留学に行けば英語は伸びる?伸びる人・伸びにくい人の違い

留学に行けば英語は伸びる?伸びる人・伸びにくい人の違い

【大学間交換留学の教科書編集部】

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留学に行けば英語は伸びるのか、気になりますよね。
留学で英語は伸びますが、海外にいるだけでは伸びにくいです。私がすすめるのは、留学先で同じ人と毎週会える場所を1つ作ることです。
日本人の友達を避けたり、初対面の人に毎日話しかけたりする必要はありません。
差がつくのは、国名や滞在月数よりも、現地で誰と、どのくらいくり返し会い、自分から何を話すかです。

英語で行われる授業でも、発言せずに終わることだってできてしまいます。
わからないことは翻訳できるし、日本人の友達と過ごすのも、一人で課題を進めるのも自由です。
個人的には、留学は英語力を伸ばしてくれる場所というより、英語を使う約束を増やせる場所だと思っています。

1. 研究でわかっていること

研究でも、「全員が同じように伸びる」という結果にはなっていません。
日本人大学生の留学効果を調べた平井(2018)は、留学前後のスコアがある31研究、計923人をメタ分析しています。
その結果、長期留学の効果量は中期・短期より大きくなりました。
一方で、出発前の英語力は留学中の伸びを一律に予測する要因にはなっていません。

つまり、「長く行けば意味がある」「英語が苦手なまま行っても意味がない」とは単純に分けられません。
長い留学には授業や人間関係の中で失敗と修正を何度もくり返せる良さがあります。ただ、その時間を英語で使わなければ、滞在月数だけが増えることもあります。

一橋大学などの研究者が、1か月の英語圏留学に参加した日本人学生200人を調べた研究もあるんです。
留学中の過ごし方を「交流も学習も少ない」「両方をバランスよく行う」「学習中心」「交流中心」の4つに分けると、英語力の伸び自体は4つで同じくらいでした。
ただ、バランス型は交流も学習も少ない型より英語を使う量が増えていました。

ここから「交流すれば必ずスコアが上がる」とまでは言えません。
それでも、現地での時間の使い方によって、帰国後に英語を使える状態が変わることは読み取れます。
短期留学を扱ったHernández(2016)でも、参加者20人のグループ全体ではスピーキングが伸びた一方で、現地の人との広い交流が自然に生まれていたわけではありませんでした。

2. 伸び方が変わる理由

同じ期間でも、伸び方は変わります。
留学先では英語をほとんど話さずに1日を終えることもできます。
授業を聞いて、スーパーではセルフレジを使い、寮に戻って日本語の動画を見る。これだと英語を話した時間は数分だったりします。

反対に、授業で1回発言し、昼食を同じクラスメートと食べ、寮で困りごとを相談し、夕方に学生団体に顔を出せば、英語を何度も組み立てることになります。
同じ国、同じ大学にいても、2人の話す量はまったく違います。

この差を「積極的かどうか」という性格の話だけにする必要はありません。
初対面の人に毎日話しかけるのは、誰でも疲れてしまいます。
個人的には、授業、サークル、Language Exchange、寮の共用スペースなど、同じ人と自然に再会できる場所を1つ持つほうが続きやすいと思っています。

3. 伸びる人と伸びにくい人の6つの違い

違いは次の6つの行動に出ます。
・目標:「授業で毎回1回発言する」のように行動で決める/「ペラペラになる」だけで終わる
・授業:質問、発言、グループ作業がある科目を入れる/聞いて提出するだけの科目に偏る
・人間関係:同じ人と毎週会える場所を持つ/1回きりの交流会で終わる
・会話:短く返し、わからなければ聞き返す/完璧な文を待つうちに話題が過ぎる
・間違い:言えなかった表現を3つだけ使い直す/恥ずかしさだけが残って避ける
・記録:英語を使った場面を週ごとに数える/勉強時間だけを記録する

この中でも差が出やすいのは、人間関係と会話です。
英語は一人で正解を作るだけでは身につきません。相手の言い方を聞き、自分の一文が通じず、別の言い方に直す。この小さな往復で、知っている英語が使える英語になっていきます。

「英語を伸ばすなら、日本人とは距離を置くべき」と言われること、ありますよね。
正直、そこまで極端に考えなくて大丈夫です。慣れない生活で相談できる相手は必要ですし、日本語で休める時間があるから次の日も動けます。
困るのは、日本人の友達がいることではなく英語が必要な予定が1週間にほとんどなくなることです。昼は日本人と食べても、週に1回は現地学生と共同作業をする。それくらい場所と役割を分ければ、十分だと思います。

4. 期間ごとの変化

研究では長期留学の効果量が大きい傾向がありますが、何か月でどのレベルになるかは、出発前の英語力、授業、生活の言語、交流の量で変わります。
保証ではなく計画を立てるときの目安は次のとおりです。
・1か月前後:英語を口にする抵抗が減り、生活場面に慣れ、自分の弱点に気づける。人間関係が深まる前に帰国するので、流暢さまでは期待しすぎない
・3〜6か月:授業と生活の型ができ、同じ人との会話を重ねやすい。慣れた生活圏だけで完結すると、話す量が頭打ちになる
・6か月〜1年:失敗、修正、再挑戦を何度も経験でき、関係を深める時間がある。長く住むだけでは伸びないので、途中で行動の目標を見直す

