【大学間交換留学の教科書編集部】
交換留学を考える大学生のための、大学や留学エージェントから独立した情報サイトです。
全国の旧帝大で交換留学や海外大学院留学を経験したメンバーが、自分たちの経験と公式情報をもとに運営しています。
留学したいけれど、100万円で足りるのか気になりますよね。
私は、100万円以内でも、留学はできると考えています。
ただし、何週間の研修か、半年の交換留学か、1年の留学かで、成り立つ条件がかなり違います。
・短期(3〜12週間):大学の語学研修やフィリピンの語学学校なら、英語圏も含めて候補になる
・半年:生活費を抑えられる協定校への交換留学なら、候補に入る
・1年:給付奨学金と組み合わせて、自己負担を100万円以内にする形になる
学校の料金だけで申し込むと、航空券や保険、現地で払う費用があとから増えてしまいます。
この記事では、大学生と保護者向けに、公式の費用例から候補を絞る手順を説明します。交換留学を使えない社会人は、短期の部分を参考にしてみてください。海外大学を卒業するまでの正規留学の費用は含めていません。
1. 目的別に調べる4つの選択肢
希望ごとに、最初に調べる選択肢と、100万円で考えるときの条件は次の4つです。
・休暇中に海外で学びたいなら、数週間の大学語学研修。参加費に含まれない費用を足して判断する
・英会話を集中的に練習したいなら、フィリピンなどの語学学校。期間・相部屋・現地費用で大きく変わる
・半年ほど大学の授業を受けたいなら、生活費を抑えられる協定校への交換留学。所属大学の協定・履修条件・住居を確認する
・1年間、大学で学びたいなら、交換留学と給付奨学金の組み合わせ。「総額」ではなく「自己負担」が100万円以内になる可能性がある
個人的には、大学生で半年以上を考えているなら、まず所属大学の交換留学を確認するのがおすすめです。留学先の授業料が免除される協定なら、その分を住居や生活費に回せるからです。
ただ、交換留学には学内選考と留学先の語学条件があります。英語の基礎から練習したい段階なら、語学の授業が多い短期留学のほうが合っています。
同じ100万円でも、何を学ぶ時間に使うかで選んでみてください。制度の違いは短期・語学・交換・認定・休学留学の比較で整理しています。
2. 「総額」と「自己負担」の違い
この記事でいう留学総額は留学先に払う学費・住居費・生活費に、航空券、保険、手続きの費用などを足した金額です。
自己負担はそこから返済不要の給付奨学金などを引いた金額です。貸与奨学金やローンはあとで返すお金なので、安くなったとは考えません。
たとえば留学総額150万円に給付奨学金60万円が付けば、自己負担は90万円です。
ただ、150万円分の支払いは実際に発生します。奨学金の入金があとなら、先に払うお金が別に必要です。
これは計算の例で、特定の制度の給付額ではありません。
日本の大学の授業料、日本に残す部屋の家賃、卒業が延びた場合の学費・生活費は、別の欄で足すのがおすすめです。
交換留学では留学先の授業料が免除されても、日本側の授業料は続くことがあります。
家族が「大学の学費も含めて100万円」と考えているなら、その分を先に引いた残りで、留学先を探す形です。
半年〜1年の交換留学なら、交換留学費用シミュレーターで自分の条件を試せます。実際の家賃・航空券・給付奨学金に置き換えると、「100万円で行けたら」という希望と、準備する費用の差が見えます。短期語学研修のパッケージ料金を計算するものではありません。
初期設定では日本の大学の学費も総費用に入るので、この記事の「留学総額」と比べるときは、学費と国内家賃の入力をそろえてください。予備費と返金予定の保証金は、費用とは分けて「用意したい資金」に入れます。
見方は交換留学費用シミュレーターの使い方で説明しています。
返金予定の寮の保証金も、払う時点では用意するお金です。
最終的な費用、家計全体の支出、途中で必要な手元資金の3つを分けておくと、親子でも相談しやすくなります。
3. 短期留学の費用例
a. 大学の3週間研修
電気通信大学が案内した2026年夏期研修には、次の費用例がありました。
どちらも募集済みの研修の公表例です。今から同じ条件で申し込める商品や、他大学の学生がそのまま使える料金ではありません。自分の大学で似た研修を探すための比較材料として見てもらえれば大丈夫です。
・カナダ・UBC/3週間:参加費約75万円。往復航空券・授業料・ホームステイ等を含み、滞在は3食付き。別に、指定保険9,410円+危機管理サービス3,630円、国内の空港までの交通、現地移動・自由時間の支出等
・ベトナム・FPT大学/3週間:参加費約38万円。往復航空券・授業料・ホテル等を含み、ホテルは朝食付き。別に、指定保険9,410円+危機管理サービス3,630円、昼夕食、国内移動・自由時間の支出等
出典:UBC研修募集要項、FPT大学研修募集要項。参加費は資料上の概算で、為替や参加人数などによって変わり得ます。奨学金は差し引いていません。
