留学の奨学金は併給できる?併願との違い・確認手順・組み合わせ例

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【大学間交換留学の教科書編集部】

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給付の奨学金に2つ以上応募していると、両方とも受け取れるのか気になりますよね。
私も留学の奨学金にいくつか応募しました。
留学の奨学金に、共通の併給ルールはありません。
私は、資金計画を給付の奨学金一つで組み、もう一つの給付は両方の団体と大学から「可」の回答をもらってから足すことをすすめます。
2つの制度がそれぞれ併給を認め、金額・目的・対象期間などの上限を満たしたときだけ、同時に受け取れる仕組みです。
片方が「併給可」でも、もう片方が禁止していれば受け取れません。

判断のときに見るのは、次の5つです。
・併願(複数に応募すること)と併給(同じ時期に複数を受け取ること)を分ける
・A制度とB制度、両方の規則を読む
・「月額○円以下」「合計が必要経費以下」などの金額の上限を見る
・生活費、授業料、渡航費、貸与、報酬は同じ扱いとは限らない
・最後は両方の団体と所属大学に、制度名・金額・期間を伝えて記録を残す

ネットの「この組み合わせなら大丈夫だった」という体験談だけで決めるのは、私はおすすめしません。
同じ名前の制度でも年度で要件が変わり、大学独自の運用が加わることがあります。
以下では2026年度のJASSO・トビタテ・大学の公式案内を例にしています。

1. 併願・併給など5つの用語の違い

・併願:複数の奨学金に応募すること。A財団とB財団に応募し、両方採用されたら一方を辞退する、など
・併給・重複受給:同じ期間に複数の奨学金を受け取ること。大学独自の月額支援と民間財団の給付を同時に受ける、など
・授業料免除:本来払う授業料が減免されること。交換協定で留学先の授業料が不徴収になる、など
・貸与:返すことを前提にお金を借りること。JASSOの貸与型奨学金、教育ローンなど
・報酬:仕事の対価として受け取るお金。有給インターン、RA・TAなど

併給はできなくても併願はできる制度がある一方、併願そのものを制限する制度もあります。
両方採用されたときに備えて、いつまでなら辞退できるかを募集要項で確認しておくと安心です。

この区別が要るのは、制度によって上限の計算に入れるお金が違うからです。
たとえばJASSO協定派遣の2026年度の要件では、他団体から「派遣プログラム参加のための奨学金等」を受ける場合に月額換算額の上限がありますが、渡航に係る費用と、返済が必要な貸与型奨学金・学資ローンはその計算から除かれています。
ただ、除かれるから自動的に使えるわけではありません。貸与側の在学・休学の手続きや、もう一方の奨学金の規則は別に確かめておく必要があります。

2. 併給の確認手順

a. 制度Aの規則の確認

募集要項やFAQを開き、「併給」「併願」「重複」「他団体」「奨学金等」「報酬」「貸与」でページ内検索します。
「可・不可」だけでなく、例外や上限まで読んでみてください。

b. 制度Bの規則の確認

A制度が併給を認めていても、B制度が「他の海外留学奨学金との併給不可」と定めていれば併給できません。
2つを並べて読むのが基本です。

c. 金額・期間・用途の整理

「年間100万円」のような一括の給付は、留学月数で割った月額換算額として扱われることがあります。
また、同じ学期でも支給対象の月が完全には重ならないことがあります。ただし「Aは6月まで、Bは7月から」のように月が重ならなくても、同じ留学計画への給付全体で判定する制度があるので、期間だけでは判断できません。

制度Aと制度Bのそれぞれについて、次の6つを書き出します。
□ 支給対象期間:○年○月〜○年○月
□ 月額・総額:月額か一括か
□ 目的:生活費、授業料、渡航費のどれか
□ 併給の条件:可、不可、上限あり
□ 申告の期限:応募時、採用時、変更時
□ 確認先:担当部署と回答日

d. 団体と大学への問い合わせ

確認先は奨学金Aの実施団体、奨学金Bの実施団体、所属大学の留学・奨学金担当の3つです。大学推薦の制度では、大学が窓口を1つにまとめていることがあるので、その指示に従ってください。
問い合わせでは、相手が制度を特定できるように、次のように具体的に伝えてみてください。
「○○奨学金への応募を検討しています。別に△△奨学金から、○年○月〜○年○月に月額○円(渡航費○円)の給付を受ける可能性があります。両制度を同時に受給できますか。金額上限、減額、辞退・届出の手続きがあれば教えてください」