短期留学にも意味はあり、スピーキングの改善を示した研究もあります。
ただ、1か月は英語を完成させる期間ではなく実際に使ってみて、自分がどこで止まるかを知る機会と考えるほうが満足しやすいです。

5. 留学先の選び方

国名より「英語が必要な生活になるか」が大事です。
交換留学では、ドイツ、フランス、北欧、アジアなど、英語が公用語ではない国で英語の科目を取ることもあります。
その場合でも、国際学生との授業や寮生活で英語を使う機会はあります。反対に、英語圏でも日本人向けのプログラムの中で過ごし、交流が限られることもあるんです。

留学先を比べるときは、国名だけでなく次の5つを見るのがおすすめです。
・英語で取れる科目の数と、授業の参加形式
・現地の学生と一緒に受ける授業があるか
・寮の部屋や共用部、一緒に住む学生の構成
・Language Exchange、バディ、学生団体があるか
・グループワークや発表がある科目を選べるか

AI時代に現地へ行く意味そのものを考えたい人は、次の記事も参考にしてください。

6. 出発前の準備

留学中に英語を伸ばしたいなら、出発前の準備は「現地で困らないため」だけではありません。
着いてから、できるだけ早く人との会話に入れるようにしておくためのものです。やることは次の5つです。

  1. 3つの話題を録音する:自己紹介、専攻、留学の理由を1分ずつ話し、出発時点の記録を残す
  2. 聞き返しを先に覚える:「Could you say that again?」など、わからないときに会話から消えない表現を用意する
  3. 授業での言い出しを作る:賛成、反対、質問、確認の最初の一文を声に出しておく
  4. 大学の中で人と話す:Language Exchangeや留学生との交流に一度参加する
  5. 毎日少し話す:独り言、AI英会話、オンライン英会話のどれかを生活に入れる

私自身、現地で助かったのは、難しい表現より、短く返して時間を作る英語でした。
海外にいる時間を、英語を口に出すことに慣れるだけで使い切るのはもったいないと思います。出発前から短い一文を出す習慣があれば、現地ではその英語で友達や授業に入ることに時間を使えます。

AI英会話を考えているなら、私が450日使ってきたSpeakの良いところと弱点をSpeakのレビューにまとめました。
出発まで3か月ほどあるなら、留学3か月前のスピーキング勉強計画で12週間の組み方を紹介しています。
話す練習をなぜ続けたほうがいいか、毎日10〜20分の練習から知りたい人は次の記事から読んでみてください。

7. 留学中の伸びの測り方

正直、英語力は毎日見ても変化がわかりません。
結果ではなく次の4つの行動を週に1回だけ振り返るほうが続きます。

・授業:発言や質問をした回数
・人間関係:同じ人と英語で会った回数
・生活:寮や窓口、店で、自分から英語で用件を伝えた回数
・振り返り:言えなかった表現を3つ残したか

回数に正解はなく、先週より1つ増えたかを見るだけで十分です。
授業で一度も話せなかったなら、次の週は質問を1つ用意する。同じ人と会えなかったなら、毎週ある活動を1つ探す。
言えなかった表現も全部は復習せず、週に3つだけ残して次の週の会話で使い直すほうが、ノートが増えるだけで終わりにくいです。

「英語力が伸びたか」を1つの数字だけで判断すると、変化を見落とします。技能ごとに、伸びる機会と足したいことは違います。
・Listening:授業や雑談、案内を毎日聞く。わからないまま流さず、聞き返す
・Speaking:授業、友達、寮、買い物で返事をする。自分から最初の一文を出す
・Reading:教科書、論文、連絡、生活情報を読む。専門分野の文章に続けて触れる
・Writing:課題、メール、レポートを書く。提出して終わらず、直された理由を見る

生活の英語が増えても、TOEFLやIELTSの点が上がるとは限りません。試験の形式、時間配分、Writingの構成は別の練習が必要です。
帰国後に受けるなら、留学中も公式問題に定期的に触れておくと、生活の英語と試験対策をつなげやすくなります。
応募に必要なスコアと、現地の授業に参加する英語も別です。英語に不安があって留学に行けるか迷っている人は、次の記事から整理してみてください。

まとめ

  • 同じ人と毎週会える場所を1つ作り、自分から短く話す。日本人の友達を避ける必要はない
  • 留学で英語は伸びるが、全員が同じように伸びるわけではなく、滞在月数だけでも決まらない
  • 出発前から短い一文を出す習慣を作り、現地では発言・再会・生活・振り返りを週ごとに数える

今日やることは留学先の授業一覧と学生団体のページを開いて、同じ人と毎週会えそうな場所を1つ書き出すことです。


参考にしたサイト: Hirai(2018)留学期間・出発前英語力と第二言語能力のメタ分析 / Gherghel・安田・北(2021)短期留学中の行動パターン / Gherghel・Yasuda・Kita「How should time abroad be spent?」 / Hernández(2016)短期留学中のスピーキングと接触 / Isabelli-Garcíaほか(2018)留学と言語学習の研究レビュー / Kennedy Terry(2023)留学中の社会的ネットワークと言語学習

最終確認:2026年9月7日。体験談は筆者個人のもので、同じ結果を保証するものではありません。留学による語学面の変化には、期間、プログラム、授業、生活環境、交流、出発前の状態などによる個人差があります。本記事は特定の英語力向上や試験スコアの上昇を保証するものではありません。