024(令和6)年度日本人学生留学状況調査」(2026年5月公表)で、協定に基づく派遣者数が多い上位20大学から選びました。
そのうち、2027年度以降の派遣について応募日程と応募資格を公式資料で確認できたのは、次の4大学です。

・東京大学:全学交換留学(USTEP)、2027-2028年期・秋募集
・慶應義塾大学:派遣交換留学(全塾)、2027年度出発・秋募集/春募集
・明治大学:大学間協定留学【交換型】、2027年春出発
・九州大学:大学間交換留学、2027年度派遣・第1回募集

ほかの大学は、募集要項が学内ポータル限定か、次の募集の公開が調査日より後でした。20大学すべてを同じ細かさでは並べられていません。
就活は、内閣官房「2027年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方」(令和7年12月26日、就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議)を使いました。政府のルールと、同じ資料にある内閣府・文部科学省の実態調査の両方を見ています。

2. 応募とスコア提出の時期

学内選考、協定校への出願、受入許可、ビザと手順が多いので、応募は出発の1年前後に来て、スコアはその前に要ります。
慶應義塾大学の2027年度派遣交換留学(秋募集)だと、日程は次のとおりです。

・学内選考の出願:2026年9月7日〜9月28日
・学内選考結果発表:2026年11月25日
・協定校への出願:2026年12月〜2027年8月
・留学開始:2027年7月〜10月
・帰国:2028年4月〜

出発の約10〜12か月前に学内出願があり、その時点で語学能力証明書の提出が必須です。
同大学は「学内選考の出願締め切り3か月前までにはTOEFL iBTまたはIELTSを受験することを強く推奨」としています。
2027年秋に出発するなら、2026年6月頃までに試験を終えている計算です。

九州大学はもっと早く、2027年度派遣の第1回募集は2026年7月10日〜11月6日です。
2027年秋学期(7〜10月開始)と2028年春学期(1〜4月開始)の両方をまとめて募集しているので、2028年1〜4月に出発する人は、出発の1年2か月以上前に締切が来ます。
第2回募集(翌年4月頃)もありますが、対象は第1回の後に枠が残った協定校だけです。

東京大学の全学交換留学(2027-2028年期・秋募集)は、語学能力証明書を学内選考の通過後に出す仕組みです。ただし通過後に協定校の語学要件を満たせなければ、推薦はされません。
明治大学の2027年春出発は、応募が2026年6月4日〜10日で、応募期間までに要件を満たす証明書を取っていることが条件でした。
個人的には、「何年生で行きたいか」を考える前に、自分の大学の応募締切とスコアの提出時期を確認するのがいちばん早いと思っています。

3. 2年秋・3年春・3年秋の特徴

a. 2年秋出発

応募は1年の夏〜秋です。
慶應義塾大学は出願資格を「出願時に学部1年(2学期目に在籍し、留学時に2年へ進級予定)・2年・3年」としていて、1年の秋に出願できます。

いちばんの壁は英語です。
応募時にスコアが要る大学だと、入学からおよそ5か月で、大学の下限と志望する協定校の基準の両方を満たす必要があります。
慶應義塾大学の下限はTOEFL iBT 旧スケール72/新スケール4.0、またはIELTS 5.5以上です。協定校の基準に届いていない大学は、志望校に書けません。

その代わり、卒業と就活にいちばん余裕があるのが2年秋です。
帰国は3年の前半までなので、3年と4年がまるごと残り、単位認定の結果を見てから履修を組み直せます。
政府の実態調査では、インターンシップ等への参加は卒業前年度(学部なら3年)の7月から本格化します。2年秋に出れば、半年でも1年でもこの時期には日本にいられるんです。

向いているのは、入学前や1年の前期にIELTS・TOEFLのスコアを持っている人、早く要件を満たせる見通しがある人です。
入学してから英語を始めるなら、正直、1年秋の応募に間に合わせるのはかなり厳しいです。その場合は無理に2年秋を狙わず、3年秋に回してください。

b. 3年春出発

ここでの「3年春」は2年の1〜3月か3年の4月頃に始まる留学です。
オーストラリア・ニュージーランドなどの南半球や、一部の欧州校が2月前後に学期を始めるので、この時期の出発になります。