UBCの例で、参加費を75万円として指定保険・危機管理サービスを足すと763,040円で、100万円までの残りは236,960円です。
この残りで、まだ入っていない交通費や日用品、予備費まで払えるかを確認します。「英語圏だから予算外」と最初から外す必要はなさそうです。
FPT大学は同じ3週間でも費用を抑えやすい一方、食事の条件が違います。内容も、UBCは英語でグローバルなテーマを学ぶ研修、FPT大学は英語のコミュニケーションや現地学生との交流を含む研修です。価格だけでなく授業と交流の中身も見比べてみてください。
個人的には、短期で行くなら、まず所属大学のプログラムから探すのがおすすめです。私も大学のプログラムで、アメリカに1か月の短期留学をしました。
大学経由の研修は、全学向け・学部向け・学内ポータルで募集が分かれていることがあります。探す場所は大学の短期留学・海外研修の探し方にまとめています。
なお、ここで見た短期研修の金額を、そのまま半年に当てはめることはできません。
b. フィリピンの語学学校
語学学校の料金は国名だけでは決まらず、何週間・何人部屋かで変わります。
セブの3D ACADEMY公式料金表には、ESLコースの渡航前支払額として次の金額が載っています。入学金・授業料・寮費などを含み、食事は3食付きですが、航空券・海外保険・現地払いの費用は別です。
・12週間・4人部屋:525,000円(100万円との差額475,000円)
・12週間・1人部屋:788,500円(差額211,500円)
・24週間・6人部屋:910,300円(差額89,700円)
出典:3D ACADEMY公式料金表(2026年9月8日確認、ESLコース)。差額は単純計算で、自由に使えるお金ではありません。SSPなどの手続き、教材・管理費、保証金、航空券、保険、個人的な支出をここから賄います。申込条件ごとの正式見積もりで確認してください。
12週間の4人部屋なら、追加費用を収める余地があります。
反対に24週間の6人部屋は渡航前の支払いだけで90万円を超えます。「フィリピンなら半年100万円で大丈夫」とは言えません。
個室にするか、期間を短くするかも含めて、自分が続けられる生活環境と一緒に考えるのがおすすめです。
この学校は料金の分け方を見るための例で、最安校やおすすめの順位ではありません。
見積もりを頼むときは、総額のほかに、マンツーマン授業のコマ数、休講日、部屋の条件、変更・取消の条件も比べておくと安心です。
2週間と1か月で迷っているなら、同じ学校・部屋で比べた短期留学の費用計算で、航空券や現地払いを足したうえで期間を短くするといくら変わるかを整理しています。
4. 半年の交換留学の費用例
半年の交換留学の費用は協定校と住居で決まります。
大学の専門科目を学びたいなら、語学学校の期間を延ばす前に、交換留学の募集を確認してみてください。
ただし、行けるのは自分の大学・学部が募集する協定校で、語学力、成績、履修分野などの条件もあります。
電気通信大学の交換留学費用表には、2026年4月時点の半年の目安が載っています。大学がまとめた概算で、個別の見積もりや全国共通の相場ではありません。
奨学金を引く前の金額と、100万円予算での見方は次のとおりです。
・台湾・淡江大学:65万〜80万円。上限80万円なら、残り20万円で未計上の費用等を確認
・ポーランド・ポズナン工科大学:70万〜90万円。上限90万円なら残り10万円で、住居・追加費用の精査が必要
・スウェーデン・ブレーキンゲ工科大学:90万〜100万円。上限では予算を使い切るので、そのままでは余裕がない
含まれるもの:家賃・自炊の食費・現地交通費・雑費、航空券、保険、危機管理費用。含まれないもの:電気通信大学への授業料。ビザ・学生登録料・教材・旅行など、表の内訳で個別に確認できない費用も、含まれると決めつけず追加確認が必要です。
上限で計算しても余裕が残る候補から調べると、途中で予算を組み直さずに済みます。
安い学生寮のつもりが民間住宅になった場合や、住居の契約が滞在期間より長い場合は、金額が変わります。大学名を決める前に、寮に入れるか、何か月分の家賃が必要かまで見ておくと安心です。
台湾やポーランドを選ぶ場合も、希望の学部に英語で受けられる科目があるかは別に確認が必要です。
「英語圏ではないから安い」で止めず、授業言語・履修制限・単位認定まで確認できた候補を残すのがおすすめです。
住居や契約期間から試算する方法は、交換留学の費用を都市・寮・期間別に考える記事で詳しく扱っています。
5. 1年:給付奨学金と入金時期
1年の留学で自己負担を100万円以内にするなら、給付奨学金が候補になります。
ただ、まだ採用されていない段階から、そのお金がある前提で支払いを約束するのはやめてください。
JASSOの海外留学支援制度(協定派遣)は、現行の案内で月額8万・9万・11万・12万円の地域別区分があります。
在籍大学を通じた制度で、対象プログラムや学生の審査などの条件があり、交換留学の内定だけで自動的にもらえるわけではありません。実際の支給月数も大学に確認してください。