電話で聞いた場合も、担当部署、日付、回答の内容をメモしておくと安心です。
電話のあとは、同じ内容をメールでも送って記録を残しておくのがおすすめです。

3. JASSO協定派遣の併給ルール

JASSOの海外留学支援制度(協定派遣)は条件付きでほかの給付との併給を認めています。
2026年度の公式案内では、この制度以外の派遣プログラム参加のための奨学金等を受ける場合、複数を合計した月額換算額が、JASSO協定派遣の月額を超えないことが支援対象学生の要件です。

JASSO協定派遣の月額は地域区分によって8万円・9万円・11万円・12万円です。
上限と比べるのは、JASSO自身を除いた他制度の月額換算額の合計です。
仮にJASSOが月額9万円で、ほかの給付が月額5万円と4万円なら、合計は9万円なので、この金額要件はクリアです。
月額9万円の区分の留学先で、同じ留学の生活費として別団体から月額10万円を受けるなら、JASSO側の上限要件を満たさないということになります。

反対に、別の給付が月額5万円でも、別団体の側がJASSOとの併給を禁止していれば併給できません。
JASSO協定派遣で見るのは次の3点です。
・別の給付を月額換算するといくらか
・渡航費や、返済が必要な貸与として扱われる部分はどこか
・別団体がJASSOとの併給を認めているか

推薦や支給の手続きは在籍大学が行うので、自分で計算して終わりにせず、大学の担当部署にすべての制度を申告してください。
なお、JASSOの2026年度の公式案内では、JASSOの第一種・第二種奨学金(貸与型)との併給は可能と明記されています。留学中に貸与を続けるための手続きや返済計画は、別に確認が要ります。
上限の計算例や、東京大学が示している細かい数え方(一括の奨学金やクラウドファンディングの扱い)は、JASSO協定派遣の解説記事の7のeにまとめました。

4. 国内のJASSO給付と協定派遣

国内のJASSO給付奨学金と協定派遣は同時には受け取れません。
国内で修学支援新制度の給付奨学金を受けている人は、特に注意が必要です。
JASSOの2026年度「給付奨学生のしおり」では、留学中の学籍が「留学」または「在学」なら国内の給付を続けられ、「休学」なら休止の手続きが必要とされています。

JASSOの案内でも、国内の給付奨学金と海外留学支援制度(協定派遣)は併給できないとされています。
協定派遣の支給を希望するなら、国内の給付を止める手続きが必要です。
さらに、協定派遣を受けた期間は国内の給付を受けた期間とみなされ、再開した後に止めていた期間の分をさかのぼって受け取ることはできないと案内されています。

国内の給付を続けるか、協定派遣に切り替えるかは、支給額、授業料減免の扱い、支給期間を合わせて大学の奨学金担当に確認するのがおすすめです。
国内の給付を受けている人は、協定派遣に応募する前にこの相談を済ませてください。

5. トビタテの併給ルール

トビタテの大学生等対象のFAQでは、他団体の奨学金との併給は「可能」と回答されています。
ただ、何とでも組み合わせられるわけではありません。

2026年度第18期の募集要項では、留学中のインターンシップ等の報酬や、他団体から留学のために受ける奨学金の平均月額が、トビタテの奨学金月額を超えないことが要件です。
また、JASSOが実施する海外留学支援制度の協定派遣・学部学位取得型・大学院学位取得型とは併給できません。
相手の奨学金団体がトビタテとの併給を禁止していることもあるので、相手側にも確認しておくと安心です。第19期以降は条件が変わることがあるため、必ず応募する年度の募集要項を使ってください。
第19期(2027年度)の併給の条件は、トビタテの解説記事の2のdで確認できます。

6. 大学独自の奨学金の併給ルール

大学独自の奨学金は、財源と目的が制度ごとに違うので、「同じ大学の奨学金なら同じルール」とは限りません。
早稲田大学の留学奨学金の案内では、留学のための奨学金は併願できても併給できない場合が多く、複数に合格したら双方の団体に確認するよう注意しています。同じページの学内奨学金にも「他の海外留学奨学金との併給不可」と明記された制度があります。

一方、東京大学の全学交換留学では、USTEP付属奨学金と併給できる制度として、条件を満たす学部学生向けのGLP-I Global Experiences奨学金が案内されています。
大学名だけで判断せず、奨学金の正式名称と年度まで特定して確認するのがおすすめです。

7. よくある組み合わせ8パターン

組み合わせごとに、調べ始める場所は次のとおりです。最終的な判定ではないので、採用通知が出た時点で、最新の要項と個別の回答で確定してください。
・交換協定の授業料免除+給付奨学金:併用できる例がある。授業料免除を「ほかの資金援助」として申告する必要があるかを確認する
・JASSO協定派遣+民間の給付:条件付き。月額換算の上限と、民間側の併給の規則
・トビタテ+民間の給付:条件付き。平均月額の上限と、相手側の規則
・トビタテ+JASSO海外留学支援制度:第18期の要項では不可。応募する年度の最新の要項を見る