応募は2年の春〜秋です。
慶應義塾大学の春募集は2027年5月7日〜28日に出願し、出発は2028年2月頃、帰国は2028年12月以降です。
九州大学のように、前の年の夏〜秋の募集で春学期出発分もまとめて受け付ける大学もあります。

気をつけたいのは行き先の数です。
慶應義塾大学の春募集の派遣先はオーストラリア5校・ニュージーランド2校・アルゼンチン1校の計8校で、秋募集の百数十校とは規模が違うんです。
明治大学も春出発の対象地域を「原則として韓国・オーストラリア・南米」としています。
個人的には、3年春を選ぶのは「行きたい大学が春に募集している」と確かめてからで十分だと思います。

英語の準備期間は1年から2年前半までの1年ほどです。1年次のGPAが出てから応募するか決められるのも、2年秋との違いです。
半年なら3年6〜7月頃に帰国して、3年7月からのインターン期に間に合います。
1年だと帰国は3年11〜12月頃で、夏と秋のインターンは海外で迎えることになってしまいます。3月1日の広報活動開始には間に合う計算です。
ゼミが3年から始まる学部では、ゼミの選考と重なるので、先に学部に確認してください。

c. 3年秋出発

応募は2年の夏〜秋です。
慶應義塾大学の秋募集(2026年9月出願)に2年生で出すと、出発は2027年7〜10月、つまり3年の秋です。九州大学の第1回募集(2026年7月〜11月)、東京大学の秋募集(9月下旬前後)も同じ時期です。
2年の春学期までに試験を何回か受けられるので、英語の準備にはいちばん余裕があります。

半年なら、帰国は3年のうちです。
1年だと帰国は4年の6月頃で、卒論・必修・単位認定・就活が同じ時期に集まります。就活との重なりは、5で詳しく見てみましょう。

実際に何年生が応募しているかは、慶應義塾大学が数字を出しています。
2026年度秋募集の出願者376名のうち、学部1年が97名(25.8%)、学部2年が245名(65.2%)、学部3年が30名(8.0%)、学部4年が1名、大学院生が3名でした。
学内選考の通過者217名でも、学部2年が146名(67.3%)といちばん多くなっています。

この制度は1学年間の留学だけなので、出願時2年生は3年秋出発・4年春帰国、出願時1年生は2年秋出発・3年春帰国です。
つまりこの大学では、3年秋出発が約3分の2、2年秋出発が約4分の1でした。
ただし1大学の、それも1年間しか選べない制度での数字です。半年を選べる大学では、分布が違ってくるはずです。

4. 出発時期・期間別の帰国月

同じ学期に出発しても、半年か1年かで帰国は半年ずれます。
・2年秋:半年なら2年のうちに帰国し、就活・卒業ともほぼぶつからない。1年なら3年6月頃に帰国し、3年7月のインターン期に間に合う
・3年春:半年なら3年6〜7月頃に帰国し、夏のインターンに間に合う。1年なら3年11〜12月頃に帰国し、夏・秋のインターンは海外
・3年秋:半年なら3年1月頃に帰国し、3月の広報開始に間に合う。1年なら4年6月頃に帰国し、内々定が出そろう時期と重なる
この中で、日本の就活と正面からぶつかるのは3年秋からの1年だけです。

ただ、そもそも半年を選べない大学があります。
慶應義塾大学の派遣交換留学は1学年間(約10か月)だけで、九州大学は1学期から1年以内、明治大学は1学期間または1学年間です。
九州大学の2026年度派遣第2回募集では、春学期開始の1年間留学は韓国・オーストラリアの大学だけでした。期間と行き先はセットで決まります。
半年と1年の選び方は次の記事で比べています。

5. 就活から見た出発時期

就活で見ると、分かれ目は「3年7月に日本にいるか」です。
政府の日程ルールは2027年度卒業・修了予定者まで次のとおりです。
・広報活動開始:卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
・採用選考活動開始:卒業・修了年度の6月1日以降
・正式な内定日:卒業・修了年度の10月1日以降