条件や応募の流れはJASSO協定派遣の解説記事で詳しく扱っています。
予算を考えるための仮の例として、留学総額160万円、給付月額8万円、支給10か月なら、160万円−80万円=自己負担80万円です。不採用なら自己負担は160万円です。
応募中はこの2通りを書いておき、採用通知が来てから確定の予算に入れると整理しやすいです。
金額と同じくらい大事なのが、初回の振込日と、振込前に払う家賃・航空券・保証金です。
たとえば初回入金までに60万円の支払いがあり、手元に40万円しかなければ、その時点で20万円足りません。最終的な自己負担が予算内でも、この不足は別に解決が必要です。
大学への出願や渡航手続きで資金証明を求められることもあるので、貯金額だけで「1年行ける」とは判断しないようにしましょう。
JASSO以外も含めた探し方は交換留学の奨学金ガイドへ。所得条件で候補が狭い人は、所得制限なしの奨学金を調べた記事も参考になります。
複数の制度に応募できても、同時に受け取れるとは限りません。給付額を単純に足さないでください。
6. 100万円に収める予算の作り方
見積もりを並べる前に、次の7つの欄を一度埋めてみてください。
学校や大学の提示額と重なる項目には「含まれる」と書き、二重に足さないようにします。
① 学校へ払う費用:入学金、授業料、施設・教材費、手配手数料
② 渡航・手続き:往復航空券、国内移動、査証等、指定保険・危機管理サービス
③ 滞在中の支出:家賃の契約月数、食事、交通、通信、日用品
④ 任意支出・予備費:旅行・外食の上限、為替や急な移動のための余裕
⑤ 日本で続く支出:所属大学の授業料、残す部屋の家賃、必要なら卒業延期分
⑥ 給付と支払日:採用済み給付の金額・入金日、各費用の支払期限
⑦ 一時的に必要な資金:保証金・前払い家賃など。返金時期も記録
計算は、①〜④=留学総額、①〜⑤=家計で見る総支出です。
それぞれから採用済みの給付を引いたうえで、⑥⑦を使って支払いのタイミングごとの残高も確認します。
返金される保証金は最終的な費用とは分けますが、戻ってくるまでは残高から消えます。
現地のアルバイト代は、仕事が決まっていないなら収入ゼロで計算しておくと安心です。働ける条件は渡航先と滞在資格で違い、ワーキングホリデーで生活費を稼ぐ計画と、大学や語学学校で学ぶ計画は、授業に使える時間も含めて別に比べる必要があります。
a. 予算ぎりぎりのときの見直し順
個人的には、100万円が上限なら、たとえば10万円を予備費として残し、残り90万円に収まる条件を探すほうが組み立てやすいかなと思います。10万円は安全を保証する基準ではなく、必要な余裕は渡航先や期間次第です。
契約前に見直す順番は、大学の授業料免除や給付制度→滞在期間→住居・部屋タイプ→旅行や外食がわかりやすいです。
保険や安全な住居を削って帳尻を合わせる計画にはしないでください。短期に切り替える場合も、取消料がかかる前に相談すれば選択肢が残ります。
海外送金の手数料や荷物の料金を詰めるより、毎月の家賃や学費そのものを先に確認したほうが、候補の違いがつかめます。
私はヨーロッパの留学先に学期の費用を払うとき、Wiseで送金しました。学費や寮費の払い方は交換留学でWiseを使った実体験にまとめています。
b. 為替変動の試算
外貨で払う費用は、為替が動いた場合も一度計算してみてください。
たとえば外貨建ての支出が円換算60万円なら、同じ外貨額でも円での負担が10%増えると66万円です。
相場を予想するのではなく6万円増えても計画が成り立つかを確かめるための計算です。
まとめ
- 短期は大学の研修や語学学校、半年は協定校への交換留学、1年は給付奨学金との組み合わせで、100万円以内が見えてくる
- 「総額」と「自己負担」を分け、日本の大学の学費や入金前の支払いも別に数える
- 候補は上限の費用に未計上の費用と予備費を足しても、100万円に収まるものから調べる
今日やることは「日本の大学の学費は別に確保できるのか」まで含めて100万円の範囲を家族とそろえ、所属大学で短期研修と半年の交換留学の募集を調べることです。
今の募集は留学奨学金の一覧でも探せます。行き先が決まったら、出発までの手続きは次の記事の順番で進めてみてください。
参考にしたサイト: 電気通信大学:交換留学の費用 / 電気通信大学:2026年夏期語学研修 / UBC研修募集要項 / FPT大学研修募集要項 / 3D ACADEMY:料金のご案内 / JASSO:海外留学支援制度(協定派遣)
最終確認:2026年9月8日。費用例の年度・対象者・含有項目は本文に記載しています。募集条件、料金、為替、給付条件は変わるため、申込み前に所属大学・学校の最新案内と正式見積もりを確認してください。体験談は筆者個人のもので、同じ結果を保証するものではありません。
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