【大学間交換留学の教科書編集部】
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就活塾やエージェントを使うかどうか、迷いますよね。
就活塾は使ってかまわないと私は考えています。一方で、就活エージェントはおすすめしません。
どちらを使う場合も、申し込む前に「誰が料金を払い、どの時点で売上になるか」を確認しておくのをすすめています。
お金の流れがわかると、その助言がどこまでの範囲から出ているのかが見えてきます。
私は就活支援を受けること自体は悪いと思っていません。
自分では気づけない話し方を指摘してもらえたり、知らなかった企業に出会えたりする価値はあります。
それでも、最後にその会社に入って毎朝働くのは自分です。
就活塾もエージェントも入社後の選択までは引き受けてくれません。
この記事で伝えたいことは次の4つです。
・就活塾は使ってかまわないが、就活エージェントはおすすめしない
・エージェントの紹介は「その会社が扱える求人」の中から出てくる
・勧める理由と同じだけ、弱点と紹介できない選択肢も聞く
・無料相談で高額な契約を勧められたら、その場では決めない
面接で何を伝えるか迷っているなら、サービスを探す前に、採用する側が短い時間で何を見ているかを知っておくと、相談したいことを絞れます。
私は採用する側として面接をしたことがあり、そのとき見ていたことを次の記事に書いています。
1. 就活支援サービスのお金の流れ
気にしたいのは、サービスの名前よりお金の流れです。
就活塾は学生や保護者が払い、就活エージェントは主に採用する企業が払います。
厚生労働省は民間の人材サービスを「職業紹介事業」と「募集情報等提供事業」に分けています。
前者は求職者と企業の両方から申込みを受けてマッチングするもの、後者は求人広告や求職者の情報を提供するものです。どちらも企業が料金を負担し、求職者は基本的に無料で使える形があります。
支援の形ごとに整理すると、次のようになります。
・有料の就活塾:払うのは学生・保護者。添削、模擬面接、学習の管理を続けて受けられる。その分、契約の継続や上位プラン、追加講座を勧める動機がある
・就活エージェント(職業紹介):払うのは主に企業。契約している求人の紹介、日程調整、選考情報がもらえる。紹介できる求人には範囲があり、採用・入社で売上が出る
・求人・スカウトなどの情報サービス:払うのは主に企業。求人や企業との接点、応募の機会が得られる。掲載企業や広告、スカウトが目立ちやすい
・大学のキャリアセンター:大学が運営。大学独自の求人や卒業生の情報、相談がある。担当者の専門や相談枠、持っている情報には限りがある
有料だから中立、無料だから危険、ということではありません。
私が見ておきたいのは、その助言で、誰のどの行動が売上につながるかです。
1つの会社が有料講座と企業紹介の両方をしていたり、就活塾が別の紹介会社と提携していたりすることもあります。
企業を紹介されたら、その紹介で別の報酬が出るのかも聞いておくと、助言の位置づけがわかります。
2. エージェントが無料の理由
エージェントが無料なのは、企業が払っているからです。
面談やES添削、模擬面接が無料でも、費用がかかっていないわけではありません。
厚生労働省の求職者向け資料でも、求人企業が料金を払う職業紹介事業者があり、求職者は基本的に無料で使えると説明されています。
職業紹介事業者は企業から受け取る手数料に関することを求職者に明示しなければなりません。
2025年4月からは、実際に受け取った紹介手数料率を「人材サービス総合サイト」に載せるルールも始まりました。お金の流れは、学生に隠してよい情報ではないということです。
とはいえ、手数料をもらっているから担当者が悪い、という話ではありません。
早く辞めたときに手数料の一部を企業に返す制度を持つ会社もあり、長く働ける紹介をしたほうが評判や取引につながる面もあります。
一方で、その会社と契約のない企業に学生が直接応募しても、紹介手数料は出ません。
紹介できる求人が限られていて、採用や入社で売上が立つなら、助言が「扱える求人」と「決まりやすい時期」に寄る可能性はあります。
正直、担当者にどんな売上目標があるかは、外からはわかりません。
だから「ノルマがあるはず」と決めつけず、報酬が出る条件と、扱える求人の範囲を聞くほうが確実です。
個人的には、担当者の人柄を信じるかどうかより、紹介できる範囲を言葉にしてもらうほうが確かだと思っています。
たとえば「私の希望だと、御社が扱っていない企業や職種も含めて、どこが候補になりますか」「この会社を勧める理由と、合わないかもしれない点を1つずつ教えてください」と聞いてみてください。
「わからない」「うちでは扱っていない」「この会社には合わない点もある」と言える担当者なら、話を分けて聞きやすいです。
3. 自分で決めるべき範囲
「誰も責任を負ってくれない」というのは、「失敗したら全部自分のせい」という意味ではありません。