ただ、「3月までは就活が始まらない」と考えるのは危険です。実は、同じ資料が実態とのずれを数字で出しているんです。
学生側の調査では、インターンシップ等への参加率は約7割で、参加は卒業前年度(学部なら3年)の7月から本格化します。
参加者の約7割が早期選考の案内を受け、約5割がその後の採用試験や面接を受けています。
エントリーシートを最初に出した時期は、卒業前年度の9月以前が約4割で、広報開始の3月(約1割)より多い結果でした。説明会・セミナーに9月以前に初めて参加した学生は約7割です。
卒業年度の4月までに約9割が採用面接を受け、約7割が内々定を得ていて、6月までには約9割が内々定を受けています。

企業側の調査でも、広報活動を2月以前に始めた企業が約6割、採用選考を5月以前に始めた企業が約7割、5月以前に内々定を出した企業が約6割でした。
一方で、就職活動に9か月以上かかった学生は約5割いて、6月以降に内々定を得る人も残っています。3年秋に日本にいなければ終わり、というわけではありません。

3年秋から半年(3年9月〜1月頃)なら、帰国後の1〜2月から動けて、3月の広報開始と6月の選考開始に間に合います。ただし、9月以前にESを出している約4割の人よりは出遅れるのが正直なところです。
3年秋から1年(3年9月〜4年6月頃)だと、夏・秋・冬のインターン、3月の広報開始、4月までに約7割が内々定を得る時期を、ほぼ海外で過ごします。
この場合の進め方は、①オンラインで日本の選考を受ける、②キャリアフォーラムを使う、③帰国後の夏以降に動く、④卒業年度を1年後ろにずらす、のどれかです。

キャリアフォーラムの例では、CFN(CareerForum.Net)主催のボストンキャリアフォーラムが2026年は11月20〜22日開催で、参加対象に「日本の大学に在籍し、交換留学中の方」と書かれています。期間中に内定が出ることもあるイベントです。
ただし参加要件は日英バイリンガルで学士以上の学位取得(予定)者なので、だれでも使える手段ではありません。

業界による差もあります。外資系・コンサル・金融の一部は3年夏から選考が動き、一般的な日系企業は3月以降が中心です。志望業界がどちらに近いかで、3年秋からの1年留学の重さは変わります。
日程ルール自体も変わるかもしれません。同じ資料は2028年度(2029年3月)以降の卒業・修了予定者について、経済界や大学と議論しながら見直しを検討するとしています。いまの高校生・大学1年生は自分の卒業年度のルールを入学後にもう一度確認してください。

留学中の就活を帰国時期ごとにどう進めるかは交換留学中の就活は何から始める?、全体像は交換留学と就活の完全ガイドで説明しています。
留学中も日本の就活から離れすぎたくない人は、交換留学前にOB/OG訪問をしておく理由も読んでみてください。対象大学や、海外から使うときの注意点までまとめています。

6. 英語から見た出発時期

英語力が問われるのは、出発のときではなく学内応募のときです。準備期間は「応募まで」で数えてください。ここを取り違えると、計算が1年ずれてしまいます。
日本側の大学が決めている下限の例です。

・慶應義塾大学:TOEFL iBT 旧スケール72/新スケール4.0、またはIELTS 5.5以上。さらに学内選考の出願時点で協定校ごとの基準も満たしていること
・明治大学:大学間協定留学の下限としてTOEFL iBT 61/IELTS 5.5
・大阪大学:英語で学ぶ場合、協定校の基準に加えて本学基準としてTOEFL iBT 79(新スケール4)またはIELTS Academic 6.0

協定校が5.0でよいとしていても、日本側の下限が5.5なら応募できません。
応募時にスコアが要る大学なら、目安は次のとおりです。
・2年秋出発:応募は1年の夏〜秋、スコアは1年の夏まで
・3年春出発:応募は2年の春〜秋、スコアは2年の春まで
・3年秋出発:応募は2年の夏〜秋、スコアは2年の夏まで

東京大学のように学内選考の通過後に証明書を出す大学なら、応募の時点でスコアがそろっていなくても出願できます。自分の大学がどちらか、先に確認してください。

遅く行くほど英語の準備には余裕がありますが、その分、就活や必修・ゼミとぶつかりやすくなります。英語の余裕と、卒業・就活の余裕は引き換えです。
GPAも見られます。慶應義塾大学は学部生に1年次からの累積GPA 2.00以上を求め、明治大学は協定校ごとに2.0〜3.0の下限を決めています。
1年秋に応募する2年秋出発では、手元にあるのは1年前期の成績だけです。2年以降の応募なら、成績を見てから決められます。

