交換留学で住民票は抜く?海外転出届の決め方と、健康保険・年金・住民税・マイナンバーカードへの影響

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【大学間交換留学の教科書編集部】

交換留学を考える大学生のための、大学や留学エージェントから独立した情報サイトです。
全国の旧帝大で交換留学や海外大学院留学を経験したメンバーが、自分たちの経験と公式情報をもとに運営しています。

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交換留学の準備で役所の手続きを調べ始めると、「住民票は抜いたほうがいいの?」と迷いますよね。
私は、半年や10か月ほどの交換留学なら、海外転出届は出さずに住民票を残すのをすすめます。
多くの市区町村は1年以上海外に住むときに転出の届出を求めていて、住民票を残せば健康保険も年金の学生納付特例もそのまま続くからです。

海外転出届を考えるのは、滞在が1年以上になると決まったときだけです。

1. 海外転出届を出す基準

海外転出届を出すかどうかを決めるのは、海外に住む予定の期間です。
千葉市や静岡市は、海外に1年以上滞在するときに転出の届出が必要だと案内しています。
西宮市も、1年未満の海外滞在なら原則として転出届は要らないとしています。
細かい扱いは市区町村ごとに案内が違うので、最後は住民票のある役所のページで確かめてください。

交換留学に当てはめると、次のようになります。
・1学期(4〜5か月)の交換留学なら、住民票を残す
・1年間の交換留学(9月〜翌6月など10か月前後)でも、住民票を残すのが基本。出国から帰国までが1年を超えそうなら役所に相談する
・交換留学のあと、そのまま海外で進学や就職をするなら、1年以上になると決まった時点で転出届を出す

途中で予定が変わったときも同じ考え方です。
西宮市は、1年未満の予定で出国したあとに滞在が1年以上になると分かったら、その時点で転出届を出すよう案内しています。
「延長すると1年を超える」と分かった段階で、家族か役所に連絡しておくと慌てずに済みます。

なお、転出届とは別に、外務省への届出は滞在期間で決まります。
3か月以上滞在するなら在留届、3か月未満ならたびレジです。住民票を残す人も在留届は出すので、到着後の手続きと一緒に済ませておくと楽です。

2. 住民票を残したときに続くもの

住民票を残すと、日本の制度はほとんど出国前のまま続きます。
大きいのは健康保険と年金の2つです。

a. 健康保険と海外療養費

親の会社の健康保険に扶養として入っている人も、自分で国民健康保険に入っている人も、留学中に保険の資格は続きます。
国民健康保険の人は保険料の支払いも続くので、口座振替にしておくと安心です。

続けておくと、留学先で病院にかかったときに海外療養費を申請できます。
国民健康保険では、帰国後に申請すると、日本で同じ治療を受けた場合の金額を基準に、払った医療費の一部が支給されます。
治療を目的に渡航した場合は対象外で、申請できるのは支払った日の翌日から2年以内です。

ただ、戻るのは日本の保険診療の基準で計算した分だけで、海外で払った額がそのまま戻るわけではありません。
大学や留学先が求める保険には、これとは別に入っておく必要があります。

申請には、現地の医師に書いてもらう診療内容明細書と領収明細書が要ります。
帰国してから頼むと時間がかかることがあるので、受診したその場で頼めるよう、住民票のある市区町村の様式を出発前に保存しておくのがおすすめです。

b. 年金と学生納付特例

20歳以上の学生は、住民票を残している間は国民年金の被保険者のままです。
所属大学に在籍したまま行く交換留学なら、学生納付特例もそのまま使えます。

気をつけたいのは、学生納付特例の申請が毎年度必要なことです。
在学を続ける人には4月以降に申請書が送られてくるので、秋に出発して翌年の夏に帰る人は、留学中に申請の時期が来ます。
電子申請もできるので、出発前にやり方を確かめるか、届いた書類の扱いを家族に頼んでおくと安心です。

3. 海外転出届を出したときに変わるもの

1年以上海外に住むことになり転出届を出すと、健康保険、年金、住民税、マイナンバーカードの4つの扱いが変わります。

a. 健康保険

住民票がなくなるので、国民健康保険は抜けます。
保険料はかからなくなる一方で、海外療養費は使えなくなります。

親の会社の健康保険に扶養で入っている人は、扱いが違います。
2020年4月から扶養の条件に日本国内に住んでいることが加わりましたが、「外国において留学をする学生」は例外として、届出をすれば扶養を続けられます。
届出にはビザや在学証明書などの写しを付けるので、手続きは親の勤務先に相談するのが早いです。

b. 国民年金

国民年金への加入は義務ではなくなり、日本国籍の人は希望すれば任意加入できます。
ただし、国内に住所がない人は学生納付特例や保険料免除の対象になりません。任意加入するなら、保険料を払うことになります。

個人的には、ここが転出届を出すときにいちばん見落としやすい点だと思っています。
住民票を残していれば学生納付特例で猶予できた保険料を、任意加入なら払う形になるからです。
加入しないと、その期間は将来の年金額に入りません。

c. 住民税

住民税は、1月1日に住民票のある市区町村がかけます。
1月1日より前に転出届を出して出国していれば、その年度の住民税はかかりません。
1月2日以降に出国した場合は、その年度の住民税はそのままかかります。

アルバイトなどで収入があった人は、出国前に住民税の窓口で、納付書を誰が受け取って払うか(納税管理人)を確かめておくと安心です。

d. マイナンバーカード

2024年5月27日から、転出届を出しても、手続きをすればマイナンバーカードを海外で使い続けられるようになりました。
継続利用の手続きは転出予定日の前日までに済ませる必要があり、転出日の当日に転出届と一緒に出すとできない市区町村もあります。
転出届と同じ日にまとめず、数日前に役所へ行くのが確実です。

まとめ

  • 半年や10か月ほどの交換留学なら、海外転出届は出さずに住民票を残すのが基本
  • 住民票を残せば、健康保険(海外療養費)と年金の学生納付特例がそのまま続く。学生納付特例は毎年度の申請を忘れない
  • 転出届を出すのは1年以上になると決まったときで、国民健康保険は抜け、年金は学生納付特例が使えなくなる

今日やることは、住民票のある市区町村のページで国外転出の基準を確かめて、自分の出国日と帰国日を並べてみることです。


参考にしたサイト: 千葉市「千葉市から国外へ住所を変更するとき(転出届)」 / 静岡市「転出届:静岡市から国外へ引越しするとき」 / 西宮市「海外出張などの場合の個人住民税」 / 江戸川区「1月1日現在、海外へ出国中の場合の住民税の取り扱い」 / 文京区「海外へ転出される方の手続きについて(納税管理人の選任)」 / 西宮市「国民健康保険の海外療養費の支給」 / 新居浜市「海外療養費について」 / 日本年金機構「国民年金保険料の学生納付特例制度」 / 日本年金機構「学生納付特例制度のご案内」 / 名古屋市「国民年金保険料の学生納付特例制度」 / 内閣「海外留学中の学生における学生納付特例制度に関する質問に対する答弁書」 / 日本年金機構「国民年金 国内居住要件」 / 日本年金機構「従業員の家族が海外居住の場合の手続き」 / デジタル庁「マイナンバー法改正法等の施行日を定める政令が閣議決定されました」 / 神戸市「国外転出者向けマイナンバーカード」 / 浜松市「国外転出者向けマイナンバーカード」

最終確認:2026年10月30日。転出届の基準、健康保険・年金・住民税の扱いと必要書類は、市区町村や加入している健康保険によって異なります。出発前に、住民票のある市区町村と加入している健康保険に確認してください。