企業が説明していなかったことや、入社後に変わったこと、不公正な扱いまで、ひとりで背負わなくて大丈夫です。
それでも、どこに応募し、どの内定を受けるかは、相談相手に預けきれません。
入社して合わなかったとき、講師や担当者が代わりに通勤して、上司と働いてくれるわけではないからです。
私が怖いと思うのは、勧められた会社に入ることそのものではなく、「プロが言うなら間違いない」と考えて、自分が何を大事にして選んだのかを言えないまま承諾することです。
判断の理由が残っていないと、結果がよくても悪くても、次の選択に生かせないんです。
勧められた会社を断るのも自由です!「勤務地を優先したいので」「仕事内容が希望と違うので」と、理由を短く伝えれば十分だと思います。
4. 就活塾が向く人・向かない人
有料の就活塾は学生が払うので、「特定の企業に入社すると紹介料が出る」仕組みとは違います。
困っていることがはっきりしていて、何をしてもらえるかを契約前に確かめられるなら、払う意味はあります。
払う意味が出やすいのは、次のようなときです。
・面接で同じことを指摘されるのに、原因が自分ではわからない
・志望業界が特殊で、必要な練習がはっきりしている
・担当者、回数、添削の範囲、期限が契約前にわかる
・総額と解約の条件を理解していて、無理なく払える
・大学の支援や単発の相談を試しても、課題が残った
逆に、次のようなときは契約を急がないほうがいいと思います。
・なんとなく周りより遅れている気がする
・「入れば内定できそう」という安心がほしい
・担当者やカリキュラムが契約するまでわからない
・借入れや長い分割払いをその場で勧められている
・無料相談のはずが、予告なく高額な契約の話になった
金額が妥当かどうかは、金額だけでは決められません。
担当者、期間、面談と添削の回数、対象の業界、返金・解約の条件を並べて、大学の支援や単発のサービスでは足りない部分にいくら払うかで考えると、判断しやすいです。
比べるときは月額ではなく分割手数料を含めた総額で見るのがおすすめです。
個人的には、先に大学のキャリアセンターや単発の相談を試してから考えても、遅くないと思います。
国民生活センターは2025年、無料セミナーや相談をきっかけに高額な就活サポートを契約した相談事例を公表しました。
ある例では、入会金15万円と約40万円のサポートを個別クレジットで契約し、手数料を含む総額が80万円近くになっています。
別の例では「今のままでは厳しい」と言われ、考える時間もないまま3か月約12万円の契約をしています。
これは相談事例で、就活塾全体の料金や質を表すものではありません。
ただ、不安を指摘する人と、その不安を解消する高額な商品を売る人が同じなら、いったん席を立つ理由になります。
課題が本当にあっても、その商品を今日買う必要はありません。
5. 契約・紹介前に聞く7つの質問
契約や紹介の前に聞くことは次の7つです。
サービスを疑うためではなく助言の範囲を知るための質問です。
- 誰が料金を払っていますか(学生、保護者、企業のどこから収益を得ているか)
- いつ売上が発生しますか(契約時、月額、応募、採用、入社のどこか)
- 紹介できない企業はありますか(紹介の元が就職市場全体ではないことを確かめる)
- なぜ私に合うのですか(希望の条件と求人のどこがつながっているか)
- この選択肢の弱点や、まだわからない点は何ですか(よい面だけの話になっていないか)
- 総額、追加料金、解約・返金の条件はどうなっていますか(月額ではなく総額と、やめるときの条件)
- 今日決めなくてもいいですか(企業の本当の締切か、販売上の期限か)
この中でも、3と5は必ず聞いておきたい質問です。
「何を紹介できないか」「その会社の何がまだわからないか」まで話せる担当者なら、情報の境目を共有できます。
答えは口頭で終わらせず、契約書、利用規約、メール、求人票でも確かめておくと安心です。
6. いったん持ち帰る7つのサイン
次のどれかに当てはまったら、その日は決めずに帰ってください。
- 無料相談の目的や、有料サービスの勧誘があることを事前に説明されていない
- 「100%内定」「この方法なら必ず受かる」と結果を言い切る
- 「今のままでは失敗する」と不安をあおった直後に契約を求める
- 親、友人、大学のキャリアセンターに相談する時間を嫌がる
- 料金の総額、追加費用、解約の条件を文書で出さない
- 特定の企業を勧める理由が「あなたなら受かりやすい」だけ
- 企業の公式な締切を確かめられないのに、当日中の応募や承諾を迫る
企業の正式な締切が本当に当日、ということもあります。
ただ、その期限を求人票や企業からの連絡で確かめられるかは別の話です。
確かめられない急かし方に、その場で人生の選択を合わせる必要はありません。
親や友人に相談するときは、進路を決めてもらうのではなく、契約の総額、解約の条件、勧誘のときの説明を外から見てもらうと話しやすいです。