7. 卒業から見た出発時期

卒業時期を左右するのは、留学期間が在学年数に入るか、海外の単位が認定されるか、必修・ゼミ・卒論がいつあるかの3つです。
前の2つは留学すると留年する?で説明しています。出発時期を選ぶときに見るのは3つ目です。

九州大学は留学と4年卒業を両立できることもあるとしつつ、「学部によって要確認」という書き方です。
慶應義塾大学の募集要項も通年科目の扱い、単位認定、進級条件、4年で卒業したい場合の条件、留学した場合のゼミ選考の日程を、出願前に学部へ確認するよう求めています。医学部・看護医療学部・薬学部はカリキュラム上難しい場合がある、とも書かれています。
また同大学は就職活動を含む自己都合の早期帰国を認めていません。途中で切り上げて就活に戻る、という計画は立てられません。

3年秋から1年行くなら、卒業を1年後ろにずらすのも普通の選び方です。
帰国は4年の6月頃ですが、卒業を1年延ばせば、帰国直後の7月がそのまま「卒業前年度の7月」になり、インターンが本格化する時期から就活を始められます。
新卒枠に応募できるか、学費や奨学金がどうなるかは、次の記事で確認してみてください。
単位認定の書類は交換留学の単位認定で必要な書類、ヨーロッパの単位の換算はECTSは日本の何単位?を見てください。

8. 優先事項別のおすすめ時期

ここまでの日程から整理すると、組みやすい時期は次のとおりです。

・4年で卒業したいなら2年秋、または3年春の半年。学部の必修・ゼミ・卒論の配置を学事担当に先に聞く
・日本の新卒就活を普通に進めたいなら2年秋(半年・1年とも)、3年春の半年。3年秋の半年も3月の広報開始には間に合う
・外資系など早い選考も受けたいなら2年秋、または3年春の半年

・英語の準備にまだ時間がほしいなら3年春か3年秋
・1年間しっかり行きたいなら、2年秋からの1年が卒業・就活とぶつかりにくい
・1年行きたいが、志望業界の選考が3年夏から動くなら、3年秋からの1年と、卒業を1年ずらす組み合わせ
・海外大学院を目指しているなら、日本の新卒採用の日程に合わせる必要が薄いので、3年秋からの1年も組み込みやすい

意外と多いのが、「3年秋に行きたい」と決めてから準備を始めて、間に合わなくなってしまう形です。
3年秋出発でも応募は2年の夏〜秋、スコアはその前なので、逆算すると1年生の後半には動き出す必要があります。
個人的には、迷っているなら3年秋ともう1つに候補を絞り、行きたい協定校の募集がある方を選ぶのがいちばん後悔しにくいと思います。

まとめ

  • 迷ったら3年秋で十分。何年生で行くかは、出発の約1年前にある学内応募と、その前に要る語学スコアで決まる
  • 2年秋は卒業・就活に余裕があり、3年秋は英語に余裕がある。3年春は行き先が狭くなりやすい
  • 日本で就活するなら、3年7月に日本にいられるかが分かれ目になる。3年秋から1年なら、卒業をずらす方法もある

今日やることは自分の大学の交換留学の募集要項を開いて、学内応募の締切とスコアの提出時期を確認することです。

まだ大学選びや英語の準備の段階なら、高校1年から大学2年までの交換留学ロードマップも参考にしてください。
出発時期が決まった人は、交換留学90日前からのやることカレンダーに進むと準備の順番がわかります。


参考にしたサイト: 厚生労働省:大学等卒業予定者の就職・採用活動時期 / 慶應義塾大学:派遣交換留学 / 九州大学:留学の手続き・募集情報 / JASSO:奨学生の適格認定

最終確認:2026年9月5日。この記事の日程は、2026年9月時点で公開されていた資料に基づいています。募集時期・語学要件・採用日程は年度ごとに変わり、2028年度(2029年3月)以降の卒業予定者は就職・採用活動の日程ルール自体が見直しの対象です。計画を立てるときは、所属大学の最新の募集要項と所属学部の履修要項を必ず確認してください。