【大学間交換留学の教科書編集部】
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全国の旧帝大で交換留学や海外大学院留学を経験したメンバーが、自分たちの経験と公式情報をもとに運営しています。
英語が話せないと、留学なんて無理かもと不安になりますよね。
私もアメリカへの1か月の短期留学の前は、英語がただ漠然と不安でした。
でも、英語が話せなくても、外国語要件のない大学の短期語学研修なら、今の英語力で行けます。
そして、英語が話せないことは、交換留学をあきらめる理由にもなりません。交換留学は話せる自信ではなく所属大学と協定校のスコア条件と締切で決まります。
だから私は、自信がつくのを待たずに、2つを分けて同時に進めるのをおすすめしています。
・今行ける留学:外国語要件がないか、今のレベルに合う短期の語学研修・海外研修を探す
・準備して狙う交換留学:協定校、学内締切、TOEFL・IELTSなどの条件を確認して、必要なスコアを取りにいく
次の休みに短期研修へ行きながら、翌年の交換留学に向けて試験の準備をすることもできます。
反対に、交換留学の締切が近いなら、短期には行かず試験対策に集中してください。
留学の種類から迷っている人は5種類の留学の比較、何から始めるかわからない人は最初の7ステップを先に読むと早いです。
1. 「英語が話せない」の3分類
「英語が話せない」のままでは、留学できるかどうか判断できません。
まず、自分が次の3つのどれに近いかを見てみてください。
a. スコアなし・位置が不明
TOEFLもIELTSも受けたことがなく、なんとなく「できない」と感じている状態です。
正直、この段階ではまだ交換留学を「無理」とは判断できません。
候補校が求める試験を確認して、公式の練習問題や模試、1回目の受験で差を測れば、準備にかかる期間が見えてきます。
英語の説明がほとんどわからず、文の組み立てから不安なら、中学英文法から交換留学の英語準備へ進む6週間のやり直し方から始めてみてください。
b. 会話で固まる状態
英文は読めるのに、相手の速さについていけない。正しい文を作ろうとして、返事が遅れる。
知っている英語を会話でとっさに取り出す練習が足りていない状態です。
質問が聞き取れていないのか、答える中身が決まらないのか、英語が出てこないのか。止まる場所は人によって違うので、次の記事で原因ごとに分けています。
このタイプは、単語や文法とは別に、短く口に出して1文目を出す練習が必要です。
私はAI英会話アプリのSpeakを450日使ってきましたが、一番変わったのは、完璧な文を待たずに短く返せるようになったことでした。
毎日声に出す練習の組み立て方は留学3か月前のスピーキング勉強計画で説明しています。
会話に自信がなくても、交換留学の条件を満たしているなら、それだけで応募をやめなくても大丈夫です。
c. 専門の授業への準備不足
交換留学で本当に大変なのは、自己紹介より、講義を聞く、資料を読む、発言する、レポートを書く、試験を受ける場面です。
日常会話が得意でも、専門用語や長い文章に慣れていなければ苦労してしまいます。
反対に、流暢でなくても、資料を先に読み、わからない点を聞き、締切までに課題を出せれば、学びは積み上がっていくものです。
個人的には、交換留学で準備しておきたいのは「ネイティブのように話すこと」より、「わからないときに助けを求められること」だと思っています。
2. 今行ける短期の語学研修
英語力がまだ低い段階で最初に探しやすいのは、夏休み・春休みに大学が行う短期語学研修です。
たとえば関西学院大学の2026年度夏季外国語研修は2〜5週間で、参加資格に「外国語要件なし」と書かれています。一部には推奨レベルがありますが、初めての海外の人や、交換留学に向けて語学力を伸ばしたい人も対象です。
大学経由なら、事前・事後研修、危機管理、単位、奨学金をまとめて大学に確認できます。
ただ、大学の研修だから安い、全員が奨学金をもらえる、単位になる、とは限りません。
要件がなくても、空港、移動、滞在先、体調を崩したときには英語を使います。緊急連絡先と、最低限の伝え方は出発前に用意してください。
所属大学の短期研修の探し方は次の記事にまとめています。
a. 短期研修の英語条件
同じ短期でも、中身が専門講義、研究、フィールドワークになると、必要な英語力は上がります。
東北大学が載せていた2026年のストラスブール大学サマープログラムは、英語で講義やフィールドワークを行うため、B2以上の英語力を求めていました。