・国内のJASSO給付+JASSO協定派遣:不可。国内給付の停止手続きと、授業料減免への影響を確認する
・民間の給付+民間の給付:制度ごとに違う。双方の併給の可否と、総額・用途の上限
・給付+貸与:併用できることがある。給付側の定義、貸与の継続・休止の手続き、返済計画
・給付+有給インターン:報酬を上限の計算に入れる制度がある。報酬額、働けるかどうか、ビザの条件、届出

交換協定による授業料の不徴収は、現金の給付とは性質が違います。
それでも資金援助や授業料免除を申告の対象にしている制度があるので、問い合わせのときは免除があることも伝えておきましょう。
家計の条件を問わない民間の制度を足したい人には、所得制限なしの奨学金をまとめています。
ただ、その代表の業務スーパー奨学金は、同じ留学へのほかの奨学金をJASSO協定派遣やトビタテも含めて受け取れない制度です(業務スーパー奨学金の解説記事の2のd)。

8. 入金時期と資金繰り

併給できても、支払いに間に合うとは限らないのが難しいところです。
航空券、ビザ、保険、寮の保証金は出発前に必要ですが、初回の入金が渡航後になる奨学金があります。JASSO協定派遣も、留学中の各支給対象月について在籍確認の後に支給されます。

お金の出入りは月ごとに書き出してみてください。
・出発3〜6か月前:語学試験、出願、ビザ、航空券、保険。使えるのは自己資金、家族の支援、準備金、貸与
・出発1〜2か月前:寮の保証金、初月の家賃、渡航用品。使えるのは支給済みの一時金、自己資金
・留学中:家賃、食費、交通費、教材費。使えるのは月額の奨学金、自己資金、認められた報酬
・帰国前後:退寮、帰国便、精算。使えるのは残額、緊急の予備費

「総額では足りるのに、出発前の現金が足りない」ということは意外と起こりがちです。
個人的には、併給できるかどうかと資金繰りは、別々に確認したほうが混乱しにくいと思います。

併給の条件を確かめたら、複数の奨学金を反映して交換留学費用を計算してみてください。
給付と貸与を分け、月額・一時金や個別の振込予定を登録すると、自己負担と入金前の不足を分けて見られます。
計算機の警告は一部の条件に限られ、エラーが出ないことは併給の許可を意味しません。必ず両方の制度の募集元と大学の確認を優先してください。
入力のしかたはシミュレーターの使い方で、応募時期や書類の準備は留学の奨学金はいつから探すかで説明しています。

9. 採用後の6つの手続き

  1. 採用通知と、最新の受給者向けの手引を読む
  2. 応募中・受給中のすべての制度を、両方の団体と所属大学に申告する
  3. 支給期間、月額、一時金、渡航費、授業料の支援を分けて伝える
  4. 減額、辞退、国内奨学金の停止・休止が必要かを確認する
  5. 在籍確認、成績・報告書、計画変更の提出期限をカレンダーに入れる
  6. 留学期間や活動内容が変わるときは、変える前に承認が要るかを確認する

応募中の制度も申告の対象になることがあります。「応募中・結果待ち・受給決定」を分けて、予定額と結果が出る日を伝え、採否や金額が決まったらそのつど更新してください。
無断で併給すると、あとから返還を求められることがあります。採用されたら終わりではなく採用後の申告までが手続きです。

まとめ

  • 資金計画は給付一つで組み、併願と併給を分けて2つの募集要項の両方を読む
  • 月額・期間・用途をそろえて、両方の団体と所属大学に確認する
  • JASSO協定派遣、トビタテ、国内のJASSO給付には、具体的な組み合わせの条件がある

今日やることは候補の2つの制度の募集要項を開き、「併給」「重複」「他団体」でページ内検索して、出てきた一文をメモに写すことです。
まだ候補を探している段階なら、交換留学の奨学金の探し方から読むと早いです。今募集している制度は海外留学の奨学金データベースで確認できます。


参考にしたサイト:JASSO「海外留学支援制度(協定派遣)」 / JASSO「2026年度 給付奨学生のしおり」 / トビタテ!留学JAPAN「大学生等対象 よくあるご質問」 / トビタテ!留学JAPAN「2026年度(第18期)派遣留学生募集要項」 / 早稲田大学 留学センター「留学奨学金」 / 東京大学「全学交換留学(USTEP)応募方法・詳細」 / JASSO「2026年度海外留学支援制度(協定派遣)採用学生専用ページ」

制度・併給条件は2026年9月6日に確認しました。年度、所属大学、個別の採用条件によって扱いが変わります。受給前に、最新の募集要項と各実施団体の回答を確認する必要があります。