7. 相談相手ごとの役割分担
情報は相手ごとに役割を分けて集めましょう。
完全に中立な相談相手を1人探すより、相手ごとに得意なことと偏りを分けて聞くほうが現実的だと思います。
任せることと、そのまま信じないことは、次のように分けられます。
・企業の公式採用情報:応募条件、締切、雇用条件、選考方法。仕事の難しさや配属後の実感まではわからない
・就活エージェント:契約求人、日程調整、選考で見られやすい点。紹介先以外も含めた一番いい進路は出てこない
・OB・OG、社員:日々の仕事、仕事の決め方、職場で感じる違い。1人の経験を会社全体の話にしない
・大学のキャリアセンター:大学独自の求人、卒業生の情報、第三者としての整理。すべての業界の最新事情までは持っていない
・自分:何を優先し、何を引き受けるかを決める。不安が強いときの思い込みには気をつける
私なら、気になる企業が出てきたら「公式情報で条件を確かめる」「社員に仕事の実際を聞く」の2つに分けて集めます。すでにエージェントを使っているなら、選考情報と紹介の理由も聞いてみてください。
同じ質問を立場の違う人にすると、答えの違いそのものが判断の材料になります。
紹介の担当者とは別に社員本人の話を聞きたいなら、OB・OG訪問がおすすめです。
ただ、その人の話も「その人から見えた会社」です。できれば何人かに同じ質問をして比べてみてください。
何を聞けばいいかは交換留学生がOB・OG訪問で聞くべき質問15選にまとめています。
8. 交換留学中のエージェント
交換留学中は日本の説明会に出にくく、同級生の動きも見えません。
時差のある中で締切を探して、選考の日程を合わせるのも意外と大変です。
だから、求人をまとめて日程をつないでくれるエージェントは便利です!
その分、「留学経験を生かせる会社です」「海外経験者を歓迎しています」という説明に引っ張られやすいです。
留学を評価してくれることと、自分がその仕事を続けたいかは別です。
海外部門があることと、入社してすぐ希望の仕事ができることも同じではありません。
個人的には、留学中でもエージェントはおすすめしません。使う場合も、任せるのは契約求人の締切、海外から受けられる選考、日程調整、選考後のフィードバックまでにしておくのがいいと思っています。
企業を選ぶ基準(仕事内容、配属、勤務地、育成、報酬、働き方)は、自分で書き出しておくのがおすすめです。
留学中の就活を何から始めるかは、帰国時期別に次の記事で説明しています。
留学経験の伝え方だけが課題なら、契約を増やす前に交換留学のガクチカを事実まで分解する方法を試してみてください。
400字の例文と、面接で聞かれやすい深掘りの質問までまとめています。
9. 契約後に困ったときの相談先
すでに高額な就活サポートに申し込んで、「解約したいと言いにくい」「説明と内容が違う」と感じているなら、担当者とのやりとりだけで抱え込まなくて大丈夫です。
契約書、申込画面、広告、メール、チャット、決済の記録は、消さずに残してください。
国民生活センターによると、勧誘されると知らずに呼び出されたり、Web会議や電話の面談で有料サポートを勧められたりした場合は、状況によってクーリング・オフができることがあります。
不安をあおる勧誘や、親への相談を妨げる勧誘なら、消費者契約法で取り消せる場合もあります。
使えるかどうかは契約の方法や経緯で変わるので、自分で判断せず、早めに消費者ホットライン188に電話してください。最寄りの消費生活センターにつながります。
まとめ
- 有料か無料かより、誰が払い、いつ売上になるかを見る
- 勧める理由と同じだけ、弱点と紹介できない範囲を聞く
- 高額な契約は総額と解約の条件を文書でもらって持ち帰る(困ったら188)
助言は判断の材料です。
「なぜこの会社を選ぶのか」を自分の言葉で言える状態だけは、最後まで手放さないでほしいと思っています。
今日やることは、使っている、または使おうとしているサービスに「誰が料金を払っていて、紹介できない企業はどこか」をメールで1通聞いてみることです。
参考にしたサイト: 厚生労働省「知っておきたい!民間人材サービス利用のポイント」 / 厚生労働省「雇用仲介事業者への新たなルール」 / 厚生労働省「人材サービス総合サイト」 / 国民生活センター「“無料”セミナーだけのつもりが…高額な就活サポート契約にご注意!」 / 慶應義塾大学「悪徳就活塾・セミナー等に注意」
最終確認:2026年9月7日。職業紹介事業者の取扱求人、紹介手数料、返戻金制度、利用規約、有料支援の契約条件は、事業者・求人・時期によって異なります。申込み、応募、内定承諾の前には、各社の最新情報と契約書面も確認しておくと安心です。体験談は筆者個人のもので、同じ結果を保証するものではありません。本記事は一般的な情報であり、個別の契約や法律判断を行うものではありません。
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