期間が短いことと、英語が易しいことは別なんです。募集ページでは、学ぶ内容、授業の言語、外国語要件、クラス分け、選考方法を先に見てください。
b. 個人手配の語学留学
大学付属の語学センターや民間の語学学校には、着いてからのクラス分けテストでレベルを決めるコースがあります。
所属大学に合う研修がなければ、学校への直接申込みや留学エージェントも候補です。
ただ、学期中に行くなら、休学・単位・日本の大学の学費を確認する必要があります。運営元、授業時間、返金条件、住まい、空港送迎、保険、緊急時の支援も比べておくと安心です。
交換留学が最終目標なら、先に大学のプログラムと補助を確かめて、足りない部分を個人手配で補う順番が安全だと思います。
3. 交換留学の応募条件
交換留学に行けるかは、「話せる自信」より応募条件で決まります。
交換留学は所属大学と海外の協定校の制度を使って、1学期〜1年ほど専門科目などを学ぶ留学です。
英語を学ぶというより、英語で授業を受けるのが中心です。
応募にはTOEFL・IELTSなどの公式スコアを使う大学が多く、所属大学の学内基準と協定校の条件の両方を満たす必要があることもあります。
たとえば慶應義塾大学は2026年度の募集から、英語の証明が必要な協定校について、TOEFL iBT旧尺度72点・新尺度4.0、またはIELTS 5.5以上という学内基準に加えて、協定校ごとの最低基準も満たすよう案内しています。
関西大学の2026年9月募集でも、英語で教える大学への交換留学にIELTS 5.5またはTOEFL iBT 72以上を挙げ、協定校側の条件も別に確認するよう求めています。
これは全国共通の合格ラインではありません。
条件は大学・協定校・学部・年度で変わり、各技能の点、試験の方式、スコアの有効期限まで決められていることもあります。
2026年1月21日にはTOEFL iBTの表示尺度が1〜6に変わり、大学側の対応にも差があります。
学内選考でTOEICやTOEFL ITPが使えても、協定校への出願では別の試験を求められることがあります。くわしくは交換留学にTOEICだけで応募できるかで説明しています。
TOEFLとIELTSのどちらにするかは、特に理由がなければIELTSにして、候補の協定校がIELTSを受け付けないときはTOEFLにするのがおすすめです。
私はLIBERTY English AcademyでIELTS対策をして7.5を取りました。その過程はIELTS 6.0から伸びない人へに書いています。
スコアのほかに、GPAや志望理由、面接で何を見られるかは交換留学の学内選考の仕組みにまとめています。
a. 最低点と授業準備の違い
最低点を取ることと授業の準備は別で、必要なスコアは応募の入口です。
条件を満たしたとたんに、速い講義、ディスカッション、長いリーディング、レポートが楽になるわけではありません。
反対に、最低点に少し届かないからといって、この先も留学できないわけでもありません。
候補校の授業を1つ選んで、英語のシラバスを読む、同じ分野の公開講義を聞く、60秒で意見を話す、300語くらいで要約を書く。
試験対策と並べてこうした「留学してから使う英語」を少しずつ増やすと、スコアだけの準備になりません。
IELTSの点数ごとに、行ける交換留学先がどう変わるかは次の記事で確認できます。
4. 長期留学の予行演習としての短期留学
私も大学のプログラムで、アメリカに1か月の短期留学をしました。
そこで得たのは、短い期間で英語ができるようになった経験ではありません。
わかったのは次の4つです。
・海外に行くとき、どんな手続きが続くのか
・授業や共同生活で、自分がどこで言葉に詰まるのか
・わからないとき、だれにどう聞けばいいのか
・長く留学するなら、何を準備しておくべきか
行く前は、英語がただ漠然と不安でした。
一度短く行くと、「空港では聞き返す言い方がいる」「授業では発言の入り方を練習したい」のように、準備することを細かくできます。
とはいえ、交換留学の前に短期留学が必須なわけではありません。
費用が大きい、学内締切が近い、国内でも十分に英語を使えるなら、試験や専門の勉強を優先したほうが合理的だと思います。
個人的には、行くなら「長期で困りそうな場面を先に見つける」ことを目的にするのがおすすめです。
大学研修・個人手配・エージェントのどれを使うかは、次の記事で比べています。
5. 二本立てのスケジュール
今日から、今行ける留学と交換留学の準備を「二本立て」で進めてみましょう。
JASSOは準備を始める目安として、大学など高等教育機関への留学なら約1年半前、語学留学でも約半年前を勧めています。
全国共通の期限ではありませんが、「英語が話せるようになったら調べよう」では遅れることがある、ということです。
それぞれの時期にやることは次のとおりです(左が今行ける留学、右が交換留学の準備)。
・今日:「大学名+短期留学・海外研修」で検索する/次の学内募集と協定校一覧を開く
・今週:外国語要件、費用、締切、支援、単位を確認する/候補3校の試験名・必要な点・提出時期を書く
・1か月以内:参加する目的を1文にし、必要なら説明会へ行く/模試か1回目の受験を予約して差を測る
・次の休み:条件が合えば短期研修で実際に使ってみる/帰ってからも試験対策とGPAの管理を続ける
・学内締切まで:経験を無理に飾らず、学んだことを整理する/必要なスコア、志望理由、履修計画をそろえる
・選考の後:見つけた弱点を勉強の計画に戻す/専門の授業・生活・緊急時の英語を準備する
a. 募集締切の確認
英語の勉強から始めたくなりますが、先に所属大学の条件を見てください。
必要な試験がIELTSなのにTOEFLだけを勉強していた、スコアが出たころには学内募集が終わっていた、ということがあると、次の募集まで待つことになってしまいます。
「大学名+交換留学+募集要項」「大学名+協定校」「大学名+TOEFL+IELTS」で検索して、最新年度の公式資料を保存してください。
候補校から英語の目標点を逆算する手順は次の記事にあります。
b. 締切が近いときの選択肢
スコアがまだなく、学内締切までも短いなら、1回の試験に賭けるより、次の募集に目標を移すのも手です。
その間に短期研修へ行く、国内の国際交流に参加する、専門分野の英語の授業を取るなど、準備を実際に使う場につなげられます。
ただ、学年、必修、ゼミ、就活、卒業時期によっては「次」が使えない人もいます。延ばす前に、次の募集でも卒業の計画が成り立つかを所属学部と留学窓口に聞いてください。
何年生のどの学期に行くかは交換留学は何年生が正解かで比べています。
6. 避けたい4つの選び方
a. 自信がつくまでの様子見
自信には、はっきりしたゴールがありません。
調べないまま待っていると、英語力より先に締切を逃してしまいがちです。調べることと勉強は同時に始めるのがおすすめです。
b. 「英語不問」だけでの判断
要件がないのは入りやすいということで、授業の質、支援、費用、クラスの顔ぶれ、現地で英語を使う量までは保証されません。
参加しただけで話せるようになるわけでもなく、授業時間、クラス、住まい、放課後の過ごし方で英語を使う量は変わります。
「入れるか」だけでなく「何を経験できるか」も見てみてください。
c. 「短期で準備完了」の思い込み
短期留学に行っても、TOEFL・IELTSの提出、GPA、学内選考は別に残ります。
帰国日、試験日、学内締切を先に並べて、経験を本命の応募につなげられる日程にしてください。
d. 英語優先でのGPA低下
語学試験は受け直せますが、累積GPAには過去の成績が全部入ります。
英語対策のために授業や課題を崩して、行きたい協定校のGPA条件に届かなくなっては意味がありません。
個人的には、学期中はGPAを守って、英語は休みや受験日程に合わせて進めるのがいちばん確実だと思います。
まとめ
- 英語が話せないことは、交換留学をあきらめる理由にならない。交換留学は話せる自信ではなく所属大学と協定校のスコア条件と締切で決まる
- 外国語要件のない大学の短期語学研修なら、今の英語力でも行ける。ただし短期でも専門講義型は高い英語力を求めることがある
- 短期に行く場合も、交換留学の締切・試験・GPAの管理は止めない
今日やることは「大学名+短期留学」と「大学名+交換留学 募集要項」で検索して、両方の締切を1つずつ書き出すことです。
参考にしたサイト: JASSO「留学までのタイムスケジュール」 / 関西学院大学「外国語研修」 / 東北大学「短期海外研修(SAP・FL)」 / 東北大学「ショートプログラム募集情報」 / 慶應義塾大学「派遣交換留学の募集・学内選考における2026年度以降の変更点」 / 関西大学「交換派遣留学(一般枠)募集要項 2026年9月募集」 / ETS「TOEFL iBTスコアの見方」
最終確認:2026年9月6日。体験談は筆者個人のもので、同じ結果を保証するものではありません。語学要件、募集時期、試験方式、費用、単位、奨学金、支援内容は年度・大学・学部・プログラムによって異なります。応募・申込み前に、所属大学と実施機関の最新の公式情報をご確認ください